先週買ったCD #52:2021/10/04-2021/10/10

2021/10/04: www.amazon.co.jp
The Bird And The Bee 「ray Guns are not just the Future」 \500
 
2021/10/05: ヤフオク
Simply Red 「Men An Women Special Edition」 \1200
Simply Red 「Life Special Edition」 \1200
The Isley Brothers 「Mellow Islays」 \980
 
2021/10/05: www.amazon.co.jp
The Isley Brothers 「Givin' It Back」 \1650
The Percy Faith Orchestra 「Hello Dolly!」 \399
 
2021/10/07: diskunion.net
スピッツ 「オーロラになれなかった人のために」 \1455
スピッツ 「Crispy!」 \2086
スピッツ 「空の飛び方」 \1455
スピッツ 「ハチミツ」 \1843
スピッツ 「フェイクファー」 \1746
BOOWY 「Singles」 \1262
BOOWY 「"Gigs" Case of BOOWY Complete」 \1843
Dream Aademy 「Remembrance Days」 \757
 
2021/10/07: www.amazon.co.jp
Incognito 「Positivity」 \420
 
2021/10/07: www.hmv.co.jp
The Style Council 「Greatest Hits ~Sungular Adventures」 (\330)
HMVのポイントで
 
2021/10/08: diskunion.net
Buck-Tick 「殺シノ調ベ This is Not Greatest Hits」 \3251
Humbert Humbert 「家族行進曲 初回限定盤」 \2850
 
2021/10/08: www.hmv.co.jp
KT Tunstall 「Eye to the Telescope」 (\330)
HMVのポイントで
 
2021/10/09: diskunion.net
The Isley Brothers 「Harvest for the World」 \1400
The Isley Brothers 「Go For Your Guns」 \1200
 
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スピッツ 「Crispy!」
 
70年代や80年代ならいざ知らず、
90年代や00年代J-ROCKのアルバムもリマスター盤が出ていると知る。盲点だった。
チャットモンチースーパーカーを最近になって買い直し。
フィッシュマンズもポリドール時代がそうなのか。
スピッツなんて2002年の時点でそれまでのカタログを全部リマスターして再発していた。
2008年には SHM-CD で再度再発。
ほんと、知らなかった。
これではいくら金があっても足りない。
とりあえず、DiskUnion の中古在庫のあった6枚をボーナス一括払いで大人買いした。
 
「Crispy!」は最も思い入れのあるアルバムで、ほぼリアルタイムで聞いた。
1993年の作品。まだ世間的にはブレイクしていない。
上京して一年目の僕はあるとき青森に帰って、このバンドがいいと妹に勧められた。
青森駅の駅ビル『LOVINA』には当時、4階に小さなホールがあって
僕らも演劇部の卒業公演を行ったことがある。サイズとしては200人ぐらいか。
そこにスピッツが来てライヴをやったので見に行ったという。
今では考えられない話。
 
真っ赤なジャケットにインディアンの派手な羽飾りをかぶったのがかっこいい。
聞いてみたら確かによかった。
冒頭の”クリスピー”でスカッと爽やかに勢いのあるポップソングをねじ込む。
当時シングルとして切られた”裸のままで”や”君が想い出になる前に”が
優しくて美しいメロディーをもった名曲で。
後にシングルカットされた”夢じゃない”も甘く切ない。
”夏が終わる”や”君だけを””タイムトラベラー”といった埋もれがちな曲もいい。
最後の”黒い翼”に単なるポップバンドじゃない屈折が感じられて、
妙に心に残った。
 
こういうバンドもあるんだね、ぐらいに思って東京に戻る。
それが翌年1994年の「空の飛び方」が話題になり、
1995年の「ハチミツ」で大ブレイク。
えっ!? と驚く。
あの夏、どこに行っても”ロビンソン”が流れていた。
ドラマ『白線流し』の主題歌に”空も飛べるはず”が使われた。
あっという間に国民的バンドになってしまった。
 
そして今に至る。
スピッツってなんとも不思議なバンドで、
草野マサムネの書く意味のあるのかないのかよくわからない、
過去30年の日本語ロックから無作為にサンプリングしただけのように
一見感じられる歌詞がその最たるものだけど、
一番すごいのは1991年のデビュー以来
一度もメンバーチェンジなしで30年過ごしてきたということ。
そして00年代半ばまでは1年か2年おきに必ずアルバムを出してきた。
その後少しペースは緩やかになったもののアルバムを出して全国ツアーをして、
というのを変わらず続けている。
これは並大抵のバンドにはできない。
売れたバンドだからできるのだ、ではなく売れたからこそ、難しい。
 
