先週買ったCD #112:2022/12/05-2022/12/11

2022/12/05: www.hmv.co.jp
P 「P」 \110
 
2022/12/06: diskunion.net
Tom Waits 「Asylum Years」 \680
>The Jesus Lizard 「Down」 \1300
 
2022/12/08: diskunion.net
RamonesRamones Mania」 \680
Christine Perfect 「Christine Perfect」 \4500
 
2022/12/10: DiskUnion 神保町店
Offspring 「Smash」 \380
Neil Young 「Harvest Moon」 \380
Taj Mahar 「Martin Scorsese Presents The Blues Taj Mahar」 \780
 
2022/12/10: DiskUnion お茶の水
Sheryl Crow and friends 「Live from Central Park」 \100
Eagle Eye Cherry 「Living In The Present Future」 \100
Scritti Politti 「Anomie & Bonhomie」 \100
CSS 「Donkey」 \100
Toro Y Moi 「Underneath The Pine」 \380
The Undertones 「BBC In Concert」 \1100
Jorge Calderon 「City Music」 \1300
(V.A.) 「Where The Pyramid Meets The Eye」 \480
(Soundtracks) 「La Matriarca"」 \1500
 
---
P 「P」
 
世の中には検索しにくいグループ名というものがある。
Love とか Sound とか、英語の、短くてシンプルな一単語の名前。
Magazine なんかは最悪。ひたすら洋雑誌が出てくる。
なので僕は amazon だとアルバム名で検索する。
アーティスト名のリンクを押しても役に立たないので、関連する商品から他のアルバムに辿っていく。
 
その最たるもの、というか極地がこの P ではないか。
しかもアルバム名まで「P」
これだけでは検索できない。
かのジョニー・デップが、かの Butthole Surfers の鬼才ギビー・ヘインズと組んだバンドの
1枚きりのアルバム。
これを、『ジョニー・デップ P』なんて入れても出てくるわけがなく。
Depp にそもそも P が含まれてるし。
 
ある日ふと思い出し、昔はブックオフで投げ売りだったのに最近見かけないなあと。
100円ぐらいで買えるんじゃないか。でも今は見つからない。
購入した今でこそ、相方がギビー・ヘインズだとわかるが、少し前までそういうことも忘れていて。
ジョニー・デップ バンド』で検索しても他のが最初に出てくる。
そうなると欲しくなる。
かといって積極的に調べまくるのもめんどくさい。というか負けのような気がする。
ここ数カ月、ふと思いだしてはなんだったけ? と。
あ、そうか。Butthole Surfers だったとようやく記憶の扉を開けることができた。
 
HMV のサイトでやはり110円だった。国内盤、帯付き。
極彩色のヘタウマジャケットが印象に残る。
ジョニー・デップが描いたんじゃないかとクレジットを見たらギビー・ヘインズの方だった。
そのついでに参加ミュージシャンのところを見たらレッチリのフリーの名前があった。
ギビー・ヘインズはヴォーカル。
ジョニー・デップはギターとベース。ヴォーカルはなし。
 
1995年のアルバムで、ジョニー・デップは解説に『将来有望若手映画俳優』とあった。
そうか、まだそんな時期か。
『シザー・ハンズ』が1990年で、『ギルバート・グレイプ』が1993年。
確かにまだこの頃はまだ人気俳優の一角、でしかなかったかもしれない。
『パイレーツ・オブ・カビリアン』は2003年。
 
Butthole Surfers は80年代アメリカのインディーズを代表する変態バンド、
みたいな扱いをされることが多いか。
「Locust Abortion Technician」(1987)辺りが代表作。
ギビー・ヘインズを中心にノイズとジャンクとサイケと
その他、アメリカで聞くことのできる音楽をミキサーにかけて一気に飲み干して
ゲロッと吐き出して、最後にゲップをかますような。
ステージでライフル銃を撃ったとか、裸の女性が踊ってたとか
嘘かほんとかわからない奇行の伝説ばかり。
(ちなみに、地元テキサスの大学では数学か物理の特待生だったはず)
でも今のミクスチャー、グランジを通過した耳で聞くとそこまでデタラメでもないんですよね。
Faith No More のマイク・パットンが元々やっていた Mr. Bungle の方がよほど変態だと思う。
テキサスということで言えば、同郷の 13th Floor Elevators や Red Krayola と
90年代のオルタナティヴをつなぐミッシングリンクというのが
分かる人には分かりやすいか。
 
聞いてみる。
まあ、普通のオルタナか。ちょい変態系。
カントリーやレゲエ、ブルース、スペイシーなサイケなど1曲ごとにテーマを決めたミクスチャー。
クールな遊び心みたいなのは感じる。
Butthole Surfers のようなノイズ、ジャンクを期待すると肩透かし。
ジョニー・デップのギターやベースがうまいかどうかはよくわからず。
ゲストで他にもギタリストが入っているし。
ギビー・ヘインズのヴォーカルも適度にやる気がない。
ABBA ”Dancing Queen” のヘナヘナしたカバーをやっている。
 
ジョニー・デップもこういう変化球がやりたかったんだろうな。
まっとうなロックじゃなく。
これも彼にとっての一つのステイトメントなのだろう。
自分は本来、こういうハズレのところに立っているんですよと。
 
悪くはないけど、2作目はないな、というのもよくわかる。
Butthole Surfers のポール・レアリーがギター、
ギビー・ヘインズがバック・ヴォーカルという方が面白いのができたのでは。