紅音ほたるという人

昨晩なんとはなしにテレビをつけていたら
NHKクローズアップ現代」が
『アジアが泣いた AV女優の死 〜歪んだ“性”と闘う〜』
気になって見てみた。


紅音ほたるという。今年8月に持病の喘息で亡くなった。
まだ32歳という若さだった。
僕はこの人のことは全く知らなかった。


デビューしてすぐ、その激しい本番行為ですぐトップに。
しかし4年後引退。重い鬱病となる。
その時の辛い体験があったからか、SNSなどを通して
性のことなど家族や友人に言えない悩みを持つ女性の相談に
親身になって乗ってきたという。
駆け込み寺。わかっているだけでもその数5,000人。
若者の性を考えるイベントやシンポジウムなのだろうか。
本当に困っている女性がいるとすぐにわかるのだという。
話しかけて、いつでも相談してと連絡先を渡した。


彼氏がAVを見て、その通りに激しくやろうとする。
女性はそれで喜ぶのだと思い込んでいる。
AVを教科書とすることの身体的、精神的危うさを訴え続けた。
渋谷の街角で若い世代に避妊具を配るという活動も続けた。
日本だけではなく、例えば台湾でも講演した。
だからその死はアジアの国々でニュースとなった。
AV女優のトップだったからというだけではない。


このようなドキュメンタリーはいいところを切り取るから
まるで現代の菩薩のように思える。
実際のところどうだったのかはわからないが、
本人は相当苦しい中でいろんなことに取り組んでいたのは確かだろう。
相談に乗ったつもりが逆に傷つけたということもあったかもしれない。
なんにせよ、
現代社会の闇は深い」というありきたりな結論で
僕らは終わらせてはいけない。