青森帰省 その4

初夢、思い出せず。
6時に目を覚まして、その断片をモヤモヤ考えているうちに二度寝
8時に起きるとそれもなんだったか忘れてしまった。


朝はハム、茹で卵、サラダ、ご飯と味噌汁。
食べ終えて家中に掃除機をかける。
突然の吹雪とふとそれがやんで太陽が出てきてと
天気が目まぐるしく変わる。
母が言う。早朝、ラジオを聞いていたら三日月の下を金星が通過していると。
見たみたら確かにそうだったので、
6時に僕がトイレに起きた時に見せようとしたら既に金星はいなくなっていた。


箱根駅伝
1区。集団の中で大東文化大学のエースが他の選手の足を踏んでしまい、
そのとき足首をひねってしまった。
大幅にスピードダウンするがなんとか襷をつなぐ。
10分を超えたら繰り上げスタートという中で、なんとか 08:40差。
一位は東洋大。5連覇を狙う青学は3位。
初めて女性の白バイ隊員が先導するとのこと。
二区、順天堂大塩尻が8人抜き。青学が下がる。
各社CMの中ではやはり役所広司の出るダイワハウスが面白いな。


10時まで見て弘前へ。
帰省している妻の後輩ちゃんに会いに行く。
昨年は青森まで来てくれたので今年はこちらが青森へ。
家を出るのが少し遅くなって早歩き、信号待ちでイライラ、
新町のアーケード街に入って、滑らないように気をつけながら走る。
10:40 青森駅発のなんとか3分前に滑り込み、
SUICA 使えたっけ? というのがあやふやだったので券売機で切符を買い、
改札を出てからはエスカレーターを、2階の通路を走る。
なんとか発車寸前に着いたはずが、扉が閉まっている。
え? あ、そうか。
雪国は扉が開けっぱなしではなく、ボタンを押さないといけない。
押したら開いてかけ込んで、ギリギリ間に合った。
新青森駅で大勢下りて座ることとができた。
吹雪の中、うねる線路を軋ませながら剛球のように電車は突き進む。


11:20 予定通り、弘前駅到着。
後輩ちゃんが改札の外で待っている。
タクシーに乗って弘前城へ。
その近くの蕎麦屋に入って昼を食べる。
季節限定のにしんそばがある。
1月限定の蕎麦は牡蠣南蛮。
僕は海老天カレー南蛮。
走って腹が減ってたので天丼も。
店は広く、奥の方に座敷がある。
正月二日、家族連れの客が多かった。


弘前城公園へ。
お濠も木々も深い雪に包まれていて、歩いている人もほとんどいない。
吹雪の中歩いて、背負っていたリュックサックが雪で埋まる。
水飲み場の水が流しっぱなしになっている。
そうしないと冬の季節は凍ってしまう。
弘前城情報館というのができていて、中に入る。正月でも開いている。
コンピューターのモニターが並んでいて、タッチパネルで選ぶとその情報が表示される。
弘前城の築城の様子であるとか、白の中の老木をめぐる散歩コースであるとか。
壁のガラスには当時の武士たちが馬を連れて歩く姿が流れていく。


天守閣を見に行く。
離れたところにポツンとあって柵で囲われている。
無言で雪に埋もれている。
石垣の修理が終わるのは平成33年か34年とのこと。
晴れ間が見えて、白い陽が照らすひと時がある。


歩いて行くうちに喫茶店兼土産物屋があって、
甲冑、打掛、陣羽織、振袖を着て写真を撮れるというコーナーがあって、面白そうだと。
僕と妻が甲冑、後輩ちゃんが打掛。
甲冑はマジックテープで止めたりと簡易的なつくり。
脚絆に帷子に兜、全身を覆って結構重い。
店のおばちゃんたちが着せてくれて、写真を撮ってくれる。
店のデジカメで撮ったのをプリントしてくれるだけでなく、僕らのスマホでも撮ってくれる。
背景もいくつかあって、使い放題。気前がいい。
とてもいい写真が撮れた。来年の年賀状に使おう。


