教習所、教習車、教官

家から駅まで歩く途中の道が教習所のコースになっていて、
駅前のスーパーに行って戻るときには2・3台はすれ違う。
なんか変にゆっくり、丁寧に停まってくれるなあと思うと教習車だったりする。
別に急いでないのになあ、待っても構わんけど、
というときに限って停まってくれるので慌てて渡ったりする。
 
運転免許を取る際に仮免に三回落ちたりとあれこれ苦い思い出があるので、
路上教習の車はなんとなく見てしまう。
最近は若い女性の教官が増えたなあと思う。
僕が学生時代に通ったときにはほぼ50台、60代のおっさんだった。
中には機嫌悪そうな、怖そうな人もいたなあ。
女性の教官はわずかにいたように思うが、やはり年配だった。
僕が通ったところが昭和のまま時が止まったようだったから、
というのもあるかもしれない。
その頃から他の教習所は違ってたかもしれない。
今はとにかく、老若男女問わず教官は優しいんだろうな。
 
昨年の1回目の緊急事態宣言で商売が成り立たなくなった業界のひとつが、
自動車教習所だったんじゃないかと思う。
教習車の中って他人と密になるのが前提であって。
どうしたんだろうなあ。
世の中に必要な職業なのは確か。
どうしても急ぎで免許を取得したいという人のために細々と続けていたのか。
でも、まあ在学中ならいつでもいいやと思っていた学生だと
あの時期先延ばしにしただろう。
暇になったからむしろ今通う、という人はさすがにいなかったのでは。
 
やっぱ若い女性の教官は人気だろうな。
でも女性の教習生優先なんだろう。
でないと若い男性の教習生は有無を言わさずに若い女性の教官の予約を入れる。
どれだけ待たされようと。
いや、男女関係なくランダムに指定されるものなのかな。
どうなんだろう。
 
春先に行ってたこともあって
僕が通っていた教習所はとにかく実技の予約が取れなくて、
一度乗ると次は来週、再来週まで空きがないということはザラ。
それだとラチがあかんと毎朝早起きして自転車に乗って教習所行って
当日キャンセル待ちの列に並んでたな。
いつ行っても僕より先に来てる男性がいて、
それがあるときからいなくなって僕が一番に。
ああ、あの人は免許取れたんだろうなと思った。
 
あれだけ苦労したのに乗らないのはもったいないのだが、
性格的に全く向いてないので致し方なし。
数年前、ペーパードライバー教習を受けた後で何回か乗ったが、
よく今生きてるな、と我ながら感心する。
前を見てるとミラー越しに横や後ろを見ることができず、
それをやろうとするとテンパってしまう。
逆もまた然り。
 
横や後ろをミラー越しに見ようとすると
何がよい状況で何がよろしくない状況なのかピンと来なくて
まじまじと見たまま2・3秒平気で過ぎてしまう。
その間前を全く見ていない。
かといって前だけ見てるわけにもいかない。
妻が横に座って標識やサイドミラーの確認を
僕の代わりにやってくれて初めて運転できる。
自分で運転するよりも疲れる、しんどいということで諦めた。
たぶん、慣れの問題じゃないと思う。
僕みたいな人は、世の中に少ないはずだが……