「ナイアガラ」

その時が来たら僕は
飛行機に乗るだろう ロケットに乗るだろう
目を閉じて思い浮かべる
ナイアガラ


声はかき消され 視界は白く煙る
夜が明け、目を覚まし、狼が氷原を渡る
上空を通過する偵察機
音速を超える


何年も 何十年も 机の上、写真を飾っていた
知らない国 存在しない空間
僕たちはそのことすら 忘れてしまっている
年老いてまた一人 眠りにつく