先週買ったCD #58:2021/11/15-2021/11/21

2021/11/15: diskunion.net
忌野清志郎Little Screaming Revue 「冬の十字架」 \680
忌野清志郎Little Screaming Revue 「Baby#1」 \980
スピッツ 「さざなみCD」 \2250
スチャダラパー 「スチャダラ大作戦」 \480
スチャダラパー 「よりぬきスチャダラ全力投球」 \1601
キングギドラ 「空からの力 20周年記念デラックス・エディション」 \1500
The Isley Brothers 「Live It Up」 \1900
 
2021/11/16: tower.jp
mama milk! 「Charade」 \3300
Pink Floyd 「A Momentary Lapse of Reason Remixed & Updated」 \2640
Lucinda Williams 「Lu's Jukebox vol.3 - Bob's Back Pages: A Night of Bob Dylan Songs」 \2640
Lucinda Williams 「Lu's Jukebox vol.4 - Funny How Time Slip Away: A Night of 60's Country Classics」 \2750
Oingo Boingo 「Only A Lad Remasterd & Expanded Edition」 \1971
 
2021/11/16: www.amazon.co.jp
No Doubt 「Everything In Time」 \151
 
2021/11/17: www.amazon.co.jp
Oingo Boingo 「Good For Your Soul Remasterd & Expanded Edition」 \2208
The Divine Comedy 「Casanova」 \2430
The Divine Comedy 「a short album about love」 \2430
 
2021/11/17: diskunion.net
Nick Pascal 「Magnetic Love」 \780
Nick Pascal 「Zero Gravity」 \880
No Doubt 「push and shove deluxe version」 \480
Caetano Veloso 「Ce Live」 \646
Gram Parsons / The Flying Burrito Bros 「Sleepless Nights」 \2707
Gram Parsons & The Fallen Angels 「Live 1973」 \836
(V.A.) 「Listen to 和ジャズ・ディスク・ガイド 日本コロムビア篇」 \1426
GenesisGenesis Live」 \570
 
2021/11/17: www.hmv.co.jp
スピッツ 「三日月ロック」 (\2850)
スピッツ 「スーベニア」 (\2850)
HMVのポイントで
 
2021/11/17: www.hmv.co.jp
Sherbets 「Very Best of Sherbets 8色の虹」 \4455
Buffalo Daughter 「We Are The Times」 \3080
Deerhoof 「Actually, You Can」 \2530
Courtney Barnett 「Things Take Time, take Time」 \2640
Damon Albarn 「Nearer The Fountain More Pure The Stream Flows」 \2750
Super Furry Animals 「Rings Around The World: 20th Anniversary Edition」 \2557
Goo Goo Dolls 「Rarities」 \2297
Joni Mitchell 「Reprise Albums (1968-1971)」 \4950
Joni Mitchell 「Archives - Volume 2」 \9464
 
2021/11/18: www.amazon.co.jp
Beastie Boys 「Some Old Bullshit」 \680
 
2021/11/18: www.amazon.co.jp
Larkin Poe 「Venom & Faith」 \1738
 
2021/11/19: TowerRecoreds 光が丘店
Stereolab 「Transient Random-Noise Bursts With Announcements [Expanded Edition]」 \2640
Stereolab 「Mars Audiac Quntet [Expanded Edition]」 \2640
 
2021/11/20: TowerRecords アミュプラザ博多
Kiss 「Destroyer 45th Anniversary 2-CD Deluxe Edition」 \3960
 
2021/11/21: www.amazon.co.jp
Man Man 「Dream Hunting in the Valley of the In-Between」 \1159
Beastie Boys 「Licensed To Kill」 \1400
 
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Deerhoof 「Actually, You Can」
 
Deerhoof の新作が出て、さっそく取り寄せた。
今調べたら結成は1995年。もう四半世紀の活動となるのか。
西海岸、サンフランシスコで活動を開始。
日本人のサトミ・マツザキがヴォーカル、ベース。
ギターとドラムがアメリカ人の男性でギターが一人になったり、二人になったりする。
Kill Rock Stars とかいろんなインディーレーベルから
コラボ作も入れたら20枚ぐらいアルバムが出てるのかな。
こんなに長く続くとは本人たちも思ってなかったのでは。
国内盤も最近の作品は出たり出なかったりするけど、
今回は輸入盤のパッケージに解説を追加する形で発売された。
この辺りに日本でのジワジワとした人気の高さが現れていると思う。
 
Deerhoof の音はいつも通り。
相変わらずのクオリティの高さ。
生命力高めな謎のカラフルキュートな生き物が
激しく新陳代謝を繰り返しているような。
ギター、ベース、ドラムが様々なリズム、フレーズを
プリズムのように乱反射する。
 
日本人の女性ミュージシャンがアメリカのバンドでヴォーカルを取って
ジャンル無視、セオリー無視の
ロックなのにロックではない面白い音を出す、というのがいくつかあって。
この DeerhoofBlonde Redhead がその両巨頭で
デュオの Cibo Matto もそうだし、ソロだけど mitski もその系統かな。
向こうの音楽シーンに溶け込んで友達になってどんどんコラボしていく。
 
