初めての動物病院

最近みみたが元気なさそうと妻が言う。
一日中よく食べて、家中を走り回り、下痢や嘔吐も(毛玉を吐き出す以外に。
そうかな、と思うけど、妻の方がより多くの時間を一緒に過ごしている。
僕の気づかない細やかな変化に日々接しているのかもしれない。
念のため動物病院に連れて行くことにする。
いつも妻に任せていたので、話に聞く田柄の動物病院に僕が行くのはこれが初めてだったりする。


8時に起きる。
血液検査を行うため昨晩寝ることからカリカリは与えず。
何も知らないみみたはいつものカリカリがもらえずにニャーニャーすりよってくる。
それが何だか切ない。
9時前、みみたをケージに入れて車へ。
一年半前、まだ小猫だった頃に熊本から連れて帰ってきた時のもの。
妻が押し込むだけで一苦労。窮屈そう。
手にもって外に出ると何かを察してモゾモゾと揺れる。


9時の開院前に駐車場はいっぱい。
待合室に入ると既に何組も先に待っている。
家の近くに動物病院があって土日にジョギングで通りかかると混んでて外で待っている。
ペットを飼っている人がいかに多いことか。
しかし、僕ら以外皆犬だった。
聞こえてくるところでは狂犬病のワクチンを打ちに来ているのが多かった。
本当に具合が悪くて検査や治療を求めているケースは半分もなかったかな。


それでもさほど待たされることなく、診察室へ。
診察台にケージを乗せてみみたを外へ。
診察台がそのまま体重計になっていて、3.9kg と。
一年半前に比べると二倍にはなったが、それでも痩せてる方なのか。
このところ元気がないと先生に伝えるとあちこち触診をして、パッと見た感じ病気はなさそう、
大人になったので落ち着いてきただけなのではないかと。


でもまだ安心はできず。
猫は我慢強く、目に見える症状が出た時には既に手遅れになることが多いと聞く。
一応血液検査をやってもらうことにする。
首の周りにボンネットのようなものを巻いて、
看護師の方に押さえてもらって注射器の針を足に刺す。
痛そうで体が小刻みに震えている。
なかなか注射器の中に血液が入っていかない。
すると先生は肉球を揉んで血液を送り出していた。
ポンプのようなものなのだろうか。
終わって看護師の方が針を刺した跡を指で押さえて止血する。
みみたは本当におとなしいという。暴れる猫はほんとに暴れると。


検査の結果は一週間後。
診察台の上にケージを置くとみみたはもそもそと自発的に入っていく。
よほど嫌だったんだろうなあ。


帰ってきて、いつも夜にだけあげていた猫缶を朝にも出してあげる。
よく頑張ったから、ご褒美と。
みみたはいつも通りペロリと平らげて、少しするともっともっととカリカリをせがむ。
いつも通りの元気なみみたに嬉しくなる。