奥多摩ブックフィールドへ(後編)

土曜のさらに続き。
奥多摩ブックフィールド」の職員室を後にして、
小河内小学校の残りの部屋を見てみる。
細長いまっすぐな廊下、奥多摩湖に面した側が教室になっている。
いくつかは近所の方たちの創作活動やお稽古事で使われているようで鍵が掛かっていた。
教室のままで残されて机や椅子が並べられているところもあった。
廃校が決まり、最後の卒業式の日に黒板に記されたメッセージがそのまま残されている教室もあった。
 
2階に上がる。体育館につながっている。
職員室の真上の部屋を3つか4つほど
恐らくどこかの美術大学か映像の専門学校で長期的に借りているのだろう、
揃いの黒いTシャツを着た若者たちがいて、
ある部屋では何人かがノートPCに向かって映像の編集を進めていて
別の部屋ではカメラを立てて演技を行っていた。
夏休みを使った補講の集中製作なのか、
あるいは普段は全然違うことを学んでいる学生向けに夏休みだけのワークショップなのか。
 
小学校を後にしようと玄関を出ようとしたところで
奥多摩ブックフィールド」の一人がわざわざ顔を出してきてくれて
また来てくださいと人懐っこい笑顔を浮かべた。
 
坂を下りて引き返し、「麦山浮橋」へ。
ここは昨年も来たことがある。
湖の反対側に浮橋を渡している。
しばらく渇水で通行不可となっていたのがこのところの大雨でまた通行可能になった。
坂道を少し上って小河内神社の駐車場に停めて、まずは神社のお参り。
奥多摩湖のグリーンの湖面を見下ろす。
どこかで火事なのか消防車が一台、サイレンを鳴らしながら山梨方面に向かっていく。
 
坂道を歩いて下りいく。
浮橋に続く階段へとさらに下りていくと若い釣り人がちょうど釣り上げたところだった。
後輩ちゃんが何が釣れるのか聞くとブラックバスだと。
昼から初めて3匹目。
 
浮橋を往復して帰ってくる。
涼しい日でよかった。雨も降らず、穏やかな湖面が広がる。
 
周りの観光客はこの日、中国系と思われる家族、若い女性たちのグループ、カップルが何組か。
その彼らが停めたのだろう、来た時は一台も停まっていなかったのに
帰ろうとすると坂道の入り口左右に三台ずつ縦に停まっていた。
その間をギリギリ車が通れるか。
ここに停めていいのかよくないのか、掲示の類が何もない。
坂道を上って車に戻り、下りていくと
進んできた大きな車が道を譲ろうとせず、ぐいぐいそのまま上ってくる。
仕方なく妻の運転する車が譲ることになって坂道をバックで上ることになった。
なんだかなあ、と思いつつ、まあ譲り合いの精神で。
しかし彼ら、帰りに自分たちの車を無事出せただろうか。
 
坂道を歩いて上っているとき猿を見かけた。
茂みの中に消えていった。
小河内ダムのビジターセンターの駐車場に差し掛かった時も
小さいのが二頭、普通に木の脇を歩いていた。
山に食べ物がなく、観光客の残すかあげたものを期待しているのか。
 
奥多摩駅でトイレ休憩。
奥多摩駅は町おこしの一環で日本一綺麗なトイレを目指しているんですよね。
そのために若者たちがグループを結成している。
町役場の裏の駐車場は今日もおっちゃんたちが適当にして的確な運営を。
停めて駅前に戻る。
先日の朝イチでも取り上げられていたキッチンカーのわさび丼、
今回初めて食べてみた。
過去2回訪れた時はどうせ観光客向けだろうと高をくくっていた。
いや、これ、とてもおいしかった。しまった。
キッチンカーの中にいた男女も気さくにあれこれ話してくれた。
おろし金は2万円もする高級なものだとか、
一日一組限定でわさび田のツアーを行っているとか。
 
前回来た時に入った唐揚げの店がなくなっていた。
ヤマメのフィッシュ&チップスがうまかったのになー。
お客も多かったのに経営が立ち行かなくなったのか。
 
前から気になっていた駅前の精肉店「一松」でコロッケとメンチカツを買う。
店の中には柴犬がいて通りがかかる人たちとじゃれる。妻も一緒になって遊ぶ。
都心だと衛生がどうのとうるさく言う人もいるだろうけど、奥多摩だとそれもない。
のんびりしている。
妻はその近くのクラフトビールの店でIPAなど缶を2本買った。
 
車に乗って後は帰るだけ。
一本道を青梅まで戻って花火大会で渋滞になる前にささっと抜けていく。
 
涼しい一日で雨もちょっとぱらついた程度。
目当てとした奥多摩ブックフィールドでも楽しい時間を過ごすことができて
いい一日を過ごすことができた。