Brian Eno 「bloom」「reflection」

塚田さんも「温室」のホームページで紹介していましたが、
ブライアン・イーノの開発した iPhone のアプリ「reflection」について。
http://wired.jp/2017/01/01/reflection-app-review/


54分全1曲の CD / アルバムとしても発売されていますが、
より理想的な形はこちらのアプリの方でしょう。
起動した時刻などの条件に応じて再生される「曲」の展開が少しずつ変わります。
そしてそれは無限に、緩やかに変化を続けながら続いていきます。


ブライアン・イーノは自動生成される音楽、
「ジェネラティブ・ミュージック」の可能性を70年代、80年代からずっと探っていました。
コンピュータの時代となってそれはすぐ可能になったかと見えてそうはならず。
市販される CD-ROM がただ大容量なだけで一方向なメディアとなりさがったことに失望したり。
スマホの時代となって、掌サイズのネットワークコンピュータの時代となって
ようやくインタラクティブで手軽なアプリケーションを開発できたのでした。


最初のアプリ「bloom」はとても画期的でした。
ユーザーが画面を触るとその位置に応じた音程の音が発せられ、繰り返され、緩やかに消えていく。
いくつかの場所を続けて触るとそれがそのままメロディーとして奏でられる。
そしてそれは水面に触れた時のように色彩を伴った波紋として広がっていく。
それまでの「音楽を作るソフト」が音源を取り込んでエディットしたり、
譜面を入力したら自動演奏するというような「音楽に閉じた」ソフトだったとしたら、
「bloom」はトータルなアートの体験としての「開かれた音楽」のソフトでした。


音色が、残響の仕方が、とても美しいんですよね。余白の美しさ。
操作性と音色にはかなりこだわったのが伺われます。
イベント当日には実際に触って音を出してもらおうと思います。
(僕の iPhone でよければですが…)


他、時間があれば「trope」「air」などのアプリも紹介できれば。


「bloom」
https://itunes.apple.com/jp/app/bloom/id292792586?mt=8


「reflection」
https://itunes.apple.com/jp/app/brian-eno-reflection/id1180524479?mt=8