吉祥寺へ、『清原和博への告白』

久しぶりに予定のない土曜。
妻は終日、物語講座のリアルイベント。
じゃあと僕も出かけることにする。
洗濯物を干し終わって、みみたに早めに昼のカリカリを出すと着替えて
吉祥寺行きのバスに乗る。
 
鈴木忠平『清原和博への告白』を読み始める。
清原が覚せい剤所持で逮捕された後の Number の企画が元になっている。
1983年の夏から1985年の夏にかけて、
PL学園は清原・桑田のKKコンビを擁して春夏連続5回の出場を果たし、
清原は13本の本塁打を打つことになる。
この本はその甲子園のマウンドで清原と対戦したピッチャーの話を聞くというもの。
この著者が週刊文春に連載していた落合監督伝が無類の面白さで、
この人の書く野球のノンフィクションをもっと読んでみたくなった。
 
1983年の夏、決勝戦。横浜商のエースは
決め球のつもりで投げたフォークがなぜか落ちず、
清原は甲子園で初めてのホームランを放つ。
あれから30年を経ても時々、なぜあの一球だけがと考える。
その一球の意味合いが時を経て変わっていく。
1985年の夏、決勝戦宇部商のエースは
清原と戦うことだけを目標に甲子園を勝ち上がるが、
その決勝戦で投げられなくなってしまう。
それぞれにドラマがある。
どのピッチャーも清原と向き合い、ホームランを打たれた場面を清々しくとらえている。
悔いもなく、悔しさもない。
実業団やプロに進むも、多くは若くしてユニフォームを脱いだ。
 
200ページちょっとの文庫で、行きの1時間で半分読んでしまった。
吉祥寺駅に近づくといつのまにか満員で、それ以上乗せることができずにバス停を通過した。
 
BOOKOFF で中古CDを物色。
吉祥寺の BOOKOFF はとても品ぞろえがいい。
2枚だけ、と決める。
以前妻と来た時に迷って買わなかった、『フォレスト・ガンプ』のサントラをやはり買うことにする。
もう1枚はあれこれ手に取った末に別なのを買うつもりだったのが、
ふと目に留まった Sex Pistols の初期ライヴ音源と New York Dolls のデモをカップリングしたものを。
国内盤が meldac から出ていた。なぜか無性に聞きたくなった。
どうせ音もよくないろくでもない音源なんだろうけど。
 
本当ならいせやで焼き鳥を食べながらビールを飲むつもりだった。
それがなんかそんな気分になれず。
清原の本、酒を飲みながら読んだらいかんなと思ったからか。
高校球児っぽく? すた丼屋で食べて
パルコの地下に移った DiskUnion で CD を売る。
査定を待ってる間に棚を見ていたらそのうち見つけたら買おうと思っていたものがいくつかあった。
しかも今日は3枚買ったら10%オフだという……
ツイン・ピークス』のサントラ、Full Moon の紙ジャケ、
Bob Dylan 公式ブートレッグシリーズの1966年、ロイヤル・アルバート・ホールの国内盤とか。
査定結果は720円と低調に終わった。
 
並んでなかったらサトウのメンチカツ買おうかなと見に行ってみるが、やはり行列。
バスに乗って帰る。
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最後、清原和博による手紙。
保釈され、一人きりの部屋で Number の特集を読んだのだという。
何人かのピッチャー、その投げた球について触れていた。
巻末には当時のPL学園の監督が後書きを寄せていた。
 
帰ってきて14時半。晴れている。
家の近くの広い空き地が分割されてそれぞれに家が建つ。
その工事が続いている。
年配の作業員ふたりが休憩時間なのか暇そうに立っている横を通り過ぎた。
この前の日本シリーズの話をしていた。