国立古書店散歩(3/3)

土曜の15時半頃。
日も傾きかけて、西キャンパスへ。
小型の立看板にミスドのドーナツ販売のお知らせ。就活のフォーラムやシンポジウム。
 
兼松講堂に入っていく人たちを見かけ、あー中に入れるなら入ってみようと。
重たい扉を開けたところに人が立っていて、あ、すみませんと。
よく見たら寮の同じブロックの同期だった。
8年前の結婚パーティーに来てくれたが、それっきりになっていた。
こんな偶然あるんだな。おたがいびっくりした。
学生時代所属していた合唱団のOB会が現役と一緒になって演奏会を行う。
今日はその練習なのだという。
電話番号を改めて交換する。
すぐにも寮の同じブロックのLINEグループに連絡。すぐにもたくさんの反応があった。
 
奥のサークル棟にも行ってみた。
共有部になんだかよくわからないガラクタが積み上がっている。
壁にペンキで落書き、階段にたくさんのチラシというのは20年経っても変わらず。
どこまで本気なのか革命がどうこうというビラも貼っている。
僕が所属していた映画サークルの部室を探すが見つからず。
別のサークルの札が掛かっていた。部屋を変えたのか。
新入生勧誘のチラシは貼ってあったが。
 
大学通りに戻って谷保へ。
途中、古着・古道具のアンティーク・ジョンに立ち寄る。
ここもLPを売っている。松任谷由実『No Side』やサザンの『10ナンバーズ・からっと
南に向かって歩くうちにだいぶ暗くなってきた。
 
団地の中の商店街の建物に入る。
産直野菜を売る店。
一橋と津田塾の学生が運営する喫茶店
そこからさらにもう一本通りを行った先にダイヤ街というアーケードの商店街があって
その中に「小鳥書房」と「書肆 海と夕焼」の入った小さな建物があった。
どちらも詩人や編集者、個人系のZINEをたくさん並べている。
奥多摩ブックフィールドのどむかさんのもあった。
「書肆 海と夕焼」が現代文学系。「小鳥書房」は古書も扱い、出版も行うと住み分け。
どちらもいい品ぞろえだったな。
2階はライブラリーとなっていて、この日は動画配信のイベントを行っていた。
妻が店主の男女と話す。
前はスナックだったという。だから夜になるとバーとしても運営する。
この後飲むのなら、この商店街の「さすらい人」という焼き鳥屋がいいと。
店の前に薪を摘んでいて、中に暖炉がある。
生ビールをサーバから自分で注ぐと20%引き。
なかなか面白い店で、焼き鳥もうまい。
じゃあそこに行こうかとなる。
 
中で妻や羊葉文庫さんたちが本を眺めている間に僕は一度外に出て商店街を歩いてみる。
アーケードは2本あって、どちらもこじんまりとした店が並んでいる。
生活雑貨の店、茶葉の店、オープンしたばかり塙の並んだケーキ屋。
寿司屋の貼り紙に次の日曜は子供たちの柔道の大会でお休みしますとある。
チェーン店はなし。いい商店街だなと思う。
その存在をこれまで知らなかった。
この商店街のためだけに谷保に住んでもいいな、とすら思う。
 
「さすらい人」に入る。
薄暗い店内に暖炉の火が燃えている。
螺旋階段で2階もあるようだ。
年配の店主がワンオペ。
僕ら初めてとわかると串焼きはこれでいいですか、おしんこがうまいですよとお任せに。
お通しはクリームシチュー。ニンジンとブロッコリーは別で茹でて添えたものだろう。
煮崩れしてなくて手間がかかっている。
焼き鳥、つくね、レバー、砂肝、牛串どれもプリッとしてツヤツヤしている。
ふっくらしっとり系の焼き鳥としてはここ、なかなかじゃないか。
ピーマン、しし唐を頼んだら今日は忙しくて仕入れてないと。
玉ねぎを焼いたのや厚揚げ、山芋。どれもおいしかった。
この店のためだけに谷保にまた来てもいいな。
 
店は常連さんも一言さんも入れ代わり立ち代わり。
そんな中で僕らは17時半からえんえん22時半まで飲み続けた。
生ビールはサーバから自分で注ぎ、レモンサワーも純の瓶が出てきて自分でつくれと。
でもその分安くなるのはうれしい。
これだけ長居して4人で一人4,000円もしなかった。
地元に愛される店ってこういうとこなんだな。
 
中央線に乗って帰ってくる。
家に着いたら午前0時を過ぎている。
新しい友人たちと歩いて、飲んで、楽しい一日だった。