「Artist File 2013」

雨の日曜。花見の予定がなくなって、
六本木の国立新美術館に「Artist File 2013」を観に行く。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2012/af2013/


あやうく見逃すところだった。明日4/1(月)で終了。
昨年は4月に入ってから「そろそろかな?」と思ってたらやってなくて。
毎年、叔父の出展する公募展と同時期だったから油断してた。


冒頭のヂョン・ヨンドゥに圧倒された。ソウル在住。
こんな発想があったのか!?
お姫様であるとか王子様であるとか。
子供たちの描いた絵を写真として再構成する。
そのイメージの通りにセットを作りこんで、
その登場人物に扮した若者たちを配して撮影する。
http://www.yeondoojung.com/artworks_view_wonderland.php?no=88


もうひとつはスクリーンを2分割した映像。
右側が固定カメラ。老人たちがそれぞれ過去の記憶を語る。
貧しかった生活。うまくいかなかった恋愛。自殺した兵隊。
左側も固定カメラ。それらの語りを再現するセットを作る過程を見せる。
揃いのオレンジのつなぎを着た匿名の若者たちが
家や線路や麦畑のパーツをテキパキと運んできて組み立て、
出来上がると背景のスクリーンと組み合わせて動く映像に仕立てる。
その背景にもビデオカメラのフレームを模して
大きな「●REC」が吊り下げられていたり、
PCの画像処理ソフトを模して人間の身ぶりがブラシになりズームもする。
5分から10分ぐらいのが6本あって、全部見た。
こういうのの映像ってわけわかんないのが多い中で、
はっきりとコンセプトとそれを実現する意志を感じた。
http://www.yeondoojung.com/artworks_view_nostalgia.php?no=90


その他はたいしたことなく。
あとはダレン・アーモンドと志賀理江子の写真のいくつか。
風景を風景として撮るか、意匠を施すか。
前者は写真を直接壁に貼り、後者はキャンバスに張る。
ヂョン・ヨンドゥは額に入れていたような。
同じ写真というメディアでも「どう見せるか」で印象は全然変わる。


帰りに青山ブックセンターに寄ってくと
今回の展示にリンクした志賀理江子の大型の写真集が平積みになっていた。
松江泰治の新しい写真集が青森を映したもので、気になった。
やなぎみわも手ごろなものがあったらと思うが。どちらも高く。
2ヵ月後ボーナスが出たらにするか、と思う。