三浦半島ドライブ①

この前の土曜、会社の先輩や後輩たちと三浦半島にドライブに出かけた。
最初の構想では竹芝桟橋から毎日出ているフェリーに乗って大島に行って
海水浴をするか温泉に行くことになっていた。
・・・が、フェリーは事前に予約が必要で、
この時期、特に3連休ともなると夏の大島へと向かう若者たちだらけ。
もたもたしているうちに予約がいっぱいになってしまっていた。
羽田から飛行機も出ているがこれも残席なし。
新中央航空会社」というところが府中から飛行機を飛ばしているがこれも無理そう。
仕方なく断念する。
じゃあどこに行こうかってことになって何人かの有識者に相談してみたところ
浮上してきたのが三浦半島
海水浴場も温泉もあって、マグロがうまいらしい。即決。
海水浴はまあいいとして温泉とマグロですね。
20代後半から30代前半にかけての会社員からすればたまんない話。


ということで三浦半島と決まるものの
「どこっすか?それ」というとぼけた質問が主に若い人たちの間で巻き起こる。
というかそれ以前に僕自身もその地理を把握していない。
正直に言うが、僕は伊豆のある場所が三浦半島だと思っていた。
(もっと正確に言うと名前はわからないが伊豆は半島にあって、強いて言えばその名前は三浦半島
西から眺めるとこんな感じ。
箱根・伊豆(三浦半島)・鎌倉・湘南・横浜
住んでる人からしてみれば「ありえなーい!」って感じなんだろうなあ。
今地図を見て「そうか、半島が2つあるのか」と改めて認識。


僕が考えたプランとしては、以下のようなもの。

                                                                                                                                  • -

東京→油壺にて温泉マグロ→フェリーに乗って城ヶ島へ、ぶらぶらと観光
→フェリーで油壺に戻る→三崎に移動してマグロを食べる→東京に帰る

                                                                                                                                  • -

三浦半島って温泉がそんななさそうなんだけど
いくつかの旅館・ホテルにあることはあった。


朝7時に東京駅に集合。
僕は前の晩会社の後輩たちと飲んでいたので(新人たちのチーム配属があった)
少しばかり睡眠時間が少ない。土曜に早起きともなると体の中は疲れが残りまくっている。
寝たのは3時だった、という後輩もいた。


みんな時間に遅れず集合したのでささーっと出発する。
カーナビで目的地を設定すると到着予定時刻は8時半。あまりに早すぎる。
僕は思いっきりペーパードライバーなので
車で移動するときの時間と空間の感覚が身に付いていない。
どれだけの距離があってどんな道(特に高速)を通んなくちゃならなくて
それってどれだけ時間がかかるの?ってやつ。
「とりあえず早めに出ておけば渋滞に巻き込まれないんじゃない?」ぐらいにしか考えてなかった。
仕事の愚痴を言ってる間にあっという間に着いてしまう。
飛ばして飛ばして渋滞に遭うことはなく。景色を見る間もなかった。
僕が印刷して持ってきていたとあるサイトのページには
フェリーに乗るとスカイブルーとマリンブルーが溶け合い、みたいなことが書かれていて
「これは見てみたいね」という話を車の中でする。


高速の16号線「横浜横須賀道路」を経て「三浦縦貫道路」へ。国道に出るとひたすら南下していく。
京急久里浜線の終点「三崎口」駅の側を通る。
この辺りから「マグロ」「マグロ丼」「サザエ」「サザエの壷焼き」と書かれた看板がちらほらと。
「おーいいねー」とみんな言い出す。
「朝から食べたら3食マグロだねえ」「いーんじゃない?それでも」などと。


油壺に到着。
普通の住宅地の中に椰子の木が生えている。
そのまま細い道を走っていくとやがて両サイドに土産物屋や食堂、民宿が。
行き止まりには「油壺マリンパーク
駐車場が3000円だというので「高い」と引き返す。
途中の食堂や民宿のあちこちで敷地を貸し駐車場にしていて、
1日500円だったのでそっちに停める。


8時半過ぎ。
マリンパークが開いてるわけでもなく、温泉のある旅館もまだ入れない。
歩いている人は少なくてここはただの寂れた田舎の観光地だった。
マリンパークももうちょっとリッチな施設かと思っていたのだが、完全に子供向けだった。
ヨットハーバーはもっと別な場所にあるのだろうか。
「終わってる・・・」口には出さないが歩きながらみんなそう思う。
それでいてリゾートマンションの建設が始まっていて、なんだかバランスが悪い。


フェリー乗り場へ。
木陰の遊歩道を降りていく。
東大の地震観測研究所が建っている。
左側は斜面というかかなり急な角度の切り立った崖になっていて
酔っ払って足を踏み外したら転げ落ちて頭を打って死んでしまいそう。
「ひょえー」と思わず言いたくなる。
その崖の向こう、はるか下の方に海が広がる。
セミの鳴き声が聞こえる。


途中から階段になって、降りていくとそこは海水浴場。
途中の立て札に「日本の水浴場八十八選に選ばれた」とあるのだが、
これまたしなびた雰囲気。
ものすごくこじんまりとしていて
これのどこが1/88なんだ?と首を傾げたくなるぐらいの。
「もしかして自選?」という声も上がる。
小さな湾のようになっていて泳げる範囲はわずかばかり。
海の家が2つ、なぜか美術館もあり。
もうこの時間から親子連れが集まっている。
パラソルの下に椅子を並べて両親が寝そべって、まだよちよち歩きの子供が波間へと近付く。
砂浜は左右を岩場に囲まれている。
子供たちが互いに散らばりあって貝や魚が採れないものかと覗き込んでいる。


フェリー乗り場に行く。
小さな小屋が立っていて、パイプを組まれて紙に「改札」と書かれている。
無線の音が聞こえる。城ヶ島と交信しているらしい。
窓口のおばさんと話すと9時の便は欠航になったと伝えられる。
油壺近辺はいいのだが、城ヶ島では霧が出ていて船を走らせられないのだという。
車に乗っている間空はずっと曇っていて、雨が降りそうで、晴れるのかなあと気になった。
今空を見上げると四方八方が灰色の雲に覆われている。
フェリーは1時間に1本就航している。
1時間待ってみることにする。