先週買ったCD #181:2024/04/08-2024/04/14

2024/04/08: tower.jp
Bongzilla 「Dabbing [LIVE] Rosin in Europe」 \2890
(V.A. Soul Jazz Records) 「Studio One Down Beat Special」 \2990
 
2024/04/08: メルカリ
Killer Bong 「Kill Chill」 \2200
Killer Bong 「Manhole aka Killer Bong」 \2299
 
2024/04/08: diskunion.net
Tori Amos 「Boys For Pele 20th Anniversary Remastered Deluxe Edition」 \1900
The Eleventh House featuring Larry Corriel 「Little One」 \1100
 
2024/04/09: www.hmv.co.jp
宇多田ヒカル 「Science Fiction」 \4950
Sonic Youth 「Walls Have Ears」 \3850
Taylor Swift 「Red Taylor's Version」 \3036
 
2024/04/10: BOOKOFF 上石神井駅南口店
Lez Zeppelin 「Lez Zeppelin」 \693
Camila Cabello 「Romance」 \550
 
2024/04/10: www.hmv.co.jp
Doja Cat 「Scarlet」 (\2640)
Grace Potter 「Mother Road」 (\3158)
HMVのポイントで
 
2024/04/11: メルカリ
Karrin Allyson 「Footprints」 \1180
 
2024/04/12: DiskUnion 神保町店
Killa Turner / B.D. & Roberta Crack / Nipps 「Black Rain」 \1500
Thelonious Monk 「Monk.」 \1200
(Soundtracks) 「Cool Running」 \110
 
2024/04/12: BOOKOFF 練馬光が丘店
Public Enemy 「Fear Of A Black Planet」 \693
 
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Killer Bong 「Kill Chill」
 
日本語ラップ』というものが常に頭の片隅で気になっている。
日本語で歌うということ、日本語で韻文を、もっと言うと文章を、書くということに対して
常に異物であり続けている。
本能として闘争的なものを孕んでいて、融和するということがない。
ラップメタルはあっても、メタルラップはない。
この屹立したスタンスは永遠に変わらないだろう。
 
『日本のヒップホップ』というものは『日本語ラップ』と似て非なるものなのか。
結局は同じなのか。
ヒップホップはなぜ、ローカライズを求める、土地に根付くものなのか。
万国共通のユニバーサルなヒップホップ像というものは、なんとなくあるにはある。
ターンテーブルとMCがいて、こういうビートがあって、という。
でもそれを具現化するミュージシャンがいたら無味乾燥でつまらないだろう。
ブロンクスの、さらにこのディストリクトの、
新宿の、さらに西口の地下通路を通った先の、
という土地の記憶や感情が注入されることによって、早い話、中身を得る。
 
優れた論客やキュレーター、記録者がいるというのも面白い。
評論家じゃないんですよね。
現場の生の声を拾って残してくれる人がここまで多いジャンルは珍しいと思う。
 
今夜はブギーバック”(1994)のスチャダラパーでラップというモノを知って、
同じ年、EAST END x YURI ”DA・YO・NE” が大ヒット、
KICK THE CAN CREWRip Slyme も売れる存在になって
ヒット曲としてはいいけど、実際どうなんだっけ? と思った時に
キミドリや BUDDHA BRANDTha Blue Herb を知って、
さらに何年もかけて、 Chelmico / Kid Fresino / Seeda / KOHH などと広げてきた。
その途中で Vibrastone や Major Force に遡ったりした。
大阪のアメリカ村に行って King Kong やもっと小さなレコード屋
それまで見たことないけど気になった MIX-CD を買ったりもした。
 
そんなこんなで30年ぐらい聞いてきたことになるのかな。
その中でも一番謎めいていてよくわからないのが
(音楽が、ではなく、氏素性含めて全体感として)
Killer Bong となる。
 
何をきっかけに知ったのかはもはや思い出せない。
店頭で見かけたのか、雑誌なのか。
2009年の「Leipzig Dub」を最初に買ったのは確か。
その時はピンと来なくて後に、
2011年にダモ鈴木と共演した「Killer-Damo」で思い出して、
2006年の「Tokyo Dub」「Moscow Dub」などと遡っていった。
 
彼自身は(おそらく)MCではなく、トラックメイカー。
様々な名義で無数の作品を発表している。
その多くが CD-R で、全貌がつかめない。
本人も把握してないんじゃないか。
 
彼が参加したグループ、Think Tank の最初の作品「Think Talk PT-3」を今回入手、
メンバーの経歴が一人ずつ記載されていたが、でたらめで何の役にも立たないものだった。
それはそれでヒップホップらしさなんだろうけど。
『LEGENDオブ日本語ラップ伝説』で1章割いて取り上げられていて、
誰それは誰それとつながっててとか
Killer Bong と池袋で遊んでたとか原宿で服を売ってたとかで結局よくわからない。
ヒップホップとしての音の凄さはわかるんだけど、どこにその源泉があるのか。
ヒップホップ以外の音とどう向き合っているのか。
 
結局少しずつ作品を集めていくしかない。
少し前にジャズをテーマにしたMIX-CDのシリーズ「Sax Blue」のNo.7,8を手に入れることができて、
これがすこぶるよかった。
オーソドックスなピアノトリオを取り上げつつもつなぎ方にサイケデリックな余韻があったりで。
それ以前にそもそも選曲眼がいい。普通に何度も聞ける。
(No.8 の方はなぜか、秋田から弘前に車で移動するときは釣りをする、といった短文が添えられている)
 
今回また思い立って、メルカリでCD-Rを3枚。1,300円から2,300円ほどで。
「TV DINNER SOUNDTRACKS」(2010)
「Kill Chill」(2007)
「Manhole aka Killer Bong」(2004)
どれもインスト。若干ラップが入るかな、ぐらいの。
どろーんとしてぐにゃぐにゃして、出所不明な音。異世界のヒップホップ。
内容の方向性はある程度タイトルが示していて、「Kill Chill」だとチルアウト気味とか。
 
この人、Arca なんかと同じぐらいのめちゃくちゃ高い音楽的ポテンシャルがあって、
それが東京の池袋(?)で生まれ育つことでこういう音になったんだろうなと思う。
日本の、アンダーグラウンドのヒップホップを体現する存在。