先週買ったCD #106:2022/10/24-2022/10/30

2022/10/25: ヤフオク
Avicii 「True (Avicii By Avicii)」 \690
 
2022/10/25: www.hmv.co.jp
Chara 「Happy Toy」 \99
(V.A.) 「Punk - O - Rama 5」 \99
(V.A.) 「Epitaph 「Punk - O - Rama」Nonstop Mix」 \297
 
2022/10/26: www.amzon.co.jp
阿川泰子 「Free Soul Yasuko Agawa」 \2404
 
2022/10/27: diskunion.net
麗蘭 「宴」 \580
麗蘭磔磔2013盤 LA-LA-LA」 \2150
Ry Cooder 「music by Ry Cooder」 \1100
Avicii 「True」 \680
(V.A.) 「Punk - O - Rama」 \380
 
2022/10/29: BOOKOFF 練馬光が丘店
Thug Life 「 Volume 1」 \792
Alice In Chains 「Sap」 \693
Linkin Park 「Meteora」 \250
 
2022/10/29: BOOKOFF 練馬区役所前店
Atari Teenage Riot 「1992-2000」 \550
Jesse Harris and the Ferdinandos 「Jesse's Box」 \550
 
2022/10/30: www.hmv.co.jp
上野耕路 「オキナワン・チルダイ」 \2200
Clea Vincent 「Nuits Sans Sommeil」 \660
 
2022/10/30: diskunion.net
The Feelies 「Only Life」 \1694
Shakatak 「Down On The Street」
 
2022/10/30: www.amazon.co.jp
おとぼけビーバー 「いてこまひっつ」 \2192
 
---
Ry Cooder 「Music By Ry Cooder
 
先週の日曜の午後、暇だったので散歩がてら BOOKOFF へ。
先月久しぶりに入った光が丘の BOOKOFF が思いの他品ぞろえが良く、欲しいものばかり。
イッキに買い尽くすことはせず、この1ヵ月、週に一度ずつ足を運んで3枚ぐらいずつ買っていた。
Funkadelic のエディ・ヘイゼルのソロ国内盤帯付きや
コカ・コーラのCMソング集2枚組など2,000円を超えるものもいくつかあったけど、
たいがいは500円コーナーや300円コーナーから。充実していた。
来週はこれを買おうと思っていても棚を眺めているうちに別の気になるものが見つかる。
そのうちのいくつかは新しく増えた在庫なのだろうし、いくつかは以前気づかなかったものだろう。
 
500円コーナーで『TV CMソング・ベスト22』という洋楽のオムニバスがふと目に留まった。
どんな中古CD屋でも格安コーナーに置いてあるようなもの。
たぶん前からそこにあって、無意識のうちにスルーしてたんだと思う。
それがこの日はなぜか気になった。
 
1988年、WEA から出ている。
The Young Rascals ”Groovin'”
Percy Sledge ”When A Man Loves A Man”
The Cascades ”Rhythm of the Rain”
といった定番と共に
David Lindley ”She Took Off My Romeo”
Virginia Astley ”A Day, A Night”
The Dream Academy ”Life In A Northern Town”
など。お、と思う。けっこういいかも。
 
へー、と思っていたら……
Ry Cooder ”Across The Borderline” が収録されていて、え!? と驚く。
もしかしてオリジナルアルバムには未収録のCMバージョン!?
ドキドキした。これ、大発見じゃないか。
日本ではCD化されてなかったような?
1981年の映画『ボーダー』のために作曲され、
イオニアのカーステレオのCMで使われる。本人が出演して歌っていたという。
これが話題となり、シングルレコードも発売された。
翌年のアルバム 「Borderline」のボーナストラックとして追加されるも
その後CD化した際にはカットされている。
1987年のアルバム「Get Rhythm」には再録バージョンが収録されているが、
オリジナルとはかなり違うアレンジだという。
 
今年9月に発売された五十嵐正による『ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス』
という丁寧に編まれたディスクガイドでもわざわざ2ページかけて、名曲として紹介していた。
アルバムではなく曲単位で取り上げられていたのはこの ”Across The Borderline” だけ。
ライ・クーダーの名を高めた『パリ、テキサス』の表題曲や ”Dark Was The Night” ですら
そういう扱いにはならなかった。
それぐらい、この曲が幻の名曲だということなのだろう。
 
これは思わぬ掘り出し物と何食わぬ顔をして500円で買い、ホクホク、ニヤニヤして帰る。
これだから中古CD屋通いはやめられない。
……しかし、ああ、……しかし。
落ち着かない気持ちで解説を読んでいたら
ライ・クーダー の要望によりCMバージョンではなく再録の方を収録していますと。
残念。世の中そんなに甘くない。
 
悔しくてその後調べていたら1995年の2枚組アンソロジー「Music By Ry Cooder」が
彼のサントラ仕事から集めたもので、
”Across The Borderline” はどうも映画で使われたバージョンのようだ。
再録の「Get Rhythm」版ではなさそう。
DiskUnion に国内盤帯付きが1,000円ちょいで出ていたので迷わず買った。
 
届く。早速聞く。
あれ? なんか違う。というかヴォーカルがライ・クーダーじゃない。
クレジットを見ると確かに別の人が歌っていた。
調べてみると”Across The Borderline” には3つのバージョンがあった。
時系列的には
1)映画「The Border」で使われたもの。ヴォーカルは別人。
2)日本のCMで使われたもの。ヴォーカルはライ・クーダー本人。
3)再録して「Get Rhythm」に収録されたもの。ヴォーカルはライ・クーダー本人。
結局のところ2)のCD化はあるのだろうか……
無いという場合、いつか世に出ることはあるのだろうか。
探求は続く。
 
気を取り直して。
この1)も悪いわけではない。
国境を超える。その向こう側とこちら側、それぞれに生まれる物語。
 
他の曲もいい。
紙ジャケで再発された「パリ、テキサス」や「クロスロード」「ロング・ライダーズ」の他、
何度もコンビを組んだウォルター・ヒル監督の「サザン・コンフォート」「ブルー・シティ」
「ストリート・オブ・ファイアー」「ジョニー・ハンサム」「ジェロニモ」など。
ひとつの映画から3曲ほど選ばれている。
映画ごとにまとまって収録ではなく、ばらばらになっていて
曲調も全く違うのに不思議な統一感がある。
この2枚組自体がひとつの映画のサントラのよう。
ライ・クーダーという人間のサウンドトラックとでもいうか。
 
”Paris, Texas” のようにスライド・ギターを活かしたブルースが基調の曲が多いが、
ハワイアンだったりアンビエントっぽいのだったり
いろんな音楽を取り入れているのはいつもの通り。
(尺八を取り込んだ曲やモンゴルのホーミーに影響を受けたと思われる曲もあった)
メロディで多くは語らず、
アコースティックギターアコーディオンの付かず離れずの絡み具合など
音づくりそのものでその映画の映像的な雰囲気を伝えるのはさすが。
ライ・クーダー自身への探求も続く。