子供たちはなぜ戦隊ヒーローものを見るのか

ウルトラマン仮面ライダー戦隊シリーズは今もアップデートを繰り返しながら続いている。
僕も夢中になった。再放送をテレビにかじりついて見ていた。
何がそんなによかったのだろう? とふと思った。
 
理想と現実のギャップに気づいて、今の自分を疎ましく思う。
変わりたい、変えたい、そんな気持ちは大人ならではのものではないか。
子供に変身願望はそもそもあるのか。
 
変わりたい、としてもウルトラマン仮面ライダー、戦隊ヒーローになりたい、という大人は少ないだろう。
あれは子供向けのもの、という距離感を抱いている。
元々ファンで今もファンで、という人なら別かもしれないが。
 
そこにポイントがあるように思う。
大人の変身願望にはそもそも変えたい現実、変えたい状況というものがある。
子供にはおそらく、それはない。あったとしても強く結びついていない。
(いや、もちろん、問題のある家庭に育って現実逃避の手段としてのめりこむ子供もいるだろう)
 
子供のそれは、より大きく、より強く、より派手な存在に対する憧れのようなものか。
端的に言えば、早く大人になりたいという気持ちの表れなんじゃないか。
 
大人になってしまうとその先はない。
年老いていくだけ。いろんなことに諦めていくだけ。
そんな自分自身がすぐには変わらないことはわかっている。
先にも書いたが、変えたいのはむしろ周りの状況の方。
別の何かになりたいというよりも、別のどこかに行きたい、となるんじゃないか。
 
大人たちは旅行番組を見る。
そういうことなのだと思う。