夜明け

鳥たちは枝の間に身を隠し歌う雨を見つめる
降り注ぐ光の中を跳ね返り銀色の音を立てる
水かさの増した川を行く無人の舟が揺られて
子どもたちは歌う歌う花を挿して岸辺に立つ


鳥たちは草の間を通り抜け踊る雨に耳傾ける
溶け出した光の渦が熱を放ち紫の煙に交わる
押し寄せる波が大河を遡り山の頂を駆け巡り
子どもたちは踊る踊る時を忘れてひとりずつ


日が暮れて闇と暗闇がどろりとして包み込む
失われた半月を言葉にすることはもはやなく
地の底を這う誰かが爛々とその目を光らせる
夜明けを待つ生きるものたちが夜明けを待つ