2022/06/09: diskunion.net
Tom Verlaine 「The Wonder」 \880
Coil 「Coil presents Black Light District」 \1600
Trey Anastasio 「Trey Anastasio」 \680
Jane's Addiction 「Up From The Catacombs : The Best of Jane's Addiction」 \380
2022/06/09: ヤフオク!
(V.A. 無印良品) 「BGM X」 \1200
(V.A. 無印良品) 「BGM+012 Helene Blum / En Gang Og Altid」 \1990
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一頃、音楽好きの間で流行ったジャンルの一つに”ジャムバンド”というものがあった。
ロック好きなら誰でも知ってるというものではなく、
なんというか、一歩二歩踏み込まないと出会わない。
そもそも売れるものではない。
ヒット曲が出てアイドル的人気が、とは決してならない。
聞き込んで味わうにはある種のインテリジェンスが求められる。
一言で言うと玄人好み。
”音響系”というジャンルにもそういうところがある。
具体的な定義はないと思う。
プログレもファンクもカントリーも吞み込んだ高い演奏力で
インプロビゼーション、つまり、ジャム主体の長尺の曲を演奏する。
なんとなくそういうイメージがある。
その代表的バンドは Phish と Medeski, Martin & Wood となるか。
東西横綱。前者は大まかに言えばロック、後者はジャズをベースにしている。
ジャムバンドのルーツというか元祖は Grateful Dead であって
Phish はその直系のバンドのように思う。
その本質はやはりライヴ。残念ながら生で見たことはないけど
Phish は何枚かライヴアルバムを持っている。
何枚か出ているスタジオアルバムは持ってないし、聞いたことがない。
そしてピーター・ガブリエルのように
ツアーの全公演ないしはその一部を自ら音源化して発売している。
あるいはそれまでのステージでベストのものを選ぶか。
(基本は一公演一組のCDで、多くはノーカットのため二枚組となる)
だから何十枚と出ている。
コアなファンに向けてのサービスでもあるし、海賊盤対策でもある。
Phish のその手のシリーズで面白かったのは
過去のロックの名盤を丸々再現したコーナーを挟んだ3枚組とか4枚組。
彼らは演奏力が高くて体力があるので、
4時間か5時間演奏したのを丸々音源化している。
僕が持ってるのはふたつ、
Talking Heads 「Remain In Light」
(彼らは2枚組のアルバムも躊躇なくカバーする)
他には The Who 「Quadrophenia」や
The Velcet Underground 「Loaded」があったな。
どちらのアルバムも一音楽ファンとしての素直な完コピのようでいて、
彼らなりのグルーヴ感やポップ感に満ち溢れていて飽きない。
いろんな意味でうまいなあと感心すること然り。
トレイ・アナスタシオはその Phish のヴォーカル、ギターとなる。
21世紀に入ってから Phishと並行してソロを、となるようだ。
今回のセルフタイトルは2002年発表の2作目。
ラテンやファンクを小気味よく料理してスムーズに聞かせる。
初めて聞くのにどの曲も既視感があって、なのに心地よい。
手練れの職人のなせる技。
ホーン隊も賑やかに入って、盛り上がってくるとギターも弾きまくって。
ベースもドラムもしっかり乗せる。
ドライブで聞くといいなあ、こういう音は。
Phish のライヴアルバムみたいに熱を高めていった果てに浮遊するような
マジカルな瞬間もあるんだけど、
ソロだけあって、しかも自分の名前をタイトルにしているだけあって、
どこか内省的なところがある。
これはこれでアメリカのシンガーソングライターの王道なのだと思う。
僕はまだ聞いてないけど、
The Police のスチュワート・コープランド
The Primus のレス・クレイプール
とのトリオ、Oysterhead でもこの時期活動していたようだ。
メンツが凄すぎて怖くて、とてもじゃないが聞けない。