空の飛び方

空を飛んでみたいなあ、飛べたらなあと時々考える。
誰しも1度は考えることなのではないか。
日々の生活の中でふとした瞬間に「鳥っていいよな」と思うようなときもあれば
ただ単純に子供っぽい気持ちで憧れることもある。


羽が生えて自由自在に大空を飛ぶっていうのはさすがにありえない。
だとしたら何があるか。


人力飛行機っていうのはちょっと違う。
手間暇かかりすぎる。
音楽の好きな人が真空管を集めて自らアンプを作るようなもの。
そこまでするのはさすがにちょっと。
大事なのは空を飛んでいるという感覚そのものだ。


となると、方向性は2つ。
1.飛行機やヘリコプターの操縦を学ぶ
2.ハンググライダー、パラグライダー、あるいはスカイダイビングといったスポーツを試みる


1.は日本じゃどこまでできるんだろ?
航空自衛隊に入るか日本航空全日空に入社してパイロットになる。
これはもう年齢的に無理だし、狭き門に入れたところでそこから先の試練が長い。
入りさえすれば誰でもなれるってものではない。
セスナの免許を取るってのもありだが、
一介のサラリーマンがそういうこと始めたら
残りの人生それ以外にお金が使えなくなりそうだ。
特に自家用機を持とうとしたら。
そもそも飛行機を操縦するときって飛行計画を提出して了承を得なくてはならないものであって、
案外自由が利かない。
車を運転するのと大差ないのかもしれない。
だったら庶民は車を運転してる方がいいのだろう。
自家用セスナを操縦することそのものではなくて、
それに乗ってどこかに行くことが目的となるような生活をしないと。


2.ってことになるのかな。
上で挙げたどれかって1度はやってみたいなあ。
東京近郊で体験させてくれる場所って無いものか。
ハンググライダーやパラグライダーって気持ちいいんだろうな・・・。

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夢の中で鳥になって空を飛んだことのある人って結構いるのだと思う。
でも僕はそういう経験をしたことがない。
夢の中でもてくてくと歩いているばかり。


鳥というものが自由の象徴であるのならば
僕の心の奥底はきっと何かに閉ざされているのだろう。


少なくとも僕の前世は鳥ではない。

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渡り鳥の種類の中には北半球の果てから南半球の果てまで
毎年とんでもない距離をとんでもない時間をかけて往復するものがあるらしい。


越冬して、子供を育てて、後はひたすら空を飛んでいるのだろうか。


本能として飛ぶことを覚えている。
そしてその本能に従って生命を全うする。
空という空間を体が知り尽くしている。


・・・いいよなあ。