ガストの思い出

先日、今はなき名店の一環として
小平の玉川上水い沿いのガスト一号店について触れたんだけど、
もう少し書いておきたいと思う。


1993年の4月に上京して大学の寮へ。
4人部屋、2段ベッドで共同生活。
夜はバイトしてるか、麻雀を打ってるか、コンパと称して寮のブロックの先輩や同期と飲んでるか。
その合間合間にご飯を食べる。安いので寮の食堂が開いてるときはできる限り利用した。
土日や春休み、夏休みの期間は自然と外食になる。
(本当にお金のないときはレトルトのカレーだったけど)
小平キャンパス周辺の、龍園、もとき、大勝軒、藤乃木など。夜は一松の白菜鍋。
駅前の立ち食いそば、戸隠も徹夜の麻雀明けによく行った。


もう1つ忘れられないのがガスト。
ハンバーグ、ライス、スープで380円。目玉焼きも乗っていた。
ドリンクバーもファミレスでは初めての試みだったか。
(上京したばかりの僕は、東京のファミレスには必ずあるもんだと思っていた)
そのドリンクバーが200円だったか。
当時はそれだけで朝までいることができた。
相談事、恋愛話、4人部屋の寮では話せないことをそこで語る。時には夜更けまで。
僕らにとってはファミレス以上の特別な場所になっていった。
先輩は店員のひとりがかわいいと「アタック」して「玉砕」してたなあ。


ここが実験的に始めた一号店だった。一応成功だったのだろう。
調べると翌年1994年、すかいらーくグループはガストを全国展開している。
国立キャンパスの近くにも新しくできた。
一年かけて東京に慣れた頃にはあちこちにガストがあったという状態で、
だから僕は上京した頃からそれが普通なのだと錯覚していた。


大学3年の頃には既に行かなくなっていたと思う。
ハンバーグも480円かそれ以上に値上げして、お得感がなくなった。
ドリンクバーも他のファミレスで一般的になった。
90年代の半ばはファミレス全盛期だった。
成長産業として世の中総ファミレス・ファーストフード化していった。


しかしなぜ小平のあの場所だったのか?
理由のひとつとしてすかいらーくの1号店が国立にあったみたいなんですね。
というか谷保の向こう側。微妙に行動範囲になかったので行ったことないですけど。
それも今はガストに変わってしまっているようだ。


そのガスト1号店もなくなっている。
数年前に小平界隈を歩いたとき、ああ、もうなくなってるんだと。
大学の先輩や同期たちとたまに会って飲んでいるとあの頃の話になって、
ガストによく行ったなあと。
僕らの思い出の中に、はっきりと一号店は残っている。