甲府へ その3

17時、甲府駅前北口に戻ってくる。
宿の食事は18時半としていて、少し時間がある。
駐車場に停めて「甲州夢小路」を歩く。
城下町を再現というコンセプトらしく
黒塗りの古民家や倉をモチーフにした店舗が並ぶ。
その中心には時計台が建っている。
線路を隔てて向こうには城壁が残っている。
http://koshuyumekouji.com/


奥にある宝石屋がこの辺り一帯を再開発したという。
山梨は古くから宝飾関係が産業として栄えた。
山梨北部の有名な観光地「昇仙峡」はもうひとつ有力な宝石屋が牛耳っていて
ここのと敵対しているのだとか。


『葡萄屋Kofu』という店に入って葡萄ジュースを試飲する。
『樹の実』というドライフルーツの店ではドライトマトやレーズンやブルーベリーの他に
じゃがりこのようなポテトフライが売られていて、
カレーや伊勢海老やチーズなどどれを試食してもおいしい。
夜のつまみ用に辛し明太子とちゃんぽん味を買った。
店内はありとあらゆるドライフルーツでカラフルで賑やか。
山梨は葡萄や桃といった果物の一大産地だけれども季節が限られている。
オールシーズン可能なお土産をと果物を利用したお菓子づくりが古くから盛んだった。
他にワインが試飲できる店や「信玄もちアイス」を売っている和菓子屋など入る。


車に乗って宿へ。
駐車場から灰色の近未来都市のような抽象的なデザインの大きな建物が見えた。
山梨日日新聞山梨放送の入ったビルで、丹下健三が手がけている。
その1階には「D&DEPARTMENT YAMANASHI」が入っていた。


湯村温泉郷は甲府駅からすぐ近く。
http://www.yumura.com/
狭い路地に入ると古びた温泉旅館がいくつか並んでいた。
「常盤ホテル」という格式ある旅館は天皇陛下が山梨を訪れるときに泊まる宿。
もちろんこの季節に空いていることはなく、その近くのもうひとつ大きくて立派な宿へ。
駐車場に停めようとすると宿の方がベビーカーを押していた。
従業員の子どもなのか、お客さんなのか。
後で夜フロントに行くと奥の方でやはりあやしていた。
この駐車場で今日一日案内してくれたうっちーの旦那と別れる。


食事を19時半と遅らせて先に一風呂浴びに行く。
他の部屋は食事に出ている時間なので貸切となる。
露天風呂が岩と檜とあってよかった。


個室の部屋に移動して夕食。


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一、お通し


グリーンピース豆腐
山葵 薬味出汁
グリーンピースにゴマと葛粉を
入れて練りました。


一、前菜


パーナ貝マリネ
筍 自家製蕗味噌焼
合鴨ワイン煮
皮目を焼いた鴨をワインで煮ました。
姫川おくら北寄貝和え


一、お造り


鮪 甲斐サーモン 甘海老 帆立
妻 大葉 山葵 海苔 花
甲斐サーモンは山梨のブランド鱒です。


一、凌ぎ


桜おざら 薬味
野菜を入れた温かいつゆで食べる
「冷やしほうとう」が有名ですが
広くは麺を表わすといわれます。


一、煮物


桜道明寺
鰊山椒煮 蓮根麩
蕗 桜麩 銀庵
道明寺には鶏味噌が入っています。


一、台のもの


春野菜と浅蜊コンソメトマト鍋
キャベツ 菜の花
ブロッコリー 新じゃが
ミニトマト 浅蜊 胡椒


一、焼物


鰆菜の花けんちん焼
川魚は、山女魚塩焼(いずれか一品)


一、揚物


海老団子変わり揚
南瓜 こごみ 塩
海老団子には、魚肉と海老の
すり身が入っています。


一、酢の物
桜海老ゼリー寄せ
うるい 蛍烏賊 辛子酢味噌


一、食事
若布かちりご飯


一、椀
あおさ海苔つみれ
とろろ昆布 小松菜


一、デザート
桜プリン 抹茶葛餅


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どれもおいしかったですね。
和風と思いきやトマトコンソメ鍋といった変化球も入れてみたり。
桜道明寺の煮物というのも珍しい。
内陸なので魚介は厳しいかもと思っていたところに「甲斐サーモン」、感心する。
「おざら」は今回普通の蕎麦が出たけど、
本来はもっとほうとうっぽいものとなるらしい。


けっこんのお祝いにアロハシャツと
皆でこっそり作ったという歌あり絵あり物語ありの巻物を頂く。
和紙を張り合わせた手作りのもの。感涙。こんな幸せな師範は他にいない。


風呂に入りに行った後、隣の部屋に移動して飲む。
しかし腹いっぱいで皆が昼に買ったり持ち寄ったつまみはほとんど入らず。
サントリーの蒸留所限定のシングルモルトウィスキーをロックで飲む。
やっぱうまいですよね。シンプルな味わいがいい。


恒例となった「ケータイ大喜利」を見て1時。
最後にもう一度風呂に入りに行って寝る。
誰もいない露天風呂、頭を空っぽにして空を眺める。