U2のこと

昨晩、お笑い向上委員会と世田谷ベースを見た後、
うだうだしながらどこかの局のスポーツ番組を少々。
ふーむ、マー君楽天に戻ってくるのか。
 
0時半過ぎ。
チャンネルを変えると NHK-BS で U2 のライヴ映像だった。
小さな円形ステージをファンで取り囲まれ、4人だけで演奏していた。
「Even Better Than The Real Thing」と「Acrobat
『Achtung Baby』の曲からだった。
2018年。4人は元気そうだが、かなり歳を取った。
ボノの声もサビのところで1オクターヴ上がったりしない。
もう1曲、知らない曲を始めたところで寝ることにした。
 
U2は1993年か、『Achtung Baby』の弟分的なアルバム『Zooropa』のツアーで
東京ドームに来た時に見に行った。
寮の先輩が大のU2好きで、自分を含めて4人集めて、見に行くぞと宣言。
なんで4人かというと、当時チケットぴあで1回の当選で見に行ける最大人数が4人だったから。
チケットの販売日の朝、土曜か日曜、寮の玄関脇の公衆電話が4台並んでいるのを占拠して
電話をかけまくった。携帯やPHSが一般的になるのは数年後。
あれがまた全然つながらないんですよね。
本社のある渋谷だったか新宿だったかでかけるとつながりやすいとか
いろんな都市伝説があった。
4人並んで20分か30分か、かけては通話中を繰り返して、
遂に僕がチケットぴあのオペレーターにつながった。
その時先輩は「でかしたぞ! オカムラ! 村の猛者だ!!」と。
 
無事チケットを入手することができて、夜は『魂の叫び』のVHSテープを鑑賞して事前予習。
本編が終わって一度袖に引っ込んだ時、ドラムのラリー・マレンJr. がテキパキと演奏のダメ出しをする。
ボノでもギターのエッジでもない。影のボスはあいつだったのか、と。
ベースのアダムはヘラヘラして聞いてんだか聞いてないんだか。
こいつ絶対バカだよなあと誰かが言って笑う。
 
いざ、東京ドームへ。
前座が Big Audio Dynamite だった。
高校時代、The Clash に心酔していた頃があったので
ギターのミック・ジョーンズのバンドだ! と感慨深かった。
しかし早めに来ていた観客は全然聞く気もなく。
立ち上がってノッてる人はほんのわずか。痛々しかった。
 
この日のことは他、ほとんど覚えていない。
U2 は当時のツアーで、悪魔に扮したボノが中盤に電話をかけるコーナーがあった。
アメリカだと大統領にかけてたので日本だといったい誰に? と。
僕らが見に行ったのは2日目で、前日の初日は曙にかけたという。
ドキドキしながら見守っていたらボノがかけたのは、なんと時報
ピ・ピ・ピ・ポーン、と。ずっこけた……
 
その当時ツアーを見ることができたからか、
自分にとっての U2 はそこで止まってしまっている。
今もU2の音楽的なピークは『Achtung Baby』だと思う。
 
次作「Pop」はかなり話題となった。挑戦的なタイトルだった。
ロックとポップがその頃まだ相いれない概念だったのが、
ロックがポップを取り込むのか、ポップがロックを取り込むのか、
どんな関係性に変わっていくのか、あちこちの媒体で論じ合われた。
僕が Rockin'on の採用募集に応募した時の作文のテーマの一つが、
ロックにおけるポップとは何か、というものだった。
さらにその次のアルバム、グラミー賞を獲得、昨年も20周年エディションが発売された
「All That You Can’t Leave Behind」も名盤だとは思うが、のめり込めず。
新作が出るたびに必ず買うが、一度しか聞かない。
彼らには申し訳ないが、不信心な僕は
『The Joshua Tree』『魂の叫び』『Achtung Baby』『Zooropa』ばかりを繰り返し聞く。
 
それはそうと『魂の叫び』のリマスター盤はなぜ出ないんだろう?
どういう扱いなんだろう?
ロック七不思議のひとつ。
 
追記:
『Achtung Baby』はCD6枚組にDVD4枚組という
スーパー・デラックス・エディションを買ったことがある。
6枚目のCDが「Kindergarten - The Alternative Achtung Baby」と称して、別ミックス。
ベースやギターといった素材の音が剝き出しのまま、必要最小限の音だけでミックスされている。
音響処理という意味では、ダブっぽくもある。
オリジナルがごった煮感ある音だとしたら、こちらは刺身のような。
もしかしたらオリジナルよりかっこいいのではないか。
機会があったら聞いてみてください。