アルバムを出していない時期も「花鳥風月」のような
B面曲や未発表曲を集めたアルバムを3枚出している。
実に働きものなのだ。
スピッツというバンド名が犬で
1991年の2作目の「名前をつけてやる」が猫ジャケで
2016年の「醒めない」がモフモフした巨大生物。
カラフルでホンワカしたようで、
なんかすっごい地に足がついているんですよね。
 
スピッツはいつもそこにいる。
ファンの側にいる。変わらずそこにいる。
ラーメン屋の名店が何十年と同じ味を守っていると思われているようでいて、
季節に応じて出汁に使う素材の配分を変え、
それも実は時代に応じて変化しているのだ、ということを思い出す。
”優しいあの子”が朝ドラの主題歌でテレビに流れた時、
ああ、いつも通りのスピッツだなあと思った。
しかし全くマンネリ感がない。
新鮮な気持ちでスピッツの美しいメロディに浸ることができた。
どうしてそんなことができるのか。
かれらは悪魔と契約を交わし、
不老不死となって永遠の若さを与えられたのか、とすら思う。
 
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BOOWY 「"Gigs" Case of BOOWY Complete」
 
昭和50年生まれ、40代後半に入った僕は
BOOWY世代の最後の方だと思う。
最初に買ったアルバム(カセットテープ)は1988年の「Last Gigs」で、
僕は中学2年生。BOOWY は既に解散していた。
前の年、兄のいる友だちの家に行くとたいがい、
アルバム「Psychopath」やシングル”Marionette”をダビングしたテープを聞かされた。
そうだ、「Last Gigs」を予約して買ったら特典として生写真が付いてきた。
恐らく最後のコンサートを前にして
東京ドームの通路にそれぞれ距離を保ちながら立つメンバー4人の姿。
あの写真、まだどこかにあるはずだが……
 
僕にとってはあの頃聞いた「Last Gigs」が BOOWY の全て。
当時青森市にあったカセットテープをダビングしてくれる店で
1作目にボーナストラックを足して再発された「Moral+3」と
2作目で何度もいろんな形で再発されまくった「Instant Love」を
ダビングしてもらって聞いた。(1本800円ぐらいだったか)
前者には「Last Gigs」でも演奏された
代表曲の”No N.Y.”や”Image Down”が収録されていたとはいえ、
どちらもあまりにも曲がしょぼかった。がっかりした。
なんでこの2作品だったんだろうな。たまたまか。
これが後の「Just A hero」や「Beat Emotion」だったら
僕の音楽人生もだいぶ変わっていただろう。
 
そんな僕も、懐かしさゆえに最近になって、最近と言っても数年前だが、
コレクターズ・アイテム的な作品をいくつか買った。
「Last Gigs」の完全版となる
「Last Gigs -1988.04.04-」「Last Gigs -1988.04.05-」
(オリジナルは2日間の演奏から編集されている)
「"Gigs" Case of BOOWY Complete」の完全版となる
「"Gigs" Case of BOOY at Kobe」「"Gigs" Case of BOOY at Yokohama」
(こちらもオリジナルは2日間の演奏から編集されている)
 
どちらも聞きたかったわけではなく、ただなんとなく。
40過ぎて金があったんで珍しいものはなくなる前に買っとくか。それだけ。
まさしくレコード会社の思惑通り。
なので、買っても全然聞かなかった。パッケージを開けすらしなかった。
「"Gigs" Case of BOOY at Kobe」「"Gigs" Case of BOOY at Yokohama」
なんて曲目が全く一緒なんですよね。
しかもどちらも2枚組で39曲。
それが倍になって4枚組となって、なんとも億劫に……
 
なのにそれを聞く気になったのは、先月 1TB の iPhone 13 を購入して
今までの倍近くのアルバムを入れることができるようになったから。
前から気にはなっていたので、移し終わってさっそく聞いた。
スーパーに買い物に行くときになんとはなしに。
 
びっくりした。
余りの演奏の素晴らしさに。
1987年、解散の一年前。BOOWY が一番脂に乗ってるとき。
恐らく、このとき日本最高のロックバンドは BOOWY と言い切っていい。
他を聞かなくても断言できるぐらい、すごかった。
単純なビートパンクのイメージを抱いていた僕は何とも恥ずかしい。
レゲエもニューウェーブも当時の洋楽の音は全て取り込んでいたんだな。
特に布袋寅泰のギターが。
しかもそれをタイトでソリッドなロックナンバーにまとめあげ、
氷室京介のヴォーカルがカリスマとして圧倒的な存在感を放つ。
BOOWY としか呼びようのないセクシャルな音へ。
2枚組、39曲を一気に聞いても全然飽きなかった。
 
とはいえ、神戸と横浜と計4枚を iPhone に入れて
何度も繰り返し聞くほどの筋金入りのファンでもないので
この2日からベストテイクを編集した
元々の「"Gigs" Case of BOOWY Complete」を入れておくのがよかろうと。
80年代日本を代表する、ライヴアルバム。