今はなき名店たち その6(その他のエリア)

その他のエリア。
「花菱」は今回「今はなき名店たち」としてまとめるきっかけになった店ですね。
久しぶりに検索してみたら閉店となっていて…
「真助」も仙台で、今回は本当は東京周辺だけにするつもりだったのですが、
どうにも忘れられない店だったので。


「花菱」(月島/もんじゃ)
 映画サークルの友人でその後番組製作会社に入ったヤツの最初の仕事が
 月島のもんじゃで、全店食べ歩いた中でここがダントツだと。確かにそうだった。
 月島の仲の悪いふたつのもんじゃ組合・振興会に属さず、独自の道を行く。
 その辺のちゃらちゃらした店とは違って、味がちゃんとしてましたよ。
 僕らの同人誌も置いてもらったなあ。ここ数年行かない間に、調べたら閉店してた。無念。


「吉華」(上野毛/中華)
 かつて住んでいた瀬田の家の近くにあった古きよき、格式ある中華料理屋。
 麻婆豆腐が大地を感じさせるコクのある味だった。
 きさくなおばあちゃんがフロアに立っていて、
 引退したおやじさんが朝、箒で外を掃いていた。
 自由が丘と八重洲の支店はまだあるようだ。


「アイバンラーメン PLUS」(経堂/ラーメン)
 芦花公園の本店は行ったことなく、支店のみ。
 アメリカ人のつくるラーメンということで話題になっていたけど
 僕が行ったときは普通に日本人の店員だったな。まあそういうもんか。
 今は店を畳んで、ニューヨークに店を出したとのこと。
 がんばってほしいと思う。


「真助」(仙台/牛タン) 
 詳しい方に教えてもらい、 ジャンジャン横丁の「べこ政宗」へ。暗くて狭い昭和のままの通り。
 行列ができていてここかと思ったら別の店で、「真助」だった。
 1時間ぐらい並んだかな。出て来た牛タン焼きは肉厚で、そもそもツヤが違った。
 口に運ぶともっちりとジューシーで絶品。柔らかいのに噛みごたえがあって、なのに筋張ってない。
 喉越しがよかった。ここ以上の牛タンには出会ったことがない。


「富田食堂」(青森/定食)
 最後、こちらも青森から。高校卒業まで住んだ青森市油川のごく普通の食堂。
 ラーメン、カレー、カツ丼というような。親戚が来るとここから出前を頼んだ。
 僕が中学か高校の時に閉店して、以後ずっとそのまま。建物も取り壊されず。
 全国にこういう食堂があちこちにあるのだと思う。
 取り立てて名店というのではない。だけど忘れてはいない。皆、心の中に富田食堂を抱えている。