歯医者その9

突然ですが、終わりました。
終わってしまいました。


ぼけーっと座っていたら
何の世間話もないままさーっと進んでいって
最後に歯科医が出てきて、次は3ヵ月後と。


え!?と思う。


歯間ブラシの次はデンタルフロスの使い方を、ということになっていて、
「両手の人差し指に巻いたら中指で押さえて、
そうそうそんな感じで、できますね」
いつもならみっちり手取り足取り練習させられるのだが、その日はなし。
なんだか急いでいるような雰囲気があって、
機械的に物事が進んでいって、隙間は一切なし。
僕は単なる「その日最後の患者」でしかなかった。
サービス終了。


今まではいったいなんだったのだろうか?


・・・というか僕は何を夢見ていたのだろうか?


今年もまた早々と夏が終わった。


3ヵ月後、行くべきか行かないべきか。
教わった歯の磨き方、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方を放り投げてしまうべきか。


デンタルフロスのレッスンを受けている間に、
「私、実は歯医者に勤めだしてから初めて前歯にフロスを使ってみたんですけど、
 とても気持ちよかったです。オカムラさんどうでしたか?」
というこの日最も無防備な瞬間が訪れるも
「・・・よくわかんないです」と素で答えてしまう。
この煮え切らなさがやはりよくなかったのだろう。
この日に限らず全般的に。
嘘でも言いから目を輝かせて「いいですね!歯が軽くなりました!!」ぐらい言うべきだった。


3ヵ月後って言ったらもう11月じゃないか。冬だよ。