6時過ぎに目を覚ます。
大浴場にサッと入りに行って、戻ってきて髭を剃ろうとしたら
シェーバーの充電が切れる。え? 東京で充電してきたはずが。
もう10年ぐらい使っているからバッテリーが寿命なのか。
着替えて荷物をまとめて7時にチェックアウト。
朝食は取らず。バイキングだと食べ過ぎるので。
ホテルのアメニティの安全剃刀をもらっていく。
駅前のコンビニでシェービングクリームを買う。
昨晩訪れた港を通ってフェリーターミナルへ。
セメント会社の古びた円柱型の貯蔵庫の前を通りがかる。
今日の稚内は曇り。灰色の空が広がっている。
フェリー乗り場へ。利尻・礼文島行きとコルサコフ行きで施設が分かれている。
中では当たり障りのないロシアンポップスが流れていた。
既に30人ぐらいの人たちが待合室で待っていた。
ロシア人が半分。そうか。サハリンに帰るんだな。
たくさんの荷物をカートに積んでいる。
それとなく袋を見るとヨドバシカメラや白い恋人、コストコなど。
人によっては北海道土産のルイベを買っていたり。
小さい子供を抱えた家族が数組。老夫婦が数組。休日を過ごしたのか。
一人で来ている40代・50代の男たちは何らかの貿易関係か。
日本人の大半が近畿日本ツーリストの団体だった。バッチをつけている。
個人旅行者は数えるほど。なんだかアウェイ感を感じる。
7:30より受付開始。荷物を預けて
事前に旅行会社からもらっていた乗船証のチェックを受ける。
その後ターミナル利用券を買う。400円。
8:00からの出国審査の際に入口で係りの人に渡す。
パスポートを提出して特に何事もなく通過する。
船の中へ。乗船券を切られるときに出入国カードをもらう。
1等船室と2等船室がある。もちろん今回は2等。
青函連絡船も新島行きも皆そうだったけど
船内真ん中の大きな船室が8畳ぐらいのスペース6つに区切られていて、
思い思いに寝っ転がるだけ。前方にも半分ぐらいの大きさの船室。
ロシア人も日本人も関係なく混ざり合って自分の場所を確保する。
僕はこの船室は利用せず、ずっと後方のデッキ席へ。
海を前にして5時間半の航海を過ごした。
母に今からサハリンに行くと電話をする。
出航を前にして、青のつなぎに白のヘルメットの作業員たちが左右に分かれて、
ドックに結び付けていた太いロープをはずして巨大な糸巻きへと巻いていく。
トラックが1台船内へ格納される。
タラップというか何と言うか思い出せないけど、
岸辺まで伸ばされていた緑色の鉄板が折り曲がりつつ上に向いて、後方全面を覆う。