AURORA

昨晩、『新日本風土記』の後で特に見たいものは無く、
チャンネルを適当に回すと教育テレビで
『ドキュランドへようこそ「オーロラ 私の歌を探して」』という番組をやってて、
思わず見入ってしまった。
 
AURORA というノルウェーのアーティスト。僕は初めて知った。
今のところ日本盤は出ていないが、昨年の初来日公演は即日完売したと。
アナと雪の女王2』でも歌っていて、そこでワールドワイドな脚光を浴びたようだ。
Idina Menzel, AURORA - Into the Unknown (From "Frozen 2")
 
高校の頃、歌っているところを撮影した動画を友達がアップしたのが注目を浴び、
一夜にしてポップスターとなる。
2016年に最初のアルバムを発表。
ドキュメンタリーはその後の姿を追っていた。
2017年にアルバムを製作するも AURORA はセルフ・プロデュースを主張、
しかし周りの大人たちはこれでは売れないという。AURORA 20歳の頃。
2018年、フランスで再開したレコーディングが形になって
ようやくEPとアルバムとして発表される。
その葛藤、苦悩、不安の日々を感覚的な編集、スタイリッシュな映像で紡いでいく。
半分ぐらいはイギリスやブラジルなど世界各地で行われたツアーの日々。
バックステージでは熱狂的なファンが AURORA を一目見ようと待ち構えている。
 
天使のような無垢の声は儚さと力強さとを兼ね備えていて、
その顔は、身体は、繊細さの塊。天才の存在感を放っていた。
音に迫るときの目つきが違う。
求めるものは捕まえようとすると手のひらの間からすり抜けてゆく。
しかし、求め続けないといけない。
安らぎのひと時が訪れることはない。
どんな一瞬一瞬も一人きりでこの世界と対峙し続けている。
 
音楽的な能力の高さゆえにこの世界とコミュニケートする手段に悩む、
異形の自分に悩む、という意味では Sia に近いと思う。
あるいは、僕が最近知った中で同じぐらい才能を感じた Agnes Obel か。
デンマークなので同じく北欧だけど、 Agnes Obel の方がアカデミックというか、
あえて誤解を生むような言い方をすればクラシック的か。
AURORA はエレクトロ寄りとなる。
 
今日の午後、Youtubeでいくつかビデオクリップやライヴ映像を見た。
「Infections Of A Different Kind (Step1)」という EP を聴いた。
残念ながら CD での入手は難しいようだ。
 
表題曲となったこの曲が静謐さを湛えて一番美しいかな。
AURORA - Infections Of A Different Kind (Audio)
 
動の方では同じEPに収録されているこの曲か。
AURORA - Queendom (Official Video)
 
弾き語りだったり、少人数や大人数だったりといろんな編成のステージの映像を見て、
この方は断然ライヴ向きだなと。
カバー曲を演奏しているのを見た中ではこの3曲がよかったかな。
 
弾き語り:
Aurora - «Life on Mars» (David Bowie)
 
小編成:
AURORA covers The Beatles 'Across The Universe' for Like A Version
 
大編成:
Aurora - Famous Blue Raincoat (Leonard Cohen-cover)