2021/05/24: diskunion.net
Pink Cloud 「Kutkloud」 \1067
Pink Cloud 「Cloudland」 \1649
Pink Cloud 「Pink Cloud」 \1455
Pink Cloud 「Singles」 \465
Alice Coltrane 「World Spirituality Classics 1: The Ecstatic Music of Alice Cotrane Turiyasangit Ananda」 \1262
2021/05/24: www.amazon.co.jp
荒井由実 「Yumi Arai The Concert with old Friends」 \450
2021/05/25: www.amazon.co.jp
R.E.M. 「Eponymous」 \280
2021/05/25: diskunion.net
Arab Strap 「Mad For Sadness」 \680
2021/05/27: www.amazon.co.jp
Pink Cloud 「Singles」 \286
2021/05/27: www.amazon.co.jp
2021/05/28: diskunion.net
Buffalo Springfield 「Last Time Around」 \1100
2021/05/29: DiskUnion 吉祥寺店
Fugazi 「Repeater +3 Songs」 \680
Fugazi 「Steady Diet of Nothing」 \780
たま 「ナゴムコレクション」 \2380
2021/05/29: BOOKOFF 練馬光が丘店
The 真心ブラザーズ 「けじめの位置 ~栄光の軌跡II~」 \510
Porno Graffitti 「Porno Graffitti Best Red's」 \510
Porno Graffitti 「Porno Graffitti Best Blue's」 \510
Bonnie Pink 「Blue Jam」 \290
2021/05/29: www.amazon.co.jp
Robyn Hitchcock 「Robyn Sings」 \4225
2021/05/29: www.hmv.co.jp
スチャダラパー 「Cycle Hits ~ Remix Best Collection ~」 \440
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以前閲覧した商品だったかの価格が下がったときに通知する機能がある。
こんなの入れてたっけ? 全然覚えていない。
でもあるんだな、こういうアルバムが。
2017年、アビーロード・スタジオで収録されたもののようだ。
ジャケットにはビートルズの「Abbey Road」のパロディで、夜の横断歩道を歩く4人。
BBCの各文字がロゴの通りに白抜きの四角に入っている。
あ、じゃあ BBC のレーベルが出したのか、と思ってオーダーしたら違った。
その後 discogs で調べてみると海賊盤のようだ。unofficial と書いてあった。
3週間ぐらいかかっただろうか。封筒を見たらロシアからだった。
キリル文字であれこれ記されて、日本語の住所がプリントされていた。
ロシアは海賊盤のメッカだからなあ。ま、いいか。
『UMsound』というレーベルだった。どうも U2 の音源を中心に出しているようだ。
最近は海賊盤もピンからキリまであって
きちんとしたつくりのものも多いですね。
有名どころのライヴ音源をバンバン出している
『Alive The Live』のシリーズなんて今やタワレコでも普通に売っている。
一方でどういうライセンス状況なのか、
小さなレーベルから出ているライヴアルバムがオフィシャル扱いとなっていることもある。
The Chameleons が imaginary records から出しているのとか。
日本でも MSI が国内盤で解説のついているのを出してるとか。
その辺り、それぞれ事情が分からないと
買い手にしてみれば限りなくグレーに近い、ということになる。
買い集めてみるべきか、聞いてみるべきか、その都度判断に迷う。
正直、なかなか当たりはない。音質がしょぼかったりで。
とはいえ シンバルの音がシャーシャー鳴りっぱなしのところもあったので
本格的な音楽作品としてのミックスではなさそう。
調べてみると2018年に NHK BS で放送されたことがあるようで、
BBCがテレビ番組用に収録して、各国のテレビ局向けに販売したのだろう。
僕の買ったのには DVD も付属していて、恐らくその番組を映像作品化したものか。
CD はその音源だけを抜き出したものと思われる。
でも、悪くはなかった。というか、とてもよかった。
”With or Without You” ”One” ”All I Want Is You” ”Beautiful Day”といった代表曲に
”Lights of Home” ”13(There Is A Light)” ”Love Is Bigger Than Anything In Its Way”
の3曲が Live Debut と記載されている。
当時の最新アルバム「Songs Of Experience」からだ。
