サハリン旅行・北海道移動:8/23続き

9時(日本時間7時)ようやくバスに乗って桟橋へ。乗船する。
フェリーは日本人の係員ばかりでほっとする。
弁当を受け取る。行きの幕の内弁当と違って
コルサコフで調達するものなのか、国際線の機内食のようなランチボックス。
クロワッサン型のパンが2つ、イチゴジャムとマーガリン、
ミートボールが2つ入ったパック、
昨日食べたブリンチキかと思いきやおでんの練りものの入ったパック、
魚肉ソーセージ、QBBのベビーチーズ。デザートにナタデココ的なもの。


10時(日本時間8時)を過ぎても出航しない。
見るとのんびりバスがやってくる。出国審査で遅れたか。
10:15 ようやく岸を離れた。サハリンが名残惜しいのか、
日本人旅行客の多くが後方デッキに集まって眺めていた。
(行きのときにロシア人がやたら後方デッキにいた理由が分かった)
最初のうちはあちこち指差したりしていたものの、
1時間ほど経過して陸地が見えなくなると彼らも船室に戻っていった。
サハリンと稚内の中間地点まで来た頃だろうか、
「イルカが見えます」と船内アナウンスが。
見ると確かにイルカの群れが水面を飛び跳ねている。
1頭や2頭ではなくあちこちに10頭20頭はいた。
「あ、あそこ!」「こっちにもいる!」
皆、手すりにつかまって指差しあったり、写真やビデオに撮った。
僕としては海を泳ぐイルカは青函連絡船で見かけて以来だった。


行きと同様、売店でシーフードヌードルを買って食べる。
海を眺めながら。缶ビール飲みつつ。今回も3本。
寒かったので後半はインスタントのコーヒーにした。
多和田葉子『飛魂』を読み終え(表題作以外の短編は今ひとつ)、
川勝正幸『ポップ中毒者の手記(約10年分)』へ。1990年代の東京、渋谷。
スチャダラパー、はっぴえんど、ピチカート・ファイヴなど。
時代の空気を知っているとこういう本はほんと楽しい。


あと1時間で稚内。青く翳った海を前に立つ。
右も左も見渡す限り水平線で陸地が見えないという体験が
年に一度はあった方がいいように思う。
地平線ならばなおよし。


出航に合わせてきっかり15分遅れで稚内港に到着する。
下船、入国審査、預けた荷物を受け取って
税関の審査(リュックサックの中は開けず)、外に出る。
母に電話するが出かけているようだ。
団体の方たちが記念撮影をしている。
向かい側のフェリー乗り場に渡って、2階へ。
「次郎長」という道内では有名っぽいラーメン屋が期間限定で出店している。
塩ラーメンにトッピング全部(チャーシュー、味玉、バター、コーン)で
1,200円。なぜか味噌ラーメンがなかった。
本来の店舗ではないからか、味はいまひとつ。


14:45 外に出てタクシーを拾ってノシャップ岬へ。
飛ばせば宗谷岬まで往復2時間で戻ってこれるかもしれないがやめておく。
女性の運転手で、行き帰りあれこれ話す。


・明日から稚内では食の祭典。オホーツク海日本海の対決。
 ヒゲ面で有名な三國シェフが北海道出身ということもあってゲスト出演。
 昨年は猛暑の日だったが今年は雨になりそう。
 1杯100円で鍋料理が食べられる。他にも数量限定の食事が楽しめる。


・僕がサハリンから戻ってきたと言うと向こうの景気の話へ。
 天然ガスが見つかってその開発でガラッと変わったみたいだ。
 ガス田「サハリン1・2・3」のひとつで日本の商社が建設に関わったが、
 9割方完成したところでロシア政府から環境面の理由でストップ。
 あれは取り上げられてそのままロシア政府が使うのではないか。


自衛隊の施設が見えた。
 専用の港湾施設や滑走路を持ってるわけでもないのに
 陸海空と3軍揃っている。訓練も行っているみたいだが、
 大規模なものとなると道内の他の基地に移動して行う。
 昭和40年代の頃は米軍の施設であって、アメリカ人兵士が駐留していた。
 それが日本に委譲された。
 今はロシアを危険視しているわけではないし、
 むしろ北朝鮮の動向をウオッチしているのではないか。


・先日中国の船が一隻、稚内の先、オホーツク海
 航行していたのが見つかったという。密漁なのか偵察なのか不明。
 ロシア側も日本側も問題視しなかったようで、ニュースにならなかった。


タクシーがノシャップ岬に到着、「どうせ暇だから」と
待ち時間をサービスしてもらってあちこち写真に撮った。
近くの赤と白がストライプになった灯台は国内で2番目の高さ、
1番高いのは島根県にあるとのこと。
その足元に小さな水族館があった。
その壁に掲示されていた日の入りの時刻は18時28分。
最近さすがに日が落ちるのが早くなったという。
白夜ほどじゃないけど、緯度が高いので日の入りの時刻も多少遅いのかもしれない。
雨が降り出す。30分ぐらいはいいですよとせっかく言ってもらったのに、
早々と駅に戻る。往復で3,000円ちょっとだった。