18年

9月11日。
アメリカの同時多発テロ事件が2000年。今年で18年が経過したことになる。
21世紀後の世界を大きく変えた出来事というと真っ先にこのことが思い浮かぶ。
イスラム圏と非イスラム圏との対立。
・セキュリティという目に見えないものに対する考え方。
・それまでにない規模でなされた自爆テロ
・重要な情報はテレビではなくネットから得るのが当たり前になったということ。
アメリカの脆さ、混沌とした社会の歪み、強いアメリカはもはや存在しないということ。
などなど。
 
あの日のことを思い出す。
今のようなスマホは存在しなかったし、
そんなしょっちゅうデスクトップPCを家で使うこともなかった。
ワープロとかちょっとしたゲームとかそれぐらいだった。
ネットにはつないでいてもそんなに見るものはなかった。
ブログやSNSなんてものもなく、
素朴なテキストサイトに写真が載ったぐらいのがまだ主流だったんじゃないか。
フラッシュアニメが盛り上がっていて、動画の再生なんて一般的ではなかった。
だからPCを立ち上げず、テレビ見つけず、翌朝の新聞も取り込んでいなかったから
全然知ることができないまま出社した。
 
そして会社の先輩から聞いて驚くという。
Yahoo! が勢いのあったころで、そこからニュースを辿って行ったのでは。
その時はビルの倒壊した写真だけを見て、
飛行機が激突する場面の映像を見たのは数日後だったように思う。
海の向こうの、テレビの向こうの出来事。
 
その数年後、ニューヨークにいた寮の同期とサークルの後輩を頼って訪れることがあった。
ワールドトレードセンターの跡地に連れて行ってもらい、
近くの教会に入ると亡くなったレスキュー隊員を偲ぶ写真やぬいぐるみが飾られているのを見て、
初めてこれが現実の出来事だったということを知る。
いや、もちろん知ってはいた。
しかし、自分の中で実感を伴うものになったのはようやくこのときだった。
その後ロスに行った時に入国や出国の手続きがやたらめんどくさいものになって
大きくアメリカは変わったんだなと感じたことを思い出す。
事件後の数年間だけじゃないんですね。
(ここ10年は行ってないので最近はわからないけれど)
その前年、2000年に海外出張でフォートワースを訪れたときはなんというか、牧歌的なものがあった。
 
その後の世界。
各地で自爆テロが頻繁なものとなって、根本的な解決策はない。
イスラム原理主義の国家的な集団がアメーバのように増殖して、
攻撃されて散り散りになってまた別の場所で増える、この繰り返し。
この18年間はなんだったのか、と思う。
この世界はただただ後退し続けただけなんじゃないか……