*[音楽の話] 先週買ったCD #48:2021/09/06-2021/09/12

2021/09/07: www.amazon.co.jp
The Young Gods 「L'eau Rouge / Red Water 1989 - 2019 30 Years Aniversary」 \1731
 
2021/09/08: diskunion.net
Orchestra Baobab 「Bamba」 \1400
 
2021/09/08: www.amazon.co.jp
Patti Smith 「Peace and Noise」 \449
 
2021/09/09: diskunion.net
吉田美奈子 「扉の冬」 \3050
(Soundtracks) 「月曜日のユカ」 \3400
(Soundtracks) 「LA BOUM / LA BOUM2」 \2650
 
2021/09/10: tower.jp
Humbert Humbert 「Folk 3」 \3420
 
2021/09/11: www.amazon.co.jp
Cacoy 「Human is Music」 (\400)
Amazon のポイントで
 
2021/09/11: www.amazon.co.jp
The Bad Plus 「It's Hard」 \1439
 
2021/09/12: www.amazon.co.jp
KOHH 「WORST」 \1271
 
---
Patti Smith 「Peace and Noise」 \449
 
今週、新しい iPhone の発表がなされる予定。
遂に 1TB のストレージ容量のモデルが発売されるんじゃないか。
その際は僕にとっても3年ぶりの買い替えになる。
これまで 128 / 256 / 512 GB と2年おきにサイズが大きくなってきて、
本来のペースならば昨年、1TB が発売されるものと思っていた。
そうならなかったのはコロナ禍の混乱に寄るものなのか、
それともテクニカルな障壁があったのか。
国内外の多くのアナリストの予想によれば、今年こそ登場する見込み。
今週末にも予約開始かな。
世界的な半導体不足で供給が追い付かず、
とならなければ今月末には入手できるんじゃないか。
今から楽しみだ。
 
この3年間、512GB だと iPhone に音楽データが入りきらなくて
新しいアルバムを入れるためにどのアルバムを消すか、
その判断のためだけに音楽を聞いてきたように思う。
本末転倒。でもそこからようやく解放される。
あれも入れよう、これも入れようとこの一カ月、
これまで手付かずでいた CD の山をせっせと iTunes に取り込んできた。
フランク・ザッパのオン・ステージ集とか、
マイルス・デイヴィスのブートレッグ・ライヴのシリーズとか。
 
そんな中で、あれ、僕が iTunes に入れていたパティ・スミスのアルバムは
1枚目の「Horses」(1975)と
2作目の「Radio Ethiopia」(1976)だけだったかと気づいた。
じゃあと棚からごっそり取り出したら
活動復帰後の1997年に発表の「Peace And Noise」を持ってなかったことを思いだした。
やー、確かにそうだった。
欠けてるのも気持ち悪く、国内盤帯付き・スリップケース付きが
amazon で400円ちょいだったのですぐ買うことにした。
 
ベッドに腰を下ろし、俯いてノートに何かを書きつけている
モノクロのジャケットがかっこいい。
パティ・スミスのアルバムはモノクロのものに傑作の傾向がある。
「Horses」も「Radio Ethiopia」もそうだった。
1988年の「Dream of Life」や2004年の「Trampin'」もそうだし、
黒ではなくセピア色だが、1996年の復帰作「Gone Again」もそうだった。
まあ、カラフルな色遣いの似合う人ではもともとないんだけど。
 
タイトルの「Peace And Noise」とは
嵐の前の静けさというニュアンスだろうか。
「Gone Again」や「Trampin'」といった
直接的に激しさを込めた楽曲の並ぶアルバムに比べると
どこか落ち着いたところがある。
とはいえ、アコースティックな静かな音ではなく、
いつも通りギター、ベース、ドラム、
シンプルな構成のバンドメンバーと共に演奏している。
水面下の緊張感が高いのは他と変わらない。
 
最後の曲、”Last Call” でコーラスを取る男性の声、
どこかで聞いたことあるなと思って解説を読んでみたら
そういえばこの時期、R.E.M.「New Adventures In Hi-Fi」(1996)でも
パティ・スミス"E-Bow The Letter" で歌っていた。
R.E.M. のこの90年代屈指の名盤も今年、25周年記念エディションで再発される)
 
引き続き解説を読む。
4曲目 ”Spell” はポエトリー・リーディングなんだな、と思いながら聞いていたんだけど、
これはアレン・ギンズバーグの詩集『吠える』の脚注を朗読したものとあった。
1950年代のビート・ジェネレーションを代表する二人が亡くなっている。
1970年代のニューヨーク・パンクは彼らの自由な思想から受けた影響も大きかった。
パティ・スミスはその遺志を継ぎ、次の世代に伝えていこうとしているんだな。
パンクの女王と呼ばれていた時期もあったけど、
パンクにとどまらずアメリカのカウンターカルチャー全般に大きな足跡を残している。
 
フジロックで見たことがある。
あれは何年だったか。
3日間通しで別々なステージに立っていたように思う。
それに飽き足らず、彼女はステージとステージをつなぐ道の途中の辻に立って
ギター1本で歌っていた。
大勢の若いロックファンが真夏の日差しを浴びながら
彼女を取り囲んでいた。
忘れられない光景だった。