先週買ったCD #75:2022/03/14-2022/03/20

2022/03/15: dikunion.net
Nicolette Larson 「Live at the Roxy」 \1100
 
2022/03/17: www.amazon.co.jp
(V.A.) 「Raras partituras 10 Cancionero Folklorico Espanol」 \450
 
2022/03/18: JANIS2
Marble Sheep 「Old From New Heads」 \1950
Jeff Beck 「Who Else!」 \250
Patricia Kaas  「carnets de scene」 \250
Patricia Kaas  「rendez-vous」  \250
(Soundtracks) 「The Tango Lesson」 \850
Princess Superstar 「Princess Superstar Is」 \400
 
2022/03/18: DiskUnion 神保町店
Jeff BeckOfficial Bootleg USA '06」 \480
 
2022/03/18: tower.jp
松山千春松山千春 LIVE 「大いなる愛よ夢よ」 ~1982・7 札幌・真駒内屋外競技場~」 \3300
Sheena & The Rokkets 「Captain Guitar and Baby Rock」 \2305
 
2022/03/18: www.amazon.co.jp
Alicia Keys 「Unplugged」 \249
 
2022/03/18: diskunion.net
Bonobo 「Live Sessions」 \980
Tom Verlaine 「Words From The Front」 \1900
 
2022/03/19: DiskUnion 吉祥寺店
iri 「life ep」 \950
フラワーカンパニーズ 「ヤングフラワーズ」 \380
小原孝 「ピアノで「スヌーピー」」 \380
Nicolette Larson 「Nicolette」 \970
Peter Gabriel 「Ovo」 \563
Mauro pagani 「Mauro Pagani」 \1262
John Coltrane 「Live At Birdland」 \1200
Elvin Jones and Richard Davis 「Heavy Sounds」 \1300
Ennio Morricone 「Love Morricone」 \380
(V.A.) 「In Search of Angels」 \380
(V.A.) 「Saturday Night Live Volume 2」 \342
Foetus 「Sink」 \1900
(V.A.) 「The Radiophonic Workshop」 \612
 
2022/03/19: BOOKOFF 吉祥寺駅北口店
Jeff Beck 「There And Back」 \692
 
2022/03/20: www.hmv.co.jp
真島昌利 「夏のぬけがら」 \1584
Uffie 「Sex Dreams And Denim Jeans」 \99
Camila Cabello 「Camila」 \792
 
2022/03/20: www.hmv.co.jp
iri 「2016-2020」 (\3300)
山下達郎 「メロディーズ」 (\2057)
HMVのポイントで
 
2022/03/20: www.hmv.co.jp
AJICO 「接続 初回限定盤」 \3542
桑田佳祐 「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat.梅干し 完全再選限定盤B」 \5742
The Charlatans 「Head Full Of Ideas」 \3080
The Rolling StonesTattoo You 40th Anniversary Edition」 \3960
Geogia Satellites 「Lightnin' In A Bottle」 \2467
Marianne Faithfull 「Marianne Faithfull: The Montreux Years」 \1732
Muddy WatersMuddy Waters: The Montreux Years」 \1732
Etta James 「Etta James: The Montreux Years」 \2145
Nina SimoneNina Simone: The Montreux Years」 \2145
The Kinsey Report 「Edge of the City」 \440
 
2022/03/20: diskunion.net
Sheena & The Rokkets 「Channel Good」 \1455
Tenniscoats 「Tan-Tan Therapy」 \1262
Ry Cooder 「Bordeline」 \2182
Soft Machine 「Bundles」 \2182
Emerson, Lake & Palmer 「Tarkus 2CD Deluxe Edition」\1843
Linkin Park 「Underground 5.0」 \2473
 
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小原孝 「ピアノで「スヌーピー」」
 
土曜日、床屋へ。朝イチで切ってもらう。
終わった後はだいたいどこかで食べて帰る。荻窪か吉祥寺。
この日はいせやで焼き鳥と心に決めていた。
ビールを飲みながら買ってきたばかりのCDの解説を読むひと時が
自分にとって何よりの贅沢な時間。
 
DiskUnion やブックオフでその日たまたま見つけたCDを、というのがベストだけど
この日は事前に DiskUnion で店舗取り寄せで何枚かオーダーしていた。
それを受け取っていせやにまっすぐ行けばいいものを
開店まで時間があったのでしばらくの間棚を眺めて過ごす。
そうすると、思いがけなく気になったCDが出てくるもので。
ついつい買ってしまう。
この日は結局、事前取り寄せ8枚にその場で見つけた5枚と爆買い。
 
もともと探していたものと違って、店頭で『その場で見つけた』CDは
多くの場合、へー、こういうのあるんだ、というものばかり。
ニューエイジ系のレーベル『ウィンダム・ヒル』が天使をテーマに製作したコンピ。
大物ミュージシャンたちが演奏したのを集めたコンピ。
イギリス BBC で番組用に作曲・録音された無名の楽曲たちのコンピ。
エンニオ・モリコーネの日本ではあまり知られていない映画に提供した曲のコンピ。
そしてこの 「ピアノで「スヌーピー」」
どれもほとんどが380円。迷うぐらいなら買っちゃうよなー。
 
