先週買ったCD #175:2024/02/26-2024/03/03

2024/03/01: diskunion.net
Booker T. & Priscilla 「Booker T. & Priscilla」 \2518
Hermeto Pascoal 「PLanetario Da Gavea」 \2250
 
2024/03/01: メルカリ
Bongzilla 「Apogee」 \1800
 
2024/03/02: TowerRecords リヴィン光が丘店
June Christy And Stan Kenton 「Duet」 \1650
 
2024/03/02: tower.jp
民謡クルセイダーズ日本民謡珍道中」 \3300
Can 「Live In Paris 1973」 \2970
The Black Crowes 「The Southern Harmony And Musical Companion 2CD Deluxe Edition」 \3960
 
2024/03/03: BOOKOFF 札幌南2条店
John Abercrombie Trio 「Current Events」 \1210
John Abercrombie Trio 「While We're Young」 \1210
Pat Martino 「East!」 \990
 
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Hermeto Pascoal 「PLanetario Da Gavea」
 
先日、新宿御苑の整体に行く前に少し時間があって、
紀伊国屋書店近くの DiskUnion へ。
ジャズとラテンのコーナーだけを見た。
エルメート・パスコアールという名前を見つけ、どこかで聞いたことあったな、と思う。
「Zabumbê-Bum-Á」(1979)と
「Cérebro Magnético」(1980)という2枚のジャケがかっこいい。
色彩感覚 にあふれた、どこかアウトサイダー・アートにもつながる不思議なモチーフの絵。
これだけでも天才的な感覚をもつ人だということがわかる。
 
輸入盤だったので、ちょっと考える。
国内盤で解説付きが欲しい。検索すると渋谷の方の店舗にあった。
自由が丘に行く用事のついでに立ち寄って買った。
(ジャケットの美しさ、発色のすばらしさは輸入盤の方が段違いでよかったと思う。
 国内盤は元々のジャケットをカメラで撮り直したかのような)
 
国内盤は BOMBA レコードから出ていた。
解説を読むと若い頃アイアート・モレイラと演奏していた縁で
渡米したアイアート・モレイラの引きでマイルス・デイヴィスの録音に参加。
それが「Live Evil」(1970)だった。
ブラジルに戻ってから、ソロアルバムを出すようになる。
彼自身は鍵盤楽器も弦楽器も打楽器も管楽器も演奏するマルチ・インストゥルメンタル奏者。
 
聞いてみて、今の僕では説明できない。
ブラジルの作曲家、演奏家ということになるが、
古今東西の音楽、非音楽をブラジルの大地というフィルターにかけたかのような。
エグベルト・ジスモンチといった天才肌のミュージシャンのさらにその上を行くというか。
エルメート・パスコアールもそうだし、エグベルト・ジスモンチもそう、
ボサノヴァの巨匠、ジョアン・ジルベルトや MPB の帝王、カエターノ・ヴェローゾもそうだけど、
ブラジルの優れたミュージシャンにはどれだけ都会的な洗練された音を出しても
その根っこに大地やその中を流れる水を感じる。
国土の広さを無視して安直なイメージで語ると、アマゾンの熱帯雨林を感じる。
これは遠く離れた日本人が勝手に重ね合わせるステレオタイプなのか。
(もし仮に日本人のミュージシャンにはあまねく富士山が感じられる、
 桜の花びらが感じられると言われたら、合ってるような合ってないような、ということか)
 
基本、ジャズやフュージョンってことになるんだろうけど
ロックも現代音楽も変幻自在。
というか、前衛と郷愁の間を軽やかに飛翔する。
 
この 「PLanetario Da Gavea」は1981年のライヴアルバム。(発表は2022年)
2枚組でかなりのボリュームだけど、全然飽きない。
気心の知れたメンバーを相手に存分に遊び尽くすというか。
なんかもう、1分先の展開がわからない。
完璧に編曲しているのか、簡単な決め事のみでインタープレイなのか全然わからず。
隙あらばパーカッションのソロが乱れ打ち、おそらく彼自身なのだろう、突然朗々と歌い出す。
生命力強すぎの音楽。
 
音楽的視野の広さ、奥行きの深さ、
それを自由自在にザッピングして美しくもグロテスクさを秘めた音楽に
アプトプットできる能力の高さという点で
ビョークに近い資質を感じる。