落合博満という人

最近妻が週間文春を買うようになって、僕も時々拾い読みさせてもらっている。
この前の号から新しい連載が始まった。
鈴木忠平という方の「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」
おっと思い読み始める。
 
作者がまだ若い駆け出しの記者だったころ、デスクに命じられ落合博満に会いに行く。
中日の次の監督が誰になるのかまだ公には発表されていなかったが、
その新聞社は他社に先駆けて落合博満に決まったことを知る。
スクープとして取り上げる以上、書きますよと伝え仁義を切らないといけない。
作者はあくまでその伝書鳩だった。
世田谷の豪邸まで行くとちょうど落合博満が出てきた。
デスクの名を出し、要件を告げると彼は立った一言「恥かくぞ」と。
この絶妙なはぐらかし方。さすが落合だなあと読みながら唸った。
 
そして記事が出た。
古参の選手、スタッフになるほど落合博満が監督になることを露骨に嫌がった。
そんな出だし。彼はここから先中日という球団をどう変えていくのか。
続きが気になる。
話は一度ここで区切って、この号の後半は川崎憲次郎のエピソードへ。
ヤクルトから4年で8億という鳴り物入りの契約で中日に移籍。
しかし直後に肩を壊しこの3年間一度も一軍で投げていないというお荷物となっていた。
そんな彼に落合新監督は電話をかけ、開幕投手を任せるという……
 
歴代のプロ野球の選手で一番好きなのは落合博満
次に清原和博という僕はプロ野球に求めるものが人と違うのだろう。
天才と言って思い浮かぶのはイチローではなく、落合博満
 
一番忘れられない試合は中学か高校のときにテレビ中継を見た巨人-中日戦。
確かピッチャーが斎藤雅樹で9回までノーヒットノーランで来ていた。
9回裏で1-0というスコア。
1アウトか2アウトまで来てあともう少しというところで3番の大豊がヒット。
記録は残念だけど、ここを押さえれば完封勝利ですとアナウンサーは言う。
その言った端から4番の落合がホームランを打って1-2でサヨナラ勝ち。
球場一杯の巨人ファンどころかテレビの向こうの全国の巨人ファンを敵に回し、
黙々とダイヤモンドを回る落合博満
この空気を読まない感、すごいなと。
4番の仕事は球を打つことだから打っただけ、というような。
そして後年その中日を離れ、宿敵巨人へとあっさり移籍。
 
オレ流を貫く野球人生。
孤高の人であって、現役時代には他の選手とのチームワークなんて全く求めてなさそうなんだけど。
そんな人がどういう野球理論、組織論を持って中日を4度の優勝に導いたのか。
これから先の連載が待ち遠しい。
ちなみに昨日8月9日は語呂合わせから野球の日。