帯には『ピーナッツ生誕50周年記念』とあった。
CDの発売は2000年、連載開始は1950年。
透明なケースで、ジャケットには
白いグランドピアノを上から覗き込んだらスヌーピーに見えるというもの。
裏側はケースに直接目と鼻と口、髪の毛の太い線が描かれていて、
CDの白いレーベル面を重ねるとチャーリー・ブラウンの丸顔になるというもの。
この遊び心がいい。
 
帯には続けてこうあった。
『全世界の人々に愛されつづけてきたスヌーピーとその仲間たちを、
 クラシックの名曲で見事に表現した小原孝(pf.)の最新作。』
 
ヴィンス・ガラルディ・トリオのよく知られた演奏のように
ピーナッツのアニメで使われた曲を演奏するのではなく、
オリジナルの編曲によるオマージュ。
”スポーツをしよう”という曲は
テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボールゲーム ~
コンバット・マーチ ~ 貴婦人の乗馬 ~ 草競馬
スケーターズ・ワルツ ~ テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボールゲーム
チャーリー・ブラウンのバレンタイン”という曲は
なつかしいバレンタイン ~ もう飛ぶまいぞこの蝶々 ~
フィガロの結婚序曲 ~ 女心のうた ~ リベル・タンゴ
 
組み合わせた曲はクラシックに限らない。
”リベル・タンゴ”はタンゴのアストル・ピアソラだし、
”テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボールゲーム ” (私を野球場に連れてって)は
アメリカの球場で7回裏に皆が立ち上がって歌う曲。
(僕も十数年前、ニューヨーク駐在の友人を頼って訪れたとき、
 メッツとドジャースの試合を見たときに立ち上がった)
 
エリーゼのために”  ”パッヘルベルのカノン”そして ”ビートルズの”イエスタデイ”
よく知っている曲がふわっと次の曲につながっていく。
小原孝というピアニストの方は名前はなんとなく知ってたけど、初めて聞く。
軽やかで無理のない演奏で、明るい気分で聞くことができる。
素敵な演奏ってこういうことを言うんだな。
思わぬ拾い物だった。
 
このアルバムは既に廃盤なんだろうけど、
今も新品があるならば
小さい子供への贈り物、初めての音楽の贈り物にしたい。
 
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真島昌利 「夏のぬけがら」
 
ブルーハーツマーシーの1作目のソロ。
久しぶりに聞きたくなってCD棚を探すも見つからず。
引っ越しのドタバタで見当違いな棚に紛れ込んでいるか。
(5年前のことなのに、今でもひょんなところから出てくる)
 
いや、若いうちに売ってしまったのだろう。
1989年発表。「TRAIN-TRAIN」で全国区の人気になった後。
中学生の僕はブルーハーツに夢中になって、寝ても覚めてもブルーハーツ
青森で入手できる音源はなんとか全て手に入れようとして
小遣いをためては ”人にやさしく” や ”ブルーハーツのテーマ”といった CDシングルも
青森駅前の『Be Bop』で買って、
青森市の文化会館で行われたコンサートも当時の親友と見に行った。
(”チェルノブイリ”は六ケ所村に変えられて歌われていた)
 
その頃に出たアルバム。
発売日から数日後の土日だったろう。
小気味よくて小汚い青春パンクを期待して買った僕は
自転車のペダルを踏むのももどかしく、
急いで家に帰ってミニコンポにセットした。
……あれ? なにこれ。
マーシーの声で1枚通して歌われ、ヒロトの声の聞こえてくることのない、
淡々としたフォークだった。おっさん向けの地味なフォーク。
近藤真彦もカバーした ”アンダルシアに憧れて” や
当時CMに使われた”ルーレット”といったキャッチ―な曲もあったけど、
その他の曲には違和感しか感じなかった。
なんだか気まずい思いをして棚の奥に封印した。
 
50歳の近付いた今、そういう音楽こそ聞きたいのであって。
探しても見つからず、中古で買うことにする。
しかし、amazon や DiskuUnion で容易に見つかるもそんなに安くはない。
帯付きだと 1,000円台後半。
そうか、評価の高い作品だったのだな。
amazon のレビューも好意的なコメントが寄せられている。
もったいないことをした。
結局給料日を待って HMV のサイトで中古で買った。
探せば青森の実家にあるのかもしれないけど。
 
たぶん30年ぶりぐらいに聞き返す。
色褪せた、壊れそうな、夕暮れ時の風景を歌う。
エレキギターはほとんど入っていない。
アコースティックギターよりもバイオリンの方が目立つ。
全曲マーシーの作詞作曲家と思いきや、
”地球の一番はげた場所”は友部正人のカバーだった。
”小犬のプルー”は NHK みんなのうたのカバー。
 
後半、”アンダルシアに憧れて” と ”ルーレット” に挟まれた3曲、
花小金井ブレイクダウン”、”カローラに乗って”、”夕焼け多摩川”は改めて名曲だった。
この3曲のサビの部分をふとした瞬間に思い出すことがよくあった。
なのにずっと聞こうとしていなかった。
なんでなのか、よくわからない。
しかるべき時が来るまで待っていたということか。
「夏のぬけがら」という感覚が、そのノスタルジアが今なら身に沁みる。
二度とは返ってこない、一度限りの季節。
おっさんという生き物はその残像の中で生きているのだと思う。