消防車を呼ぶ

こんなことがあった。
夕方前にゲリラ豪雨が降って、日が出てきたころベルの音が聞こえてきた。
家の中の音ではない。網戸を開けて顔を出すと外のどこかの家で鳴っているようだ。
目覚まし時計? しかしこんな時間に?
というかなんで止めないんだろう? 家に誰もいないのだろうか。
 
そう思っているうちに消防車のサイレンが。
家の前を通った。ということはかなり近い。
しかし網戸の向こうで特に火や煙は上がっていない。
そのうちにガヤガヤしだして、消防士らしきかたが無線で話す声が。
外に出てみると雨上がりの道路に消防車が一台、隣のブロックのマンションの前に。
もう一台手前の曲がり角に。
道が狭いからそれ以上近づけないのだろう。
チラホラと近隣の家からも気になって見に来た人たちが。
しかし、やはり火の手は上がっていない。
消防士の方たちはホースを伸ばしたりすることなく状況確認を続けている。
 
打ち合わせがあったので家の中に戻った。
モニター越しに話しつつも外が気になる。
そのうちに辺りが静まり返った。
30分ぐらい過ぎてもう一度外に出ると消防車は消えていた。
ボヤだったのか、それともいたずらだったのか。恐らく後者か。
何事もなかったのはいいことだけど、たまったものではない。
 
光が丘は駅を中心にマンモス団地が見渡す限り広がっていて
これだけ無機的な建物ばかりが連なっていたら
そういういたずらをしてもなんとも思わないような子ども(たち)が
他の地域よりも多いような気がする。
都会の陰に絡めとられた子どもたち。
これがまだ電話か何かだからまだいいとして、
エスカレートして放火になったらと思うとぞっとする。
そしてそれがたまたま僕の家だったら。
 
火事の通報があったら衛星から撮影した映像を拡大して
本当に火事なのか、ボヤ程度なのか、それらしき火が全く見えないか、
調べたうえで現場に向かうということができないものか。
そんなことを考えた。