夕暮れ

雨上がりの夕暮れ、屋上から紙飛行機を飛ばす
遠くへは行かない、だけど視界から消えていく
銀河鉄道の夜読んだことある? と君は呟いた
誰にでもなく、僕にでもなく、君自身でもない


聞かせてよ、ヘッドホン無理やり半分ずらして
ありきたりなポップミュージックが一瞬広がる
なんだそういうの好きなんだ、意外な感じだね
返して、ねえ返して、ああ、もう少ししたら…


そこには君がふたりいて、僕の方もふたりいた
君のことを知らない僕と僕のこと知っている君
その逆のふたりが階段を下りていくのが見えた
紙飛行機をもう一度飛ばして水たまりが揺れた