先週買ったCD #168:2024/01/08-2024/01/14

2024/01/08: BOOKOFF 練馬光が丘店
安全地帯 「The Very Best Of Anzen-Chitai」 \2310
 
2024/01/09: diskunion.net
Julie London 「All Through The Night」 \1400
Julie London 「The Best Of Julie - Julie London Single Collection vol.1」 \3450
 
2024/01/11: diskunion.net
Julie London 「The Best Of Julie - Julie London Single Collection vol.2」 \2000
 
2024/01/11: www.amazon.co.jp
311 「Live!」 \500
 
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安全地帯 「The Very Best Of Anzen-Chitai」
 
ベストテンやトップテンを見始めた80年代半ば、一位を独走していたのが
安全地帯 ”悲しみにさよなら” だった。
寺尾聡 ”ルビーの指輪” の12週連続一位という大記録を超えるんじゃないかと言われ、
結果そうはならなかったものの、どちらの番組でも圧勝の年間一位だった。
 
1985年のヒット曲。僕はまだ10歳でシングルやアルバムを買う発想がなかった。
というか、興味を持っても何を買っていいかのかわからず、
叔父にねだってホームセンターのカセットテープのコーナーで買ってもらったのが
音声多重のカラオケだった。安かったから、というだけの理由で買う。
”恋の予感” ”ワインレッドの心” ”熱視線” ”悲しみにさよなら” の4曲が入っていた。
さすがに一度か二度聞いただけで終わり。
カラオケの意味が分かったのもそこから数年かかったと思う。
 
そもそも、グループとソロの違いもよくわからず、あるがままを受け入れていた。
バンドで演奏するグループもあれば、オーケストラをバックに歌う人もいる。
どうも一緒に演奏する人たちと、ソロや数人で歌うだけの人たちがいるのだな、となんとなくわかってくる。
僕が最初にバンドというものを意識したのは、安全地帯や杉山清貴&オメガトライブだったと思う。
大人の人たち。
だからチェッカーズC-C-B は自分の中でちょっと位置付けが違っていた。
 
その後、バンドブームが来てレベッカBARBEE BOYSBOOWY を聞くようになると
世代がいくつか上の安全地帯やサザンオールスターズはなんか違うな、
僕らの聞くものじゃないな、と本能的に選別するようになる。
ブルーハーツに一度やられてしまうと、多くのバンドが古くさいものに感じられた。
 
それから30年近く聞かずにいて、もう一度聞くようになったのは40歳を過ぎてから。
最初はただ単に懐かしくて、というだけだったけど、
あ、このサウンドは何かあるな、彼ら独自のものがあるなと気になりだす。
玉置浩二の歌唱力、作曲能力の圧倒的な高さもいいんですが、
なんかこう彼らにしかない粘っこいのにさらっとした質感があるんですよね。
機械のように正確な演奏を目指すようでいて、ほんの少しだけさりげなく崩している。
大人びて、妖しくて、なのにアバンギャルドな方向には決して行かずに歌謡曲の側にとどまる。
徹底して男女の色恋沙汰しか歌わないという潔さもある。
演奏力は高い。これは高い。隙間が多いが、それを埋めるものがある。
声高にテクニカルなフレーズを弾くことはないが、このメンバーだからこそ生まれる間合いがある。
Pink Floyd の演奏力を高いというならば、安全地帯もかなり高い。
 
例えば、1985年の横浜スタジアムのライヴアルバムを聞くと、
中盤にインストの曲が続いていたりして、これが結構心地よい。
そうか、彼らの本質はこっちなんだな、
玉置浩二一人の存在感で成り立っているバンドではないんだなとよくわかった。
 
そんなわけで、”悲しみにさよなら”  の収録された「安全地帯IV」(1985)や
恩人井上陽水と共作した ”夏の終わりのハーモニー” や ”friend” など
共に短い曲が畳みかけるように連なる2枚組の”安全地帯 IV” を今になってよく聞く。
 
ベストアルバムは? というと、僕としてはやはりこの時期まででまとめたものがありがたい。
ALL  TIMEベスト2枚組とか、こってりしすぎてて結局聞かない。
1枚もので彼らのヒットした80年代までのシングルを集めたもの……
そう思ってしばらく探して行きついたのが今回のCD
あの頃のシングル、”碧い瞳のエリス” ”プルシアンブルーの肖像” も入っている。
6作目の「安全地帯VI〜月に濡れたふたり」(1988)の辺りまでかな。
 
正直、90年代以後の曲はよくわからず。
玉置浩二のソロの曲、例えば”田園”であるとかの印象が強い。
たまに紅白に出てきては、この人大丈夫か?
酔っぱらってないか?
放送事故にならないか? とヒヤヒヤする。
なのにヴォーカリストとして超一流。
というか、いい意味で化け物のよう。
時として、人間じゃないんじゃないか、『歌怪獣』って彼のことじゃないかと思う。