ボノの声は高音はかろうじて出ているもののさすがに往年の張り・伸びはない。
でもそれを補って余りある、それまでの経験から滲み出るシンガーとしての重み。
アダム・クレイトンのベース、ラリー・マレンJrのドラムも盤石。
そしてエッジのギターも流麗。
そこにオーケストラがバックについて花を添える。
熟年期の U2 は決して悪いものではなかった。
美しく年を取ったな、と感慨深いものがあった。
これ、正規の作品としてきちんとミックスしたのを出してほしいな。
残念ながら DVD はリビングのプレイヤーでは見ることができず。
NG DISC と表示された。
パソコンだと見れるのかな。
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Robyn Hitchcock 「Robyn Sings」
Pink Floyd のシド・バレットに憧れるけど決して向こう側には渡らない、
正気を保ち続けたまま、というような。
ダニエル・ジョンストンのような無垢で壊れかけの、ということもない。
その曲は時々ハッとするほど美しいものがあるけど、世間一般的な名曲は少ない。
深くはまり込んだ人だけがその魅力を知り、抜け出せなくなる。
70年代の後半、イギリス的な翳りを帯びたパワー・ポップのバンド
The Soft Boys で人気を博し、「Underwater Moonlight」といった名盤を残す。
80年代より今に至るまでソロ活動を続けている。
人それぞれどれを代表作に推すのは意見が分かれるけど、
「I Often Dream of Trains」(1984)
「Respect」(1993)
「Moss Elixr」(1996)
辺りが一般的に評価が高いように思う。
個人的には「The Man Upstairs」(2014)をよく聞く。
Psychedelic Furs ”The Ghost In You” や
Roxy Music ”To Turn You On”の落ち着いた、
優しい美しさを湛えたカバーを聞くことができる。
若い頃には奇人変人と散々に言われて、誤解を受けてきた人が
構わず地道に、自分のペースで音楽活動を続けてきて
到達した安らかな音楽的地平が広がっている。
今はどうなのかわからないけど、
若い頃はインタビューの場ででたらめな経歴を語るのが普通だった。
僕が高校生か大学生の時、恐らく「Respect」の頃か、
珍しく Rockin'on にインタビューが載っていた。
あれはとっておけばよかった。
自分はオックスフォード大学の特待生だったのが自殺未遂を何度か繰り返して
精神病院に入っていた時期もあった、というような内容だったと思う。
その後彼について書かれたものをあれこれ読むとどうも作り話のようだ。
歌も人生もフィクションだ、という思いがあるのだろうか。
ひねくれてるけど、根は素直な人なのだと思う。
この「Robyn Sings」はそのロビン・ヒッチコックが
ボブ・ディランの曲をカバーしたライヴアルバム。
再現するというコンセプトがあったようで。
(ただし、ややこしいことにボブ・ディランの
「Live 1966 (The "Royal Albert Hall" Concert)」は
実際には別な会場で収録されたもので、
数年前に「The Real Royal Albert Hall 1966」が発表されている)
1枚目はボブ・ディラン同様にアコースティックセットでギターの弾き語り。
”She Belongs To Me” ”Just Like A Woman” ”Mr. Tambourine Man”の代わりに
”Tangled Up In Blue” や ”Not Dark Yet”が演奏されている。
”Visions of Johanna” ”Desolation Row” ”It's All Over Now, Baby Blue”
などは本家同様ラインナップ入りしている。
2枚目は”Tell Me Mama”に始まって、”Like A Rolling Stone”で終わる。
この流れはオリジナルの通り。
2枚目はバックバンドが付く。ボブ・ディランの時は、そう、The Band だった。
フォークシンガーとしてのボブ・ディランを期待していた聴衆は
フォークロック路線に転向したボブ・ディランに対して
この日激しいブーイングだったという。
裏切者という意味を込めて『ユダ!』と叫ばれたのだとか。
ロビン・ヒッチコック版ではブーイングにはならなかったものの、
ユーモアを込めて聴衆から『ユダ~!』と声が掛けられていた。
(ブックレットには何曲目でユダが登場するかの記載まである)
2002年に発表。50歳になった頃。
自分の原点を見つめ直す時期に差し掛かったのか。
ただ単にボブ・ディランが好きすぎて歌いたかっただけなんじゃないかと思う。
1曲目の ”Visions of Johanna” なんてかなり意識して
ボブ・ディランを真似ていた、というか成り切っていた。
ぶつぶつ呟くように歌った後で急に高らかに歌い上げたり、
わざと淀むような節をつけたりと。
屈折した愛の現れ。楽しかっただろうな。
”Like A Rolling Stone”で大団円。
皆、結局はボブ・ディランが好きなんだよな。
でも、やはりボブ・ディランの長いアーティスト人生の中でも
1966年のこの時期に対してこだわりを持つというところが
