バスまで時間があったので「ワ・ラッセ」でねぶたを見た。
今年のが終わって入れ替えたばかりだという。5・6台あったか。
今までなんとなくねぶたというものを見てきたけど、
よく見ると題材が中国にあったり古事記にあったり。幅が広い。
(後者は第6代名人の千葉作龍氏によるものだったはず)
それと裏側が面白いんだなあと。前面ばかり目立つけど
裏側にも人物や出来事がきちんと描かれていて手抜きがない。
作りかけのねぶたが触れるコーナーがあって生まれて初めて触った。
紙でできているとは思えない、樹脂なんじゃないかと思うほど
ピンとしなやかに固く張っていた。
雨が降ったら破れちゃうってことはなさそうだった。
館内は夏休みだからか、猿回しの公演がお客さんを集めていた。
入場料は600円。高いと聞いてたので2,000円ぐらいするかと思っていた。
あともう少し時間があると青函連絡船の「八甲田丸」へ。こちらは500円。
船長室や機関室など船内が見れるんだけど、
個人的に気になったのは昭和30年代コーナーで再現された
りんご市場や駅の待合室。角巻を着た行商人のおばあさん。
貧しくとも素朴で正直。生まれてもいないのになんだか懐かしい。
津軽人のDNAに仕込んであるかのような。
地下に保存されていた昔の列車の車両も懐かしかった。
SL/D51とかそんな古いのではなくて、あくまで昭和の。
「八甲田丸」は車両の輸送用に使われたからのこと。
この日の青森は最高気温33℃。湿度はないが気温が高い。
駅前で伊奈かっぺいを見かける。本人だと思う。
バスに乗って浅虫温泉へ。15時過ぎに到着する。
JRの駅にある足湯に入ってから宿へ。さすがにクーラーがついている。
部屋に入ってからテレビをつけてぼんやりと眺める。
キルギスで日本料理屋をオープンするシングルマザーの奮闘。
日本料理と言っても寿司とかそういうのじゃなく、
メニューはカレーや肉じゃが。アジア系の人たちの口に合うのかも。
キルギスの蜂蜜を入れたカレーはおいしそうだった。
夕食になる。ホタテの貝焼き、ホヤとジュンサイの酢の物。
刺身に鯛が出て、メインも鯛と長芋の甘酢餡かけ。
基本的に毎回同じ料理を出すことはなく、記録している。
前回泊まったときに僕がこの鯛をうまいと言ったから
今回鯛尽くしになったんじゃないかと思う。
母は「八鶴」を熱燗で、僕は冷で飲む。
宿の娘さんの話を聞く。
昔、浅虫の多くの家は風呂がなくて温泉銭湯に入りに行った。
温泉の女将さんの集まりが月に一度開催されるというとき、
市内では珍しくかつ安くておいしいということで
食事が「大戸屋」になったり…
夜、オルムン・パムク『雪』を読みつつ温泉に何度も入りに行く。
上巻の半分まで来る。
母が土曜ワイド劇場を見ながら眠っている。
暑いがクーラーを切って、窓を開ける。さすがに外も涼しくなっている。
その母が布団に戻って窓も閉じる。隙間風がよくないかもと。
午前1時に僕も眠る。