先週買ったCD #80:2022/04/18-2022/04/24

2022/04/18: www.amazon.co.jp
フラワーカンパニーズフラカン一座、熱狂低気圧 磔磔ライヴ」 \1800
 
2022/04/18: www.amazon.co.jp
Mr. Mister 「Welcome To The Real World」 \954
 
2022/04/18: www.hmv.co.jp
宇多田ヒカル 「Bad Mode」 \3300
四人囃子 「Golden Picnics Special Edition」 \4400
fishmans 「Long Season」 \1870
fishmans 「宇宙 日本 世田谷」 \1870
Lucinda Williams 「Lu's Jukebox vol.6 You Are Cordially Invited... A Tribute To The Rolling Stones」 \2227
The Velvet Underground 「A Documentary Film By Todd Haynes」 \2557
Bad Brains 「Quickness」 \1267
 
2022/04/18: www.hmv.co.jp
Chara 「Soul Kiss」 \297
Patricia Kaas 「je te dis vous」 \198
Paula Cole 「This Fire」 \297
Paula Cole 「Amen」 \297
(V.A.) 「This Is Trojan Ska」 \891
(V.A.) 「This Is Trojan Rock Steady」 \891
 
2022/04/18: diskunion.net
モンゴル800 「etc. Works」 \380
モンゴル800 「etc. Works2」 \380
Sheena & The Rokkets 「Pinup Baby Blues」 \2450
Friction 「Replicant Walk」 \1700
New Order 「NOMC15」 \1500
Television Personalities 「And Don't The Kids Just Love It」 \2350
Atoll 「I'araignee - mal」 \2650
 
2022/04/19: www.amazon.co.jp
(Soundtracks) 「恋する惑星」 \680
 
2022/04/21: www.hmv.co.jp
細野晴臣 「S・F・X」 (\1822)
fishmans 「空中キャンプ」 (\2834)
HMVのポイントで
 
2022/04/21: TowerRecords 光が丘店
Mr. Mister 「Go On...」 \1100
 
2022/04/24: diskunion.net
Pearl Jam 「Vs. Legacy Edition」 \1700
Boards of Canada 「In A Beautiful Place Out In The Country」 \480
 
2022/04/24: www.amazon.co.jp
Mark Goldenberg 「L'Homme A Valise」 \2232
 
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fishmans 「Long Season」
 
90年代の日本を代表する作品。このアルバムが頂点だと思う。
あの時代の空気感を、微熱を、醒めきった熱狂を完璧に捉えている。
終わらない夢が続いていて、地面からほんの少しだけ浮かんだような夢で、
なのにそれはもうすぐ終わりを迎えることもわかっているという
フラフラと、クラクラとした感覚。
それが90年代だった。
 
1996年に発表。35分ほどの長さの1曲のみが収録されている。
その直前に ”Season” というシングルを出している。
その歌詞もメロディも基本となるものは同じだが、
ただ引き伸ばしたのではなく、とてつもなく深い井戸の底に到達して
全く別物に生まれ変わったと言っていい。
 
フィッシュマンズの3人と第4・第5のメンバー、
HONZI がバイオリン、ZAK がエンジニアとプロデュース。
そこにUA佐藤タイジがゲスト参加している。
 
もう何も言うことはないな。言うことはない。
でも何か言いたい。このもどかしさ。
「Long Season」を聞いた時に常に感じる、このもどかしさ。
 
音が揺らぐ。音に託された空間が揺らぐ。
そこに電子音の形をした光がほの見える。
その微かな瞬間が永遠となる。
それを、その、感触に包み込まれる35分。
 
フィッシュマンズは翌1997年、スタジオアルバムでは最後となる
「宇宙 日本 世田谷」を発表。
ヴォーカルの佐藤伸治は1999年、33歳の若さで亡くなる。
その事実を知っている今聞くからか、
「Long Season」には死と隣り合わせにあるもの、
死に魅入られた者が垣間見た何かを感じる。
たった今死んでしまった魂が、向こう側に渡るための35分の過程。
そこで見える光景。
そんなふうに言ってしまうのは、安易だろうか。
 
スカ、ロックステディ、レゲエ、ダブに影響を受けたポップなロックバンドとしてデビュー。
軽快だけど、カラフルだけど、どこか暗くて寂しい。
晴れた日の縁側で聞くような。
”Running Man” や ”いかれたBaby” といった切ない名曲の揃った
1993年の3作目「Neo Yankee's Holiday」でひとつ方向性を極めると
翌1994年の「Orange」で音響的な表現に踏み込んでいく。
レーベル移籍後の1996年「空中キャンプ」がもうひとつの代表作となるか。
その名の通り、空中を散歩しているような不思議なスケールの大きさを体得した。
 
僕が最初に聞いたのは高校生の時、たぶん2年生だっただろう、
夏休みで NHKラジオの子ども科学電話相談を聞いていたときだった。
フィッシュマンズという最近デビューしたバンドの新しいシングルです、という感じで
”いなごが飛んでる” がかかった。
変な曲だなあと思った。ロックの歌詞に<いなご>だなんて。
しかも妙に人懐っこく、優しい。
番組の司会の方も回答者の方々もフィッシュマンズなんて知らなかっただろう。
ただ単に<いなご>がタイトルにあるというのが
科学電話相談に持って来いだったというだけか。
 
心の底に引っかかり続け、1993年の上京後、
最近話題のアルバムということで「Neo Yankee's Holiday」を聞いて
あのフィッシュマンズ!? と驚いた。
それがさらに1996年の「Long Seson」へ。
とてつもないスピードで進化を続けていった。
そしてそのまま、向こう側へ突き抜けて戻ってこれなくなってしまった。
 
どれだけ聞いたことだろう。
しかし、縁がなく一度も見ることができなかった。
そのことが今、とても残念だ。
 
2016年にリマスターされて再発売されていたことを最近になって知る。
今回の「Long Season」など後期のポリドール時代は SHM-CD で。
これはまだ入手可能。
しかし、前期のポニーキャニオン時代の UHQCD は現在どれも廃盤、入手困難。
しまったなあ……
これからは根気よく探し続けることになりそうだ。