披露宴の余興というもの

先日、「前から気になっていたことがあるんだけど」と妻が。
なに? と聞くと、
 
「披露宴でさ、新郎の友人たちがパンツ一枚になって出てきて
 歌ったり踊ったりするでしょ?
 あれってなに? なんでやるの? 面白いの?」
 
え? あれって理由がいるの?
披露宴の食事に鯛の尾頭付きが出てくるのに理由がいる?
あれと一緒だよ。
 
きょとんとされる。
だって、下品だよ。早く終わらないかなといつも思ってた。
 
これから家庭を持ち、支えていく真面目な新郎にもこんなおちゃめな一面がある。
そして一緒にバカをやってくれる昔ながらの仲間がいる。
それを集まった皆さんに知らしめるのは披露宴における重要な儀式だ。
 
僕らだってパンツ一枚にはならないが、
寮の友人が結婚するときには
新郎を取り囲んで、新郎にも一本持たせて、皆でビール瓶イッキをやる。
周りがドン引きしたって構わない。
新婦のおばさんたちが顔をしかめても構わない。
それが男たちの結束だ。
 
そういうの一切なく、
新婦の側は職場の同僚がドリカムを歌ったりするのに、
新郎の側は誰も出てこないとなったら
そちらの方がよほど不安だろう。
つまらない、真面目だけが取り柄の人間と負けを認めるようなものだ。
僕は熱弁をふるった。
 
妻は一言、「あ、そう」と。
別の話題に移った。