音楽を含め様々な芸術が究極的には
input → ブラックボックス → output
という図式に還元されるというとき、
同時代の無数の音楽に限らず、
世界の裏側のマクロなニュースや身の回りのミクロな出来事まで
ありとあらゆるものを貪欲に取り込んで、
一度バラバラにした断片をアッと驚く手際で組み立て直して
ジャンルレス、ボーダーレスな音楽としてアウトプットする。
そのブラックボックスの中身をセンスの一言で言ってしまうと片付けすぎか。
このコラージュ、ブリコラージュの手つきの鮮やかさに皆、うならされる。
そこを聞く音楽というか。
情報量を味わう音楽というか。
 
面白いのは、アメリカに渡った日本人男性からこういう音楽は出てこないんですよね。
僕の知る限りでは、ですが。
単身渡って、あるいは日本人メンバーだけのバンドとしてツアーして回る。
日本人のまま対峙するというような。サムライジャパン。
そしてほとんどはなかなか成果を出せずに日本に帰ってくる。
女性の方が柔軟でたくましいのではないか。
日本とアメリカという区別もなく、男と女という区別もなく
世界市民として世界のどこかでやってますというあっけらかんとしたものを感じる。
その心地よさ、風通しのよさ。
なので彼女たちの音楽の特徴は、特に DeerhoofCibo Matto は、
喜怒哀楽というよりもユーモア。
何よりも楽しさが前面に立つのがうれしい。
 
Deerhoof はよく日本に来てるのに、機会がなくてまだ一度も見ていない。
コロナ禍が明けたら来てくれないかな。
あるいはこちらが西海岸に見に行くか。
 
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mama milk! 「Charade」
 
mama milk! の新しいアルバムが発売された。
前作「your voice」が今年の7月だからかなり活動のペースが上がっている。
 
2006年に一度そのステージを見たことがある。
会社の音楽仲間の先輩に誘われて見に行った。
浅草のアサヒ・アートスクエア。
例の金色のオブジェが乗っかった建物の中。
最初に出た F.I.B. Journal もなかなかよかった。
この2組は共演のアルバムも出している。
 
昔の日記を引っ張り出したらこんなことを書いていた。
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mama! milk は京都を中心に活動している。
CD を探したらクラブ系ってことになってるけど
編成はアコーディオンの女とコントラバスの男の2人。
キャバレー音楽とタンゴの融合のようでもあり、そういうのとは全く違うものでもあり。
退廃的で官能的、なのに清楚とした佇まい。
例えて言うならば「暗闇の天使」? (bauhaus じゃないですが)
なんにせよアコーディオンってこの世で最も妖艶な楽器だと思った。
目を閉じて身を反らし、ゆっくりと蛇腹を広げるのって妙になまめかしい。
 
ステージの上には手回しのオルゴールがあって
クルクル回していくとパンチされた紙を読み込んでいってかすかなメロディーを奏でる。
そこにコントラバスが重なる。そういう場面からライブがスタート。
アコーディオンの音に仕草もさることながら、
コントラバスにもいろんな表情があって。
ボディをタンバリンのようにスタッカートで弾いたり、指輪で叩いたり。
曲ごとにあれこれ、恐らく正式な弾き方としてはかなりイレギュラーなことをやってのける。
 
前日見た DVD (最新作「Gala de Caras」が Dual Disc になっていた)のクリップでは
チェロとマリンバを加えた演奏だったので、
ライブの途中もゲストが出てくるのかなと思ってたんだけど、2人だけで最後まで。
10曲ぐらいやっただろうか。
アコーディオンコントラバスという簡素な編成なのに、
1曲1曲様々な風景を奏でるようで飽きない。
見終わる頃には「アコーディオンに寄り添うべき楽器はコントラバス以外にありえない」
とすら思ってしまう。
これって mama! milk のスタイルが完成されているからなんだろうな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
そう、2人だけの演奏なのになんとも官能的だった。
静寂を湛えたなまめかしさ。
タンゴでもなく、ワルツでもなく。
パリでもなく、ブエノスアイレスでもなく。
どのアルバムも架空のサウンドトラックのよう。
世界の裏側のどこかのひと気のない殺風景な部屋、
つい先ほどまで言葉少なく愛を交わしあった男女がいて
その窓からは別々の方角に歩き去った2つの影が見える。
そんな情景を僕は思い浮かべる。
あるいは路地裏に1人、ポツンと天使が舞い降りてくるような。
 
2人だけで録音されたアルバムとゲストを迎えたアルバムとがあって
「your voice」は前者で「Charade」は後者。
クレジットにはハープ、フルート、フリューゲルホーン、ヴィオラといった楽器。
最近のアルバムは過去の曲の再演を行うことが多く、
編成が編成なので代わり映えしないようでいて
新作はいつも瑞々しく聞くことができる。
これはひとつひとつの作品が映画のように作られているからだろう。
一作ごとに異なる男女の出会いと別れのストーリーを描いているというか。
切なくて、不穏で、儚くて、気怠い。
 
ミニシアター系の映画の音を消して
代わりに mama! milk のアルバムを流すということを試みたら
だいたいの作品は違和感なく観賞できるんじゃないかと思う。