先週買ったCD #144:2023/07/17-2023/07/23

2023/07/17: diskunion.net
Phew 「Songs」 \1300
Little Village 「Crazy 'Bout An Automobile」 \1500
 
2023/07/18: diskunion.net
Jim Jiminee 「Welcome To The Hawaii」 \2150
The Isley Brothers 「3+3」 \1200
Egberto Gismonti 「Danca Das Cabavas」 \980
Pet Shop Boys 「Disco Four」 \680
 
2023/07/19: www.hmv.co.jp
Ann Peebles 「I Can't Stand The Rain」 \935
Ann Peebles 「Tellin' It」 \935
Hanoi Rocks 「Self Destruction Blues」 \1316
Muro 「Diggin' Ariwa」 \1430
 
2023/07/19: www.amazon.co.jp
Prince 「Under The Covers」 \2089
(V.A.) 「Apple Of Our Eye」 \980
Mad Professor 「A Caribbean Tase of Technology」 \1458
Mad Professor & Jah Shaka 「New Decade Of Dub」 \1458
Mark Mulcahy 「Fathering」 \913
Skinny Puppy 「Last Rights」 \830
 
2023/07/20: Sony Music Shop
The Street Sliders 「がんじがらめ」 \2750
The Street Sliders 「Wreckage」 \2750
 
2023/07/21: BOOKOFF 新宿駅西口店
新井英一 「新井英一全集第一巻 vol.1 『果てなき航路』」 \110
The Go Team 「Bottle Rocket」 \10
 
2023/07/21: diskunion.net
Phew 「秘密のナイフ」 \3850
The Offspring 「Happy Hour!」 \880
George Clinton & The P-Funk All Stars 「Funk Permission Card」 \680
Sandra Cross 「Country Life」 \1900
(V.A.) 「Ariwa Sounds: the Early Sessions 1978-81」 \1700
(V.A.) 「Ariwa Posse」 \1700
 
2023/07/22: DiskUnion 大阪店
Aerosmith 「1971: The Road Starts Hear」 \1800
Shelby Flint 「Cast Your Fate To The WInd」 \1700
たなかひろかず 「LOST TAPES」 \1200
Edu Lobo & Maria Bethania 「Edu Lobo & Maria Bethania」 \1000
 
2023/07/22: なんばパークス
Motorhead 「Under Cover」 \2640
 
2023/07/23: www.amazon.co.jp
「新井英一全集第一巻 vol.9 『ライブ・イン・パリ』」 \1305
 
2023/07/23: diskunion.net
MotorheadBBC Live & In Session」 \2350
 
2023/07/23: DiskUnion 大阪店
Marc Benno 「Marc Benno」 \1300
 
2023/07/23: 夏の阪神 中古・廃盤レコード・CDフェス
(V.A.) 「Premium Cuts: De Wolfe」 \980
Peter Case 「The Man With The Blue Postmodern Fragmented Neo-Traditional Guitar」 980
 
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新井英一 「新井英一全集第一巻 vol.9 『ライブ・イン・パリ』
 
昨年12月、神保町PASSAGEの棚主仲間が同じ大学の同じ学部の一回り下だと知って、
国立の古本屋巡りをしましょう、ということになった。
・駅前の「みちくさ書店」
・旭通りの「三日月書店」
谷保駅近くの「小鳥書房」と「書肆 海と夕焼」
この3つを回った。
 
この日は2組の夫婦4人。僕は一足先に国立へ。
ブックオフで時間をつぶしていると550円コーナーで
新井英一「ブルースを唄おう」というCDが目に留まった。
三度笠に三味線というジャケット。
その場でちょっと Wikipdia を見てみると
自らをコリアン・ジャパニーズと呼び、
1995年『清河への道~48番』というアルバムが日本レコード大賞のアルバム大賞を受賞。
収録曲は筑紫哲也の番組に使われたとあった。
amazon のレビューを見て見るととにかくこの人の声がいいらしい。
 
期待して買ってみるも…… 不発。
確かに声はいいが、何かがミスマッチのように思う。
気になる存在ではあるが。
 
それから半年。
先日新宿のブックオフで暇をつぶしていたら、110円のワゴンセールで
「新井英一全集第一巻 vol.1 『果てなき航路』」を見つける。
この値段だったら買ってもいいか、と思う。
1995年のアルバム。
家に帰ってブックレットを見て見ると
2曲目の ”リキに捧ぐ” という曲は中上健次が作詞とあって、2人で写した写真があった。
共通の、早くして亡くなった友人がいたのだという。その追悼の歌。
代表曲の ”清河への道” もどういう位置づけのバージョン化はわからないが、収録されていた。
 
さっそく iPhone に入れて土日の大阪遠征へ。
梅田に着いてアーケードの商店街を歩くときに聞いた。
日差しが強く、東京は梅雨明けというニュースを見たばかりでよけい暑く感じた。
雑踏を大勢の観光客が行き交う。
聞こえてくるのはどこかの外国語ばかり。
ああ、大阪はアジアなのだなということを思い出す。
そんな中で聞く新井英一の土を、大地を思わせる強い歌声は妙に説得力のあるものだった。
これはいいな。素晴らしいアルバムだ。
高橋望が演奏するアコースティックギターの鳴りもいい。
こちらもまた弦を力強く弾いている音がする。
長らく行動を共にしたメンバーなのだという。
 
もう一枚聞いてみよう、ライヴアルバムがいいと安く見つけた
「新井英一全集第一巻 vol.9 『ライブ・イン・パリ』」を。2001年発表。
その名の通り、パリのカフェで開催したのを収録している。
ブロークンなカタカナ英語で
自分は75%コリアンの血が流れているといった話をし、
これは自分にとって初めてのパリでのライヴであると。
後半の曲で熱唱を終えると、客席からブラボー!と連発される。
 
なぜパリかというと
その2年前に『オオカミ狩り』というアルバムを出していて
これが旧ソ連の伝説の歌い手ヴラジーミル・ヴィソツキーや
フランスのジャック・ブレル、ジョルジュ・ムスタキ、セルジュ・ゲンスブールの歌を日本語にしている。
この流れだろう。
このライヴアルバムでも『オオカミ狩り』に収録されていた
ジャック・ブレルの”アムステルダム”や“泣く友を見る”
セルジュ・ゲンスブールの”ラ・ノワイエ”と”愛がこぼれる”を歌っている。
『オオカミ狩り』にはなかった”リリー・マルレーン”も。加藤登紀子訳の詩で。
 
韓国でもなく、日本でもなく。
異国の街角で歌うのは、もはやブルースでもシャンソンでも演歌でもなく、
新井英一の歌でしかない。
高橋望のアコースティック・ギターも力強い。
この世界のどこにいようと、その大地を踏みしめるというような。
曲によってはわずかにアコーディオンやパーカッションが加わるだけの、裸一貫の歌。
 
新井英一もいいが、
ヴラジーミル・ヴィソツキーも気になった。
このアルバムでは”無名戦士の墓”を歌っている。
1960年代、70年代にギターを抱え歌うも
旧ソ連の体制に対して批判的だったため生前はレコードを1枚も出せなかったのだという。
しかしその歌声はカセットテープのダビングという形で広まっていった。
死後発売されたアルバムを、何らかの形で入手したいと思う。