ウィルスのこと

妻が言う。「ウィルスのこと、昔はビールスと言ってたね」
そうだった。昭和の頃はいろんなものをローマ字読みしていた。
それが少しずつ実際の発音に合わせて表記がそっと訂正されていく。
平成とはそういう時代でもあったように思う。
グルジアもいつのまにかジョージアとなっていた。
 
ウィルスは地球の環境から自然発生的に生まれるものではなく、
宇宙空間から隕石に乗って運ばれてくると聞いたことがある。
ゆえに宇宙人が地球人を滅ぼすために送り込む
というトンデモ仮説が出てきたりもするが……
 
今回の新型コロナウィルスは
中国の研究所で人工的に生み出されたものだという話がある。
それってかなりありえること、というか実際そうなんじゃないかと思う。
実験動物が殺処分されず市場に出てしまった、というくだりはわからないけど。
中国人は何でも食べるとされていることから付いた尾ひれかもしれない。
生物兵器をつくろうとしていたのか、単なる実験だったのかもわからない。
 
中学か高校の生物の時間に習ったことで今でも覚えているのが
細菌は熱に強く寒さに弱い、ウィルスは熱に弱く寒さに強いという
真逆の性質をもっているということ。
しかしウィルスは最近の何十分の一か何百分の一かの大きさであって。
 
映画化もされた小松左京復活の日』は
核戦争と新型ウィルスで世界が滅ぶという話だった。
毒性を極端に高めたウィルスを人工的につくるというのは
かつてはSF嶽の話だったのが、いつのまに現実となっていたのか。
それは70年代や80年代といった結構古くから
研究がある程度形になっていたのかもしれない。
ずっと研究所の奥での奥で厳密に管理して
そのウィルスが、あるいはその情報が、漏れることはなかった。
 
人類は生物兵器としてのウィルスをつくるだけのテクノロジーを獲得した、というよりも
そういうウィルスを研究することが全世界に広まって、当たり前のことになって、
管理が杜撰になったというのが実際の状況なのだろうか。