ロビン・ヒッチコックならではなんだろうな。
ボブ・ディランにとっては音楽人生の転換点だった。
そこに自分を重ね合わせた。
Grateful Dead や Fairport Convention が
ボブ・ディランの曲をカバーしたアルバムを出している。
The Byrds の1枚目も、そう。
探せば他にもたくさんあるのだろう。
その中でも特別な一枚だと思う。
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たま 「ナゴムコレクション」
昨年、筋肉少女帯が無性に聞き直したくなって
紙ジャケで出ていた初期の3作を買って iPhone に入れて聞いていた。
俺、他に何持ってたっけ? とCDラックを漁ったら出てきたのが
「ナゴムコレクション」
有頂天というよりも今は劇作家として有名なケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
によるユニット、空手バカボンのもあった。
他に何が出てるのだろう、と調べてみたら
電気グルーヴの前身である人生とか、たまとか。
どちらも入手困難となっていて、amazon では5,000円以上になっている。
たまのが2,000円ちょっとで売っていた。もちろん即買い。
ナゴムは1980年代を代表するインディーズ・レーベル。ケラが主催していた。
カテゴライズの難しそうな、それはつまりメジャーデビューの難しそうな
ヘンテコなグループばかりだった。
たまは活動の初めの頃
ここからシングル「でんご」とアルバム「しおしお」を出している。
このアルバムはそこからの曲を集めたもの、プラスして
当時ナゴムのオムニバスに提供したという”さよなら人類”
1990年、メジャーデビューとなる。紅白にまで出場した。
イカ天の頃、僕は中学生だった。
バンドブームに興味を持ちつつも青森にいては情報源はテレビと雑誌だけ。
ライブハウスに行くという年齢でもなかった。
イカ天という番組がすごいことになっているというのは聞こえてきても
おそらく青森では放送されていなかった。
(ビデオデッキがあったのに録画していなかったので、たぶんそうだと思う)
ベストテンで、今、イカ天が話題ということで
Flying Kids と人間椅子が一瞬出演して紹介されていたのが
動いているのを見た最初かな。
でも演奏を聴くことはできなかった。
マルコシアス・バンプや宮尾すすむと日本の社長が話題になっていても、
どんな音なのかは想像するしかなかった。
そんなときにたまが彗星のように現れた。
日本最後の珍獣・秘宝として発見された。
僕ら地方の中学生に最初に届いたイカ天だった。
”さよなら人類”は前代未聞の、『こんなの聞いたことない』曲だった。
歌詞もメロディーも演奏も、メンバーの格好も全て
規格外というか調子はずれ、中二の心を鷲掴みせずにはいられなかった。
初めて出会った、わかりやすいアングラだった。
メジャーデビューとなるアルバム「さんだる」を発表。
僕はバスに乗って青森駅前の商店街にあった
CDショップ『Be Bop』で予約までして入手した。
初回盤はボックス仕様で、なんとメンバーのサインが特典としてついてきた。
しかし……、聞いてみるとこのアルバムはなんか違う。
”さよなら人類” も ”らんちう” も ”おるがん” も ”ロシヤのパン” も
あの頃の代表曲は皆入っている。
なのに聞く気がしなくて、2・3回かしか聞かなかった。
今思うと殺菌消毒してちまちまと標本化されたように感じたからだろう。
”さよなら人類”で紅白に出場、
『島が見えたよ』という原曲にはないパートが加えられた。
当時の会長の名前が島だったから、というシニカルさが彼らにはあった。
天真爛漫な童謡のようでいて、倒錯したユーモアとペーソスがあった。
それがうまく作品化されていなかった。
その彼らもメジャー1作目がピークだっただろう。
いっきに人気者になった分、潮が引くのも早かった。
2作目のアルバムを僕が買うことはなかった。
レンタルで借りることもなかった。
数年後には”さよなら人類”を書いた柳原陽一郎も脱退。
根強いファンは多かったと思うが、緩やかに世間からは忘れられていった。
2003年、解散。
もしかしたら20年ぶりぐらいにたまの音楽を聞いた。
インディーズの、まだ未知の生き物がひっそりとその生命を育み始めた頃。
中学校の体育館の裏に秘密の小部屋があって、
そのことを知っている限られたメンバーが
こっそり放課後に集まって演奏しているような。
まだどこかぎこちなく、拙いところがありつつも、
その小さな世界で一生懸命生きているかのような生命力がある。
改めて、”さよなら人類” も ”らんちう” も ”おるがん” も ”ロシヤのパン” も
皆、いい曲だった。
余談。荻窪に住んでいた独身時代、
アパートに帰る途中に小さなレストランがあった。
時折、コンサートを開催するようになった。
ギターやキーボードだけといったささやかなものだったと思う。
しかし、音がうるさいとなって大家ともめて開催できなくなり、
やがてそのレストランも店を閉めてしまった。
その最後の方のミニコンサートに登場したのが
たまの知久寿焼だった。
友人の女性が大ファンで、見に行くと言っていた。
会社帰りに通りがかるとギターの音が聞こえた。
今、この扉の向こうには知久寿焼が一人演奏していて、
友人がそれを聞いているのだろう、と思った。