NHKより

久しぶりに見た「ブラタモリ」は徳島。
阿波踊りは盆踊りなのだけれども、縦に進み、派手な衣装という特徴はなぜ?
 
町を流れる吉野川が暴れ川で、徳島は小さな島から成り立っている。
武家地ばかりで町人地の少ないことから広場がなく路地を踊りながら進むようになった。
川を隔ててふたつの町が踊りを競うようになる。
しかし、混ざり合って踊ってはいけないという。
一方が一方へ、かけられた橋のギリギリまで踊りが進んでいく。
その橋のたもとを観客席とするようになった。
 
その徳島藩の財政を支えたのが藍染め。
暴れ川ゆえに氾濫するたびに豊かな土が運ばれてくるため、藍の栽培が発展する。
藍染めを扱う商人は船で全国に出かけて商いを行い、
阿波踊りのお囃子は熊本県牛深のハイヤ節がルーツなのだという。
「踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら…」というのも大阪から。
潤った商人たちのお座敷遊びが阿波踊りの音楽をつくった。
 
しかし、その藍染めも化学繊維の台頭で下火に。
阿波踊りを観光の目玉にしようとするが、今のようなシャープなものではなかった。
今の形になったのは1983年なのだという。
その踊りを考案したというレジェンドの女性が登場した。
いろいろと勉強になった。
物事が形を成していくには合理的な理由がある。
 
その後 NHKスペシャルを見る。
震災から8年。震災がらみの番組が増えた。
全体的に復興が進むというのはいいことだが、取り残される人たちもいる。
復興のシンボルになった釜石の旅館は今、客足が遠のいている。
そこに旅館再建のため国から借りた数億円の補助金の返済が始まる。
売り上げ目標が月一千数百万の中で、分割で毎月百万というのは負担が大きすぎる。
それでもおかみは震災の体験を手弁当で語り続ける。
もう一社、中小の水産加工会社。津波で息子を失い、直後に妻を亡くし…
その保険金すら運転資金に充ててもはや資金繰りのあてがない。
 
どちらも明るい材料が見つかって返済を数カ月先延ばしできることにはなったが、
それはあくまで数カ月。
補助金が返済できずに倒産した企業は数十社に及ぶという。
この番組に出た2社はまだいいほうだ。
テレビの取材に応じるだけの余裕がある。
もっとひどい状況にあって、
今この瞬間にも最悪の選択を考えている経営者だっているだろう。
風化は早く、復興は遠い。