このところのみみたは僕が寝ていると足元ではなく枕もとで寝ていることが多くなった。
飽きてそちらに向かったのか、夏の暑さが関係するのか。
猫は人間の足の臭いが好きだと聞いた。
朝晩、肝臓の粉薬を水に溶いてスポイトで飲ませているのは変わらず。
何度かブッと吐き出して床にまき散らすことがあった。
色々と試行錯誤するうちにわかってきた。
口を開けた瞬間、喉の奥にスッと差し込むと吐き出すことはない。
力の下限で浅く、歯の手前なんかになったりすると吐き出されてしまう。
何にせよ落ち着いて呼吸を合わせ、タイミングを見計らうことが必要。
このとき無理に口をこじ開けさせることはしない。
椅子の上で抱きかかえ、左手を顎の辺りに添えて待っていると自然に口を開けてくれる。
薬の甲斐あってか、最近また食欲が戻ってきたように思う。
一頃タイマーで吐き出されたカリカリが
次の時間帯まで皿に残っていたのが、そういうこともなくなった。
小さい頃はイッキに全部食べ切っていたが、
大人になって何回かに分かれて食べることも増えた。
獣医の先生曰く、猫は何回かに分けてゆっくり食べるものだと。
みみたしか知らないので勢い込んでガツガツ食べるものと思い込んでいた。
たまには新しいおもちゃをと思って、この前の土曜、島忠に猫じゃらしを買いに行った。
棒の先にフワフワしたものがくっついているのではなく、
釣竿から糸が伸びてネズミのおもちゃがぶら下がってるのがいいな、と探してみたら
まさにイメージ通りのものがあった。
帰ってきてまだパッケージの中のそれを見た時点でみみたが興味を持って前脚でチョイチョイする。
取り出して二段式の竿をつなげて糸を伸ばす。
もう大興奮。棒のときとは大違い。
ネズミをブラブラさせるとボクシングのように右、左とワンツーパンチを繰り出して捕まえ、
ネズミを口にくわえてガジガジして離さない。
一週間でボロボロになって原形をとどめないことになりそう。
糸を巻いてしまっていたのをほどいて全部伸ばして、
広く糸を放り投げてみたときのはしゃぎぷりと言ったら!
転げまわって全身で遊ぶうちに糸が体に絡みついて身動き取れなくなった。
それでも構わずネズミをくわえて高速でゴロゴロする。
これは危ない、窒息すると慌ててみみたを抱きかかえて糸をほどき、
竿に巻き付けてビニタイで結わえておくことにした。
じゃあこれで安心かというとそんなことはなく、
最小限伸ばした糸の先のネズミのおもちゃ4個で遊ぶうちにこんがらがってほどけなくなる。
何をどうやったらこんなふうに複雑に絡み合うものなのか。
4個のねずみがあっちに行ったりこっちに行ったりで自然にできた輪をくぐって、すぼまって結び目ができる。
それがいくつも重なり合ってちょっとやそっとでは解きほぐせない。
糸を長く伸ばしているならわかるけど、どうしてこれだけしかない糸でこんな複雑に絡ませることができるのか。
器用を通り越して不思議。天才なのか、バカなのか…
そんなわけで最近は帰ってくると「さあこれを解いてみよ」とお題を出すかのように床に放り投げてある。
それに答えるために毎日10分や20分はかかって、
しかも四苦八苦してるとさっそくみみたがやってきてチョイチョイどころかグイグイ爪を立てて引っ張ってくる。
ほら早くよこせと言わんばかりに。ようやくほどけ始めて緩んだ結び目がまた閉じられてしまう…
仕方なくトイレの中に閉じこもって作業する。
きれいになった竿で少し遊ぼうとするが、すぐにも絡まっていく…
いつまでみみたが興味を持つか。ボールで遊んでいたうちは楽だった…