大阪へ その2(09/30午後)

店を出る。近大図書館には13時半からで1時間近くある。
歩いているうちに定食屋を兼ねた喫茶店を見つける。
客は近大の学生ばかり。まじめそうなのからちゃらいのまで。
この中に未来のつんくもいるのだろうか。
名物の「近大パフェ」が4段重ねで50cmぐらいになるだろうか。
680円と安い。話のタネにこれを頼んでみる。
しかし、昼メシ時は定食を頼む学生が優先ということで
出てきたのは13時半近く。慌てて食べた。
てっぺんにちょこんと近大の旗が立っていた。


近大キャンパスに足を踏み入れる。
新しくてきれい。というかモダン。
さすが実力ある大学は違うなあ。入学志願者数が日本一なんでしたっけ。
まだオープンしたばかりの「Academic Theater」に入る。
いくつかの建物が複合されていてそのうちのひとつ、「Biblio Theater」へ。
文脈棚系・セレクトショップ系の図書館で
一階が文庫・ハードカバーなどの文字系、二階が漫画という構成。
図書館分類法に沿った並びではなく、独自のインデックスとなっている。
1階「NOAH」だと「言葉と文学の方舟」「光と物質のドラマ」「大地と海が生きている」など。
2階「DONDEN」だと「神と悪魔の語り部」「近大生のためのハローワーク」「革命ごっこと戦争モード」など。
僕はこの2階の方のいくつかを担当した。
一ヶ月近くバンドデシネを雑観したり、ホラーを漁ったり…
(従来の図書館分類法に沿った中央図書館も近くの建物に存在する)


入り口に近大マグロの原寸大レプリカ。(全長253cm、体重214kg)
近大図書館の方に中をガイドしてもらう。
付属施設も充実していて、24時間オープンの女子学生専用学習室であるとか。
専用のアプリから席を予約しないと中に入れない。
図書館は小さな部屋がリゾーム状につながり合った構造になっていて、
四方八方に通路が伸びている。
壁いっぱいの大きな本棚でひとつのテーマを扱い、
部屋の中には2つか3つのテーマが収められている。
棚は頑丈な鉄製? のもので自由自在に棚板が組まれている。
黒板のようにチョークで字が書ける縦長のスペースが必ず一か所組み込まれていて、
近大生の中で担当を決めて自由に本の中の気に入った一節やイラストを書いている。
全体的に、本でぎっしりというよりも歩いて立ち止まるための隙間をたっぷり設けている。
その空間における本が占める割合は10%もないのではないか。なのでかなり広い。
そのような入り組んだ構造なので貸出カウンターも4カ所に分かれている。


ふーむ、選本リストだけを交わしていた時期は
デザインのおおざっぱなところしか共有されていなかったけど、
それが具現化するとこうなるのか。
自分の担当した棚に差し掛かるともちろんうれしい。
それが学生の貸し出しの人気が高いと聞くとなおさら。
1階だとアート系やIT系。2階の漫画だとスポーツやホラー。
漫画だと累計で2,000冊だったか2万冊の貸し出しがあったとか。
訊くと最初は図書館の職員も漫画を入れたり、
図書館分類法ではない文脈棚であることに抵抗があった。
それが徐々に慣れてきたようだ。


通路はただの通路ではなく、「ACT」というフリースペースになっている。
建築学科の学生が作品を展示したり、コピールームになっていたり、
クラウドファンディングを手掛ける学生発の企業が本拠地としていたり。
他にもいろんな仕掛けがあって
CNNのカフェや、味覚糖と産学共同で手掛けた製品のショールームがあった。
そこはリップクリームなどの化粧品だったかな。
近大マグロとキスする写真が撮れるというブースがあって僕も撮ってみた。


この日は50代、60代の方も多く中を歩いていて、
近所の人たちに解放して使わせているのかと思いきやそうではなくて、
父兄向けに大学を見学してもらう日だった。
なのでホールや進路指導室では父母向けの就職相談が開催されていた。
休憩スペースにはベッドのように大きなクッションが置かれていて、
学生たちがマグロのようになって寝転がっていた。
その中には歩いて疲れた父母の姿も。


ペッパー君を小型化したようなAIのロボットがいるコーナーもあった。
いくつかゲームができる。
そのなかのひとつに笑顔を採点するというのがあって
今回の1人が全国でセミナーを行うのが仕事で、笑顔が素敵だということで
向かい合ってみたら52点と。
もうひとつ、年齢を当てるというのを僕がやってみたら58歳…
人工知能もまだまだだな。


一通り見終わって、上の階のラウンジで休憩。
ホテルのようなスペースがあった。
奥の方でコーヒーを飲んでいるとメインの広い方にはテーブルが並べられ、
お年寄りの方たちが。宴会を始める。何かのOB会だったのか。