先週買ったCD #60:2021/11/29-2021/12/04

2021/11/29: tower.jp
スピッツ 「惑星のかけら」 (\2828)
タワレコのポイントで
 
>Genesis 「Invisible Touch」 \565
※PayPay入会特典のクーポンで半額に。本来は\1130
 
2021/11/30: www.amazon.co.jp
>Genesis 「Invisible Touch」 \2119
 
2021/12/01: diskunion.net
Enya 「Memory of Trees」 \4050
Stevie Ray Vaughan & Double Trouble 「In Step」 \1700
 
2021/12/02: diskunion.net
Mute BeatMute Beat Dub Wise」 \780
 
2021/12/03: diskunion.net
Cluster 「Grosses Wasser」 \1601
 
2021/12/04: BOOKOFF 吉祥寺駅北口店
Sex Pistols + New York Dolls 「After The Storm」 \980
(Soundtracks) 「Forest Gump」 \980
 
2021/12/04: DiskUnion 吉祥寺店
Full Moon 「Full Moon」 \1080
Bob Dylan 「The Bootleg Series Vol.4 Bob Dylan Live 1966 The "Royal Albert Hall"」 \612
Fela Kuti 「Ikoyi Blindness / No Buredi」 \780
(Soundtracks) 「Twin Peaks」 \702
(V.A. Free Soul) 「Free Soul Christmas」 \1350
 
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Genesis 「Invisible Touch」
 
あまり大きな声では言えないが、プログレ大好き。
結局はラップやヒップホップよりもプログレが好き。
そんな僕でも5大プログレのひとつ、Genesis はほとんど聞いてこなかった。
そこから巣立ったピーター・ガブリエルもまた大好きで
1986年の5作目「So」は80年代を代表するアルバムを1枚挙げよ、
と言われたら僕は迷わずこれを推す。
それでも Genesis には食指が動かなかった。
 
いろいろ理由がある。
己の築いたプログレの巨匠というイメージや楽曲・演奏の在り方を
メンバーの集合離散を繰り返しつつも最後まで貫いた。このまま貫くだろう。
いや、主要メンバーの亡くなったELP以外まだ終わったわけではなく、
King Crimson なんかはむしろ老いて益々盛んという感じだが。
 
Genesis はヴォーカルのピーター・ガブリエルが70年代半ばに脱退、
そのポジションはあのフィル・コリンズに交代。
当時はイギリスを代表する凄腕ドラマーだったが、
プログレ路線は継承されず、徐々にポップ路線へと移行。
80年代以後はジャケットの色遣いからし
プログレの幻想的な雰囲気が一切消え失せてしまった。
もちろんその分バカ売れするようになって、結果ブックオフなんかで中古が投げ売り。
若い頃はそういうのなんだかなあと思っていた。
売れるためにプログレを捨てたのか、この軟弱野郎、と。
 
でもこの歳になってくると逆に、そのポップ路線の方を聞いてみたくなる。
70年代半ば、ピーター・ガブリエル脱退前の諸作、例えば
「Selling England By The Pound」(邦題は「月影の騎士」)を
最近聞き返してみたら
あ、そんなに悪くないなと思い直した、というのもあって。
 
どうせ聞くなら一番売れたのがいい、
と最近出た2枚組のオールタイムベスト『The Last Domino』で概観した後に
1986年の「Iivisible Touch」を取り寄せてみる。
表題曲が全米No.1に。
日本のテレビ番組やCMでも使われたみたいで、確かに聞き覚えがあった。
アルバムも全米3位、全英1位となる。
エレクトロ風味のコンパクトでカラフルなポップソング。
確かに長尺で難解で技巧的をよしとするプログレ負の遺産微塵も感じさせない。
フィル・コリンズはこの後ソロとしても成功。
日本でも車のCMに使われた ”Another Day In Paradise” は全米No.1へ。
映画にも出てみたりと押しも押されぬ大スターとして成功を収める。
 
でもこの「Invisible Touch」も完全にプログレを捨て去ったわけではなく、
根っこにはその風変わりさを残している。不穏な空気というか。
開けないけど、異次元への扉がどこかに隠されているというか。
最後のインストの楽曲、”The Brazilian” に特にそれが感じられるかな。
これはプログレ期からのメンバー、
ソロのフィル・コリンズはそういった背景を全て捨て去って、
一人のシンガーとして歌に向かい合っているように思う。
 
いや、ほんと今聞くとこのアルバムよくできている。
何回も繰り返し聞いてるけど、全然飽きない。
”Tonight, Tonight, Tonight” も ”Throwing It All Away” も曲が素晴らしい。
なのにどこか一筋縄ではいかない。
それまでの経験の蓄積と
そこから生まれた世界制覇への勢いとがあって十分に噛み応えがある。
80年代的懐メロの一番いい部分を残している、と言ってもいいかもしれない。
 
ちなみに。
最初、Yahoo! ショッピングの DiskUnion の店舗で1,130円で売られていたのを見つけた。
国内盤なのか輸入盤なのか、
2007年のリマスター盤なのか旧盤なのか何も情報が記されていない。
たまにあることだけど、amazon にも diskunion 自身の ECサイトにも出てこなかったので
そちらから突き合せることもできない。
国内旧規格帯無しだと今だと数百円だろう。
2013年のSHM-CD / 紙ジャケ / リマスター盤 だとプレミアがついている。
この値段だと恐らく、輸入盤で2007年リマスターだろうと踏んで購入してみる。
仕事の都合で PayPay を iPhone に入れて使ってみた関係で
半額クーポンがある。565円で購入できた。
いざ届いてみたら 輸入盤で音のパッとしない旧規格だった。
残念。賭けに敗れた。
CDを買い続けているとこんな日もある。
すぐ DiskUnion に売ってしまった。