青森帰省・北海道移動:8/19続き

15時になって発車する。
市街地を走って、すぐにも高速に乗る。
果てしなく農場が広がる。ビニールハウスと大きな農作業用の家と。
そのうちのいくつかはサイロが建てられ、牧草地を持っていた。
その光景が延々1時間以上続く。
テレビでは先日の八雲での貨物列車の事故。
北海道のワイドショーではずっとそれだった。
明日、函館−札幌間は再開の見通し。
事故で言えば、高速で途中自動車がひっくり返ったのを見かけた。
横転ではない。どうやったらバク転のようになるのか?


16時を過ぎて砂川SAで休憩。日本最北のサービスエリアなのだという。
いろはす」の“ハスカップ”味が売られている。
あと「マリもっこり」ガラナとうきびモナカなんてのもあったか。
僕は普通の「いろはす」にスプライト。
バスに戻った頃、留守電が入っているのを知る。
「私のことは覚えてないでしょう、前に会ったのは30年前だから。
 写真が見たいわね。あなたのお母さんに電話番号を聞いたのよ。
 旅行楽しんでらっしゃい。また電話します」
名乗らなかったので、誰なのかはわからない。
なんだったのか。


高速を下りる。やがて留萌へ。
何もない町に製鉄所があってそこを抜けると川があり、海に出た。
波は昆布のような緑色でそれが白く泡立っている。
浅瀬に灯台がいくつも、と思ってよく見たら
テトラポッドを細長く積み重ねたものだった。
その後ずっと海沿いを走る。小平町へ。
漁師たちの町になる。家の間からスピーカーが伸びている。
ある家には四角い黄緑色に見えた無地の旗が立てられている。
砂浜には棒を組み合わせた先に監視カメラのような、祭りの飾りのような。
他にも木切れが岩の間に刺さっていて。
寺山修司の『さらば箱舟』を思い出した。
海辺に風力発電の風車が回っている。


羽幌町に入る。18時になって「サンセットはぼろ」にて休憩。
日が暮れる。海辺の夕陽 iPhone で撮影する。
そのうちに暗くなった。周りの人たちは眠っている。
バスは暗闇を走る。まっすぐな道が続く。時々交差点で曲がる。
スピードを上げていく。向かいからやってくる車がない。
稚内の市街地に入って停留所ごとに下りていく。
寂れた、ではなくなんというか隙間の多い町。
マクドナルド、すき家ツルハドラッグ、まばらなロードサイド。
終点の駅で下りる。商店街は閑散としていて、
港と円柱型の貯蔵庫が何本も建っているだけ。石油だろうか。
JRの駅だけが真新しい。
「さいはての駅に下り立ち」と啄木が言ってたけど
そういう感じ。場末と言うのではない。
こぎれいだけどゼロに向かって消えかけているような。


大浴場があるとのことで
今回は「ドーミーイン」というホテルに泊まった。
チェックインして荷物を置いて、外に食べに行く。
食べログで調べたら「ヴァンのとなり」という店がよさそう。
カツカレーがある。23時までやっているようだ。
これが行くとなぜか暗くて閉まっている。
第1・3月曜は休みとあって、正に今日…
ホテルで配ってたランチマップを参照すると
他ラーメン屋の類は19時には閉まる。
港をブラブラ歩いて駅前に一軒しか開いてないコンビニ
(「seicomart」札幌以後あちこちで見かけた)
缶チューハイとバターピーナッツを買って帰る。


このホテルでは21時半から「夜鳴きそば」ってことで
無料でハーフサイズのラーメンをサービスしてる。
行ったら既に大勢の宿泊客が出来上がるのを順番待ちしていた。
メンマとネギとノリがちょっとだけど、これはいいねと思った。
大浴場に入りに行く。最上階の露天風呂から稚内の町を見下ろせた。
缶チューハイを飲みながらバスの中から引き続き『雪』を読む。
明日の荷物を整理する。改めてフェリーの手引きなどを読む。
午前0時過ぎに眠るつもりが、『雪』を読み終えるのが長引いて午前1時。