弘前城を出て、「ねぷた村」へ。
その前に近くの藍染めの店に入る。
染物用の大きな甕が置かれていて、外国人観光客向けに英語で解説が書かれている。
壁掛けいいなあと思いつつ、手が出ず。猫の柄のしおりを一つ買う。
妻や後輩ちゃんは藍茶を買った。
そのうちに店の看板猫、小梅ちゃんが出てきた。4歳の黒猫。人見知りしない。
ふわっとのぼって店の方に居心地よさそうに抱かれる。


ねぷた村に入る。
施設の方がねぷたというか、青森県ねぷた・ねぶた文化について解説をしてくれる。
八戸(南部藩)を覗く青森県の広い地域、津軽・下北の各地で祭りがある。
そのうちねぶたは海辺(音が濁るのだろう)、内陸がねぷたとなる。
ねぶたの「ラッセラー」はお金持ちの承認に「金出せや」と囃していたのが「ラッセラー」となったと。
歴史的には弘前ねぷたが先、その年に運航する数も
ねぶたの20いくつに対してねぷたの方が圧倒的に多く80以上。
青森市の出身の僕ですら、この年になるまで聞いたことのない話の数々。
圧倒的な観光強者であるねぶたの青森市では、
五所川原立佞武多があります、弘前ねぷたがありますぐらいにしか説明されない。
展示を見て、奥の方ではこけしやねぶた絵を職人の方たちがつくっていた。
さらにその奥の部屋で津軽三味線の演奏を聞く。
よされ節やじょんから節。


灯篭も何もかも雪に覆われた庭園に出て、
池の錦鯉数匹が冬眠しているのか泳いだまま静止している。
向こう側に渡ると独楽の部屋。実演してもらう。
江戸時代に作られた仕掛けの数々。
音を立てたり、ひとつの大きな独楽の中から小さな独楽が飛び出したり。
200年以上も前の職人の腕の確かさに驚く。
小さな丸い盤の上で独楽が回転して倒れる、ルーレットのような独楽があって
東西南北の4つ、1〜6の6つが描かれた独楽がふたつ。
どの目が出たか当てたら賞品を上げますということになって、
ふと思いついた西の四と言ったら、それが当たってしまった。
小さい独楽をふたつとなぜかサザエさんのカレンダーをもらった。


外は暗くなっていてそろそろ帰るか、となる。
しかしなかなかタクシーがつかまらない。
向こう側の車線を走っているので手を上げても止まってくれない。
じゃあと向こう側に渡ると今度は来ない。
20分以上吹雪の中で待ったかな…
ようやくタクシーが捕まって後輩ちゃんとはそこで別れる。
急いで着いたものの僕が時刻表を読み間違えていて、
目指していた17:20発は青森行きではなくて反対方向の鰺ヶ沢行きだった。
(どちらも下りとなり、上りは秋田行きとなる)
その次の17:45で帰ってきた。


さすがに歩くには疲れていて、バスに乗ってまで家の近くまで。
ブラタモリ+家族に乾杯」で太宰府天満宮を訪れているのを見ながら
母の作ったカレーを食べて、義弟がむつから持ってきてくれたトゲクリガニを。
風呂に入り、出てくると BS の NHK で「平成万葉集」という番組を。
有名無名の歌人が詠んだ平成の30年を振り返る。
何気ないはずの言葉の数々が突き刺さる。
正月番組の中でこれが一番かもしれない。
続けて、「名盤ドキュメント」の YMO『Solid State Survivor』
メンバー3人は登場しないものの、コメンテーターで登場するのが
横尾忠則中沢新一いとうせいこう、鮎川誠、松武秀樹石野卓球砂原良徳など。
メンバー3人のコメントを読むのが当時スネークマンショー伊武雅刀
1st のあと、トミー・リピューマが演奏を聞いてなどの歴史的な話。
鮎川誠は、「Day Tripper」をキース・リチャーズに倣った5弦ギターで弾いたという。