先週買ったCD #174:2024/02/19-2024/02/25

2024/02/19: BOOKOFF 札幌南2条店
Gloria Estefan 「Greatest Hits」 \550
The Brand New Heavies 「Trunk Funk」 \330
 
2024/02/21: BOOKOFF 札幌南2条店
The Jan Huydts / Peter Trunk / Joe Nay Trio 「Trio Conception」 \1230
Booker T. & Priscilla Jones 「Chronicles」 \2310
※割引-200円
 
2024/02/21: TowerRecords 札幌PARCO
Boygenius 「The Album」 \2860
(Soundtracks) 「Barbie The Album」 \2970
※割引-500円
 
2024/02/22: BOOKOFF 札幌南2条店
Booker T. & Priscilla Jones 「Home Grown」 \2090
 
2024/02/22: diskunion.net
 
2024/02/22: www.amazon.co.jp
L.A. Getaway 「L.A. Getaway」 \2794
(V.A.) 「The Commitments Vol.2」 \299
Set Your Goals 「This Will Be The Death Of Us」 \511
 
2024/02/22: www.amazon.co.jp
Alkaline Trio 「Good Mourning」 (\449)
amazon のポイントで
 
2024/02/22: ヤフオク
Set Your Goals 「Mutiny!」 \250
 
2024/02/23: diskunion.net
Annette Peacock 「X Dreams」 \2151
Yes 「Yesshows」 \2151
Bonnie Raitt 「Just Like That」 \1100
Johnny Cash 「American Vi: Ain't No Grave」 \780
 
2024/02/23: www.hmv.co.jp
Motion City Soundtrack 「I Am The Movie」 \550
Motion City Soundtrack 「Even If It Kills Me」 \110
※割引-150円
 
2024/02/24: DiskUnion 渋谷ジャズ/レアグルーヴ
Hermeto Pascoal 「Cerebro Magnetico」 \1200
The Harvey Averne Dozen 「Viva Soul」 \680
Fairuz 「Fairuz In A Christmas Concert」 \880
 
2024/02/24: diskunion.net
Killer-Bong 「Sax Blue 7」 \1300
Killer-Bong 「Sax Blue 8」 \1200
 
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Booker T. & Priscilla Jones 「Home Grown
 
ベストヒットUSA』を見たり、『Lazy Sunday』を聴いたりして、
Talking Heads 『Stop Making Heads』のリマスター4K版が上映されていることを知る。
80年代のライヴ映画では頂点の一つ。
羊たちの沈黙』で知られるジョナサン・デミ監督の手掛けた映像が今も語り草。
客席はほぼ映さず、Talking Heads とサポートメンバーの演奏する姿を
一定の距離感でクールに追い続ける。
この<距離感>というところに Talking Heads というバンドの音楽性のなんたるかも
重ね合わされていた。
映像はヒンヤリとしているのに、演奏はアツい。
このバランス感覚の不思議さで何とも面白い音楽映画となっている。
 
その『Stop Making Sense』に ”Swamp” という曲があって。
元々は「Speaking In Tongues」(1983)に収録。
swamp とは沼地のこと。
……スワンプ・ロックのことを思いだす。
1960年代末から1970年代初頭にかけてのアメリカ、特に南部。
ゴスペル、カントリー、ブルース、R&Bを取り込んだ、粘っこい、ズブズブな泥臭いロック。
代表格はレオン・ラッセルやデラニー&ボニー。
Creedence Clearwater Revival や All Man Brothers Band もその範疇に入るか。
 
そしてなんといっても、この時期のエリック・クラプトン
Cream のあとは Blind Faith を解散させてアメリカ南部へ。
ラニー&ボニーのツアー・メンバーになるなどして、そのメンバーを中心に
Eric Clapton Solo」(1970) を発表。
Layla” で有名な Derek & The Dominos の結成となる。
そこがこのジャンルの、ロック史的にはピークとなるかな。
ストーンズの「Exile On Main St.」(1971)もその影響が大きいと思う。
Traffic を飛び出して同じくアメリカに向かったデイヴ・メイソンも裏クラプトン的な存在だった。
 
時折、都市に背を向けたくなる気分になって
沼地の掘立小屋で演奏しているようなスワンプが聞きたくなる。
ジェシー・デイヴィス、(最初の数枚の)リタ・クーリッジ、
デヴィッド・ボウイがカバーした“It Aint’ Easy”のオリジナルを作曲したロン・デイヴィスなど。
 
よし、また聞き直すかと思っていたところに
札幌出張、狸小路ブックオフで目に止まったのがブッカー・T&プリシラ
『名盤の殿堂』シリーズのSHM-CD紙ジャケなので希少なもののはず、
とその場で amazon を見てみたら3枚のアルバムのどれもが在庫なし。
これは絶対ある時に買っといた方がいいなと3作目の「Chronicles」(1973)を。
次の日、いてもたってもいられなくなって
もう一枚棚に並んでいた2作目の「Home Grown」(1971)を。
amazon で検索していた時に、そうだ、これを持っていなかったと思い出した
ジョエル・スコット・ヒル、ジョン・バーベイタ、クリス・エスリッジによる
「L.A. Getaway」(1971)の紙ジャケもオーダー。
東京に戻ってきて早速この3枚を iPhone へ。
 
名前の通り、ブッカー・Tとプリシラ、夫婦となった2人のデュオ。
ブッカー・Tは今も世界のどこかのラジオ局でかかっている
“Green Onions“ で有名な Booker T. & MG’s のオルガン奏者。
解散後、南部に行ってリタ・クーリッジの姉、プリシラ・クーリッジと結婚したんですね。
(彼女のソロデビュー作「Gypsy Queen」(1970)をブッカー・Tがプロデュースしたことが縁と思われる)
彼はオルガンだけではなく、様々な楽器を演奏。歌も歌う。
プリシラもシンガーソングライター。
なかなかいい組み合わせ。
 世界3大夫婦デュオだと僕は思う。
 ソニー&シェールやアイク&ティナ・ターナー、ジョン&ヨーコよりも)
 
3枚それぞれの魅力があって
ズブズブなロックとしては「L.A. Getaway」が噂通りの名盤だったんだけど、
末長く愛聴するのはブッカー・T&プリシラHome Grown」かな。
基本、ホームレコーディング。
1曲目の冒頭は彼らの子供の声だろうか。
ブッカー・Tによるわずかばかりバックの演奏が入ってそこに二人の歌声が重なる。
家の中だろうか、独特なエコーがかかっている。
ソウルとブルースの薄暗いところを扱っているようでいて、
生活の喜び、歌う喜びに満ち溢れている。
演奏もスカスカなようでいて、十分な余白がある。演奏に歌心がある。
こういう音楽、ありそうでなかなかいい。
曲目はボブ・ディランの ”Maggie's Farm” や ”Don't Think Twice, It's All Rigjt” など。
ブルースの定番で言えば、”Born Under A Bad Sign” (彼自身共作した曲)など。
2人の歌にし過ぎてて、もはや元の曲が分からないぐらい。
 
しかしこの数年後、2人は離婚したようだ。
 
Talking Heads ”Swamp” は
デヴィッド・バーンの考える沼地。
ブルースの背景としての沼地ではなく、子供の遊び場としての沼地。
それまでのスワンプ・ロックに対するアンチテーゼのようで面白い。