雪と側溝

昨日は都内も10cmの積雪となる大雪で4年ぶりのことだという。
寒い一日だった。
 
夜は妻を駅まで迎えに行った。
家に着いてポストの屋根にふわっと高く雪が積もっているのを素手で払った。
妻は寒くないのかな、と言う。
青森で育った僕としてはこれぐらいのこと、たいしたことではない。
 
思い出したことがあった。
小さい頃住んでいた住宅街は家の前の道路、その脇の側溝に蓋がなかった。
だから知らずに雪の上を踏み抜いてしまうとズボッと落ちてしまって
足が思いっきり雪の中へ。
長靴を履いていると隙間から雪が入り込んで場合によっては踵の方まで。
あれは寒かった。身体の芯から冷えた。
吹雪の吹き荒れる中で剥き出しの顔や耳、両手も寒いが、
隙間から入って服や靴の中で溶けた雪は凍えるように冷たい。
 
そういえば、なんで側溝に蓋がなかったんだろう。
東京で見る側溝には蓋がある。
小さい頃、夏の側溝は場所によっては
水たまりに泥と藻のようなもので汚れていて
遊んでいたボールを落とした時に拾うのが嫌だった。
今はもうそんな汚れることもないのかもしれない。
 
なぜ蓋がなかったのか。
今思うと、雪を解かすためだったのかもしれない。
生活排水が流されて側溝の中に溜まった雪が少しずつ解けていく。
温かいお湯が流れた後はけっこうはけていた覚えが。
 
子供のころ遊んでいると、そこに側溝があると気づいていなくて
後ろから押されたり、こちらが押したり。
ズボッとなって、あ~って叫んで慌てる。
そういうの今の子はやらないのかな。
案外やるのかな。
そもそも今は側溝も蓋がしてあるのかな。