『かりあげクン』

Yahoo! で今、『かりあげクン』の過去の傑作選が毎日2~4話ずつ読むことができて、
それが朝のささやかな楽しみとなっている。
 
津軽半島の先の方にある母の実家は大きな家で、
夏休みともなると従兄弟たちが集まって
甲子園を見たり、裏の庭で蝉を取ったり、
軽トラの荷台に乗せてもらって川で遊んだりしていた。
湧き水で冷やした西瓜を食べ、昼はだいたい大量に茹でた素麵だった。
叔父が暇つぶしに買ってきて読んでいたのだろう、
なぜか『かりあげクン』が何冊もあって回し読みしていた。
それもまた、夏の思い出。
 
漫画アクション』であるとか大人の漫画雑誌なんて知らなかったし、
かりあげクン』はマニアックな存在だと思っていた。
植田まさしが読売新聞で『コボちゃん』を連載しているなんて知らなかった。
青森では周りに読売新聞を取っている人はいなかった。
それが今やJRのCMのキャラクターになったり。
時代は変わる。
ものすごくおおざっぱな視点に立つとき、
日本を代表する4コマ漫画って『コボちゃん』や『かりあげクン』なのだろう。
 
暇の土曜、まとめて読みたくなって昼に探す。
整体に行ったついでに新宿御苑のローソンやファミマを回る。
コンビニコミックで総集編がいくらでもあるだろと思うも、案外ないもので。
『黄昏流星群』はあるのになあ、とか。
植田まさしだと『フリテンくん』で、惜しい! とか。
そもそも雑誌やコミックを置いていない店もあった。
神保町に移動してようやく見つけることができた。
漫画アクション』の出している総集編の最新号だった。
ワンコインで読めるという。
 
夜になって、缶チューハイを飲みながら読む。
昔読んだのも入っていた。
10何巻の辺り。もう40年近く前か。
もちろん、読んだことのない最新のものが多かった。
ダーツバーや讃岐うどんなどその時々のはやりのものをそっとしのばせながら
笑いの構造、かりあげクンのいたずらのやり口は変わらない。
さすがだな、と思った。
 
いつまで続くんだろうな。
そう思って、植田まさしを調べてみると今年77歳とのこと。
元